
さよならペッツィー② 余命宣告
先生に診てもらったら、すぐにいつもの元気なペッツィーに戻れると思って診察室へ入ったのに、まさかの余命宣告
「長くて一週間」
ペッツィーは6日目の朝、もがき苦しみながら息を引き取った。

12月のある晩のこと、お腹をペロペロ舐めてるペッツィーをみて「どうしたの?」と声をかけて覗きこんだら、お腹の毛が血だらけになっていた。
以前からペッツィーのお腹にはおでき(脂肪腫)があり、それが最近ちょっと大きくなってきたような気がして心配していた矢先の出来事だった。
どうやら舐め壊したか掻き毟ったかでおできが破裂してしまったようだ。
「ごめんね、嫌だよね」と声をかけながらペッツィーの首にエリザベスカラーを着け、傷口に人間用の軟膏を塗っておいた。
翌日かかりつけの獣医さんへ連れて行ったら、おできを全部取り除いて傷口を縫うことになった。
その手術前に全身検査したところ脾臓に腫瘍がみつかった。
「血管肉腫の可能性が高く、脾臓破裂のおそれがあります。脾臓全摘手術も同時にしますか?」
血管肉腫は非常に進行が早いガンであること。
心臓などほかの臓器へ転移する可能性が高いこと。
そのため手術後の生存率もきわめて低いこと。
脾臓摘出手術じたいは難しいものではないけれどペッツィーの年齢(11歳)を考えるとリスクは低くはないこと。
何を仰ってるのか全然頭に入ってこなくて同じことを繰り返し聞いてしまったような気がするけれど、先生は穏やかにとても丁寧に説明してくださった。
次の日手術は無事に終わり、経過も順調でクリスマス前には退院して自宅へ戻ってくることができた。
クリスマスもお正月も、家族でのんびり過ごした。表向きは。
血管肉腫は悪性度の高い病気であり、ペッツィーに抗がん剤治療を受けさせるかどうか?早急に決める必要があった。
運否天賦
一度はすべて神様仏様にお任せしようと考えたが、いつもの散歩コースを楽しそうに歩くペッツィーをみていると、この幸せが長く続きますようにと強く願わずにはいられなかった。
副作用などのリスクを承知のうえで、お正月明けにペッツィーの抗がん剤治療を開始した。
もしも一度だけ時間を巻き戻せるチャンスがあったなら、ペッツィーに抗がん剤治療は施さず、神様がきめたスケジュール通りにペッツィーの生涯を終わらせてあげたかった。
たらればの話をしても何の意味もないことはわかっている。
ペッツィーは2回めの抗がん剤治療中に医療事故が発生。
重篤な副作用に苦しみ、当然ながら抗がん剤治療の継続が不可能となった。
治療を中止した翌月には多臓器へ転移し、あっという間に燃え尽きてしまった。
抗がん剤治療を選択したばかりに、ペッツィーには痛くて苦しくて辛い思いをたくさんさせてしまった。
医療事故だって飼い主がもっと治療内容について精査していれば防げたはず。
ごめんねペッツィー。
何度謝っても足りないよ。