
24H洋服店〈訪問者は、ライバル!?〉
ー 4 ー
「あ~~あ。良く寝た。」奥から店長が顔を出した。
「あっ。店長。これまた来てますよ。」
美香子は、店長に分厚い封筒を渡した。
「皆川照子さんね。」
「はい。」
店長は、封筒を開け中身を取り出した。
そのなかには、デザイン画の束が入っていた。
「今回は、春夏ものだね。」
「どれ。どれ。ホントだ~~。」
皆川照子さんとは、北海道在住の主婦だ。2年前からよくこのお店にデザイン画を送ってくる。
「これまたオーナーにお見せしますか?」
「そうね~。いつも困るんだよね。」
「じゃあ。断ればいいのに。」
「うん。はなちゃんがいるから、デザイナー募集をしていないんだけどさ送ってくるんだよね。」
「まあ。私も隙あればとねらっているんですが。」
「美香子ちゃんは別だよ。」
そこへ、一人の女性が店の中に入ってきた。
「いらっしゃいませ。」
「あの。こんにちは、皆川です。」
「ええ~~~。」
店長と美香子は顔を見合わせる。
「あの。私のデザイン画届きましたでしょうか?」
「今、見ていたところです。」
「あっ。はじめまして。皆川照子と申します。」
皆川照子さんは、小柄でだいたんなデザイン画からイメージが出来ない物静かそうな女性だった。
「はじめまして。北海道から?」
「あっ。はい。主人の出張についてきました。あの~。デザイン画どうでしょう?」
「一度聞いてみたかったのですが、なぜうちに?」
「うちの近くの専門店に御社のデザインの洋服が売っていまして、ナチュラルポットさんのHPにたどりつきました。私の描くデザインとイメージが似ているので、もしかしたら採用していただけるかと思って。」
「私は、単なる雇われ店長なので、なんとも言えません。今、オーナーをここに呼びますからちょっとお待ちいただけますか?」
「は、はい。」
「もし、もし。オーナーいる?皆川照子さんがみえているんですが。。。はい。わかりました。」
店長は電話を切った。そして、皆川照子に向かって言った。
「上の階が事務所になっていますから、あがってきてくださいって。オーナーがおりますので、お会いしたいそうです。」
「ありがとうございます。」
店の2階と3階は、このお店のオーナーでもあるアパレル会社のオフィスになっている。
皆川照子は、小ぶりの旅行鞄をかかえ2階へとあがっていった。
「びっくりですよね。」
「そうだね。彼女本気モードだったね。」
「はい。負けられません。」
「よし、美香子ちゃん、その調子だよ。」
「あっ。皆川さん、デザイン画おいてっちゃった。ちょっと、届けてきますね。」
「ああ。お願い。」
うっき~。オフィスにあがるの久しぶりだな。
美香子はうきうきとした気分で2階にあがるのであった。