
24H洋服店〈その名は、ももちゃん〉
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「こんにちは。戸村エンジニアリングです。」
事務機器の営業マンの百瀬さんが来店した。
「やあ。ももちゃん。」
「プリンターの調子はどうですか?」
「バリバリ順調だよ。」
本社のコピー機の保守点検に来たが、店舗のプリンターの調子が気になったので寄ってくれたようだ。
「ももちゃん、コーヒー飲む?」
「いつもすみません。」
美香子は、裏にまわってコーヒーを淹れる。
店長は人気者なのである。今日来店した百瀬さんとも大の仲良しで、良く一緒に飲みに行くらしい。
「最近どう?」
「なかなか新規は難しいですね。」
「そうだよな~。うちのお客さんも財布の口固いもんな~。」
「百瀬さんコーヒーどうぞ。」
百瀬は香りを楽しみながらコーヒーを飲んだ。
「あれ?美香子ちゃん俺には?」
「店長、今日10杯目ですよ。」
暇さえあれば、コーヒーを飲んでいる店長である。
「くれ~~。」
「了解しました。」
よくドラマでお茶くみをいやがる女性がいるが、美香子は嫌いではなかった。
店長のところには、良くお客さんが来るが美香子の厳選したコーヒーを堪能してくれる様子を見るのが嬉しかったのだ。デザイナーが無理だったら、喫茶店を開業したいくらいコーヒーが大好物なのだ。
「店長、今日はお願い事が。」
「何?何?」
「実は、彼女が誕生日で洋服をプレゼントしようと思うんですけど。」
「ほう。いいよ。どんな感じがいい?」
「フェミニンな感じで、淡い色の洋服がいいんですが。」
「これなんかどう?」
店長と百瀬さんは、服選びを始めた。おいおい。営業マンが仕事時間を私用につかっていいのか?百瀬さんの彼女ってどんな人なのかな?想像がつかない。
「ももちゃん、今度紹介しろよ。」
「はい。」
「ももちゃん。店長に取られちゃいますよ。」
店長は、脚が長い、超はつかないがかなりのイケメンである。
「美香子ちゃんひどいな。確かにバツ2の独身貴族だけど、人の彼女まで取らないよ。」
「店長かっこいいから心配です。」
「また~。ももちゃんまで。」
そこで、電話がなった。
「ありがとうございます。ナチュラルポットです。はい。まだいますよ。」
2階のオフィスからだった。
「ももちゃん、たのみ忘れた物があるって。」
「あ、ありがとうございます。」
「じゃあ店長、プレゼント用に包んでおいてもらえますか?」
「了解。」
支払いを終えた百瀬さんは、二階の本社へ戻って行った。
「店長、百瀬さんの彼女ってどんな人なんでしょうね。」
「う~~ん。淡い色が似合うんだったら、ぽよぽよした感じなんじゃない?」
女性に対して、ぽよぽよとはセンスが無い店長である。
「今度会ったら写メ送ろうか?」
「いいえ、そこまでは。なんかいいですよね。彼女の趣味がわかっている男性って。」
「はいはい。どうせ俺はわからんちんのバツ2ですよ。」
店長がいじけて、この話は終わってしまった。まったく大人げないと思った美香子だった。