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なぜ私はドル建て債券を選んだのか|#56(第3章)

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    第55話で、債券は価格の変動を過度に気にする必要がない投資であり、「収入を見る投資」であるという整理ができました。

    ここまでで、債券投資そのものに対する理解はかなり進みましたが、もう一つ大きな判断が残っていました。

    それが、「どの通貨で投資するのか」という点です。

    つまり、円で持つのか、それともドルで持つのかという選択です。

    結論から言うと、私はドル建ての債券を選びました。

    その理由は、大きく分けて二つあります。

    一つ目は、利回りの違いです。

    2025年当時、アメリカはインフレ抑制のために政策金利を高い水準に維持していました。いわゆる高金利の状態が続いており、それに連動する形で債券の利回りも高くなっていました。

    一方で、日本は長らく低金利の環境が続いており、円建ての債券で同じような利回りを得ることは難しい状況でした。

    実際に比較してみると、円建てでは1〜2%程度の利回りが一般的であるのに対し、ドル建てでは5%前後の利回りを狙うことができました。

    この差は非常に大きいものです。

    今回のように「年間配当金1,000万円」という明確な目標を持っている場合、この利回りの違いはそのまま必要な投資額に直結します。

    仮に利回りが2%であれば、同じ1,000万円の配当を得るためには5億円規模の資産が必要になります。しかし、5%であれば約2億円で実現できる。

    この違いは、現実的に達成可能かどうかを左右するレベルでした。

    そして二つ目が、為替と金利の関係です。

    2025年当時、為替は円安の水準にあり、1ドル=150円前後で推移していました。

    一般的には「円安のときにドルを買うのは不利なのではないか」と考えられがちです。

    確かに、為替だけを見ればそういう見方もあります。

    ただ、今回の投資は短期的な為替差益を狙うものではありません。

    あくまで目的は、ドル建てで安定したインカム収入を得ることです。

    つまり、為替レートそのものよりも、「ドルでどれだけの利回りを確保できるか」が重要でした。

    さらに、このとき考えていたのは、もう一つのシナリオです。

    仮に今後、アメリカの金利が下がった場合、市場全体はどう動くのか。

    一般的には、金利が下がる局面では株式市場は下落しやすくなります。一方で、債券は金利と価格が逆に動くため、金利が下がると債券価格は上昇します。

    つまり、債券を保有している状態で金利が低下した場合、評価額が上がる可能性があるということです。

    今回の投資はキャピタルゲインを狙うものではありませんでしたが、この関係性を知っていたことで、選択肢が広がりました。

    例えば、債券価格が上昇したタイミングで一度売却し、その資金で割安になった株式を購入する、いわゆる「どてん買い」のような動きも考えられます。

    市場の動きとしては比較的分かりやすく、実際に富裕層向けの資産運用では、このような金利と資産価格の関係を踏まえた提案が行われることもあります。

    つまり、単に守りの投資として債券を持つだけではなく、状況に応じて次の投資につなげることもできる。

    この柔軟性も、ドル建て債券を選ぶうえでの一つの安心材料でした。

    また、日本円だけに資産を偏らせるのではなく、通貨を分散するという意味でも、ドル建て資産を持つことには一定の合理性があります。

    こうした観点から考えると、当時の環境はむしろ「ドル建て債券を購入するには適したタイミングだった」と判断しました。

    高い金利水準があり、利回りが確保できる。
    そのうえで、金利低下局面では別の選択肢も取れる。

    この二つが揃っていたことが、大きな理由です。

    もちろん、為替リスクがゼロになるわけではありませんし、今後の金利動向によって評価額が変動する可能性もあります。

    ただ、それらを踏まえたうえでも、「安定したインカム収入を得る」という目的に対しては、十分に合理的な選択だと感じました。

    ここまで整理したことで、ようやく自分の中で納得感が生まれました。

    なぜドルなのか。
    なぜこの利回りなのか。

    その前提を理解したうえで投資を行うことができる状態になったのです。

    そして、この理解があったからこそ、次のステップに進むことができました。

    実際に資金を投じるという決断です。

    頭では理解している。設計もできている。
    しかし、それでも実行の瞬間には、これまでとは違う緊張感がありました。

    それが、1億3,000万円という投資です。


    次回(第57話)は、初めて1.3億円を投資した日、何を考えていたのか。そのときのリアルな思考と感情について書いていきます。)

    この連載は80~100話まで続く予定です。参考になったら「❤️スキ」や「👤フォロー」をして、続きを読んでいただけると励みになります。


    📌今回の内容を踏まえて、皆さんはどちらの印象に近いですか?

    A:市場環境を踏まえると、このタイミングでの投資は納得できると感じた
    B:考え方は理解できるが、タイミングの判断はまだ難しいと感じる

    どちらに近いか、理由もあればぜひコメントで教えてください。(コメントには必ずご返信させていただきます)
    今後の発信や資産形成の参考にさせていただきます。


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