
退職したのに失業保険がもらえなかった話|#68(第4章)
FIRE生活に入って、最初に直面したのは自由でもお金でもありませんでした。
「手続き」です。
しかも、いきなり結構インパクトのあるやつが来ます。
退職前、私は当然のように思っていました。
「会社辞めるんだから、失業保険はもらえるでしょ」
これはかなり自然な発想だと思います。
退職前に調べたところ、自己都合で退職する私の条件で計算してみると、ざっくりですが、失業保険は月約20万円を4〜5か月間ほど受け取れる可能性がありました。
「大体80万円か、これは大きいな」と正直思っていました。
でも実際に調べてみると、そう簡単な話ではありませんでした。
私の場合、資産管理法人を持っているため、「就職する意思がある状態」とは見なされず、基本的に失業保険はもらえないという扱いになります。
薄々、そんな噂はほんのりと聞いていた気もするのですが、、正直、ほんとに貰えないと分かったときは、かなりショックでした。
「え、もらえないの?」
「いやいや、普通にもらえる前提で考えてたんだけど…」
もらえると思っていたお金が、まったくゼロになる。
これは想像以上にインパクトがありました。。。
じゃあ仕方ない、あともう一つ重要な手続き、健康保険と年金の手続きをどうするか。次に考えたのはこの2つについてでした。
選択肢としては、
・国民健康保険
・退職した会社の健康保険を任意継続
あたりが一般的です。
「まあどっちかに入ればいいか」
くらいの軽い気持ちで調べ始めたのですが、ここで次の壁にぶつかります。
金額が、めちゃくちゃ高い。
ざっくりですが、私の条件でこの2つパターンで計算すると、
1.国民健康保険+年金:約130,000円/月
(約156万円/年)
2.任意継続+年金:約133,000円/月
(約159万円/年)
結局どちらも同じような金額ですが、この水準になります。
見た瞬間、思いました。
「いや、ちょっと待って」
「これ、普通にどっちも高くない?」
会社員のときは給与天引きだったのであまり意識していませんでしたが、自分で払うとなると感覚が全然違います。
しかも、これを毎月払う。
FIRE生活に入った直後に、毎月13万円。
さっきまで「失業保険もらえるはず」と思っていて浮かれていたのに、その真逆で、さらには、まあまあな額を払わなければならない。
このときは正直、かなり絶望しました。笑
「いや、他に方法ないのか?」
と思って、もう少し調べてみました。
そこで見えてきたのが、法人を活用する方法です。
私はすでに資産管理法人を持っていました。ただ役員報酬という名の給料はゼロ円に設定し受け取らず、法人の口座の中にお金をプールする形にしていました。
・法人から役員報酬を支払う
・法人で社会保険に加入する
・自分はその被保険者になる
・家族は扶養に入れる
調べた限り、このような形に変更すれば、役員報酬の額にもよりますが、すごく安い金額で健康保険(協会けんぽ)には加入できそうだということも分かってきました。
「これってホントにいけるのか?」
と思い、すぐに顧問税理士に相談しました。
私の顧問税理士はとても親切で、事前に相談したところ、
「役員報酬を設定して法人で健康保険(協会けんぽ)に加入すれば問題なく手続きできますよ」と教えてくれました。
さらに、本来は社労士の専門領域である手続きについても、
流れや書類の書き方まで時間を割いて丁寧に教えていただきました。
具体的な流れは以下の通りです。
・健康保険 厚生年金保険 新規適用届(法人加入)
・被保険者資格取得届(自分が加入)
・被扶養者(異動)届(家族を扶養に追加)
この3種類の書類を準備して、管轄の年金事務所に提出する必要があります。
また、法人の登記簿謄本も必要になるため、事前に法務局で取得する必要があります。
このあたり、日本年金機構のホームページは思っていたより分かりやすく、
行政サイトの中ではかなり親切に設計されている印象でした。
ただ、若干申請手続きに行くのが面倒でした。
私の自宅から、法務局と年金事務所の位置関係が絶妙に悪い。
どちらも歩いていける距離ではないので、当初、地下鉄で行くことを考えましたが、乗り換えが多くてかなり不便で、距離以上に時間がかかるルートでした。(ちなみに車は所有してません)
そのため私は、
「もうこれは自転車で行こう」
と決めました。
そして迎えた4月1日。
退職日の翌日です。
健康保険が使えない期間をできるだけ短くするため、朝一で手続きを終わらせる必要があります。
さらに調べると、「4月1日の年金事務所は激込み」という口コミもありました。
「これは負けられない」
そう思いながら、私は朝から全力で自転車を漕いでいました。
無職、全力で自転車を漕ぐ。
頭の中でそんな言葉が浮かびます。
「FIRE生活1日目に、なんでこんなに全力で自転車漕いでるんだろう」
「お金あるんだからタクシー使えばいいじゃん」
そう思ったのは、心の中にしまっておきました。。
そんなこんなで、法務局に寄って登記簿を光の速さで取得し、そのまま年金事務所へ。窓口はガラガラでした。。
年金事務所の窓口のかたはものすごく丁寧で、まるで私が世間の荒波に一切触れたことの無い人間かのような、小さな子供に話しかけているかのような、終始やさしい口調で、かつゆっくりと接してくれました。
年金制度の知識は、まあ世の中の人そんなに知らないでしょうし、そもそも知識無いと思っています。
普段から、その前提知識が無い人々と接しなければならない年金事務所の方々の仕事は、さぞ大変なのではと思ってしまいました。
窓口で待つこともなく、手続き自体はあっというまに終わり、おおよそ1時間弱で申請を終えることができました。
そして気になる保険料ですが、私の場合、役員報酬をできるだけ低く設定したので、
・協会けんぽ:約23,000円/月(約28万円/年)
(※本人負担分と事業主負担分を合計した総額)
となりました。
「ええええ、全然違うじゃん」
さっきまで13万円だったものが、2万円台。
月10万円以上、年間で100万円以上の差です。
ここはさすがに嬉しかったですね。
こうして振り返ると、
・失業保険はもらえると思ってた → もらえない
・国保でいいと思った → 高すぎる
・調べて動いた → 最適解にたどり着く
という流れでした。
FIRE生活は、自由から始まるわけではありません。
まず最初に来るのは、「選択」と「責任」です。
そして、その選択次第で、お金の流れは大きく変わる。
これが、最初に感じたリアルでした。
次回(第69話)は、会社員を辞めたあと、お金はどのように入ってくるのかについてお話しします。
※この連載は100話まで続く予定です。参考になったら「❤️スキ」や「👤フォロー」をして、続きを読んでいただけると励みになります。
📌今回の内容を踏まえて、皆さんはどちらの印象を持ちましたか?
A:会社を辞めたら自然にお金がもらえると思っていた
B:むしろ制度や手続きの方が大変そうだと感じた
どちらに近いか、理由もあればぜひコメントで教えてください。(コメントには必ずご返信させていただきます)
今後の発信や資産形成の参考にさせていただきます。