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東大脳のブラックジョーク――破滅を「深い洞察」に変換する男たち

    不二庵

    神楽坂の二度目の夜に、俺はいつも思う。

    表通りの提灯は綺麗だが、本当にこの街を支えているのは、路地の薄暗さと、誰にも名前を呼ばれない小さな玄関の灯りだ。

    世の中には、派手な提灯を掲げて歩く人間がいる。

    東大を出て、大きな会社で肩書きを手に入れ、派手に失敗してからも「俺の経験を学べ」と有料で講釈を垂れる男たちだ。

    106億をカジノで溶かした元会長が、オンラインサロンで「金銭感覚を教えてやる」と上から目線で語る。

    破滅した張本人が、自らの大失敗を「貴重な教訓」に塗り替えて商品化する。

    これが、今の「東大脳」の典型的な自己正当化だ。

    俺はそんな記号にログインしない。

    学歴も肩書きも、結局は石畳の上で足音を立てて歩くだけのものだ。

    夜の神楽坂で聞こえる靴音は、すべて同じ。

    酔っぱらい、迷子、帰りたくない家があるやつ。

    誰もが、どこかで「三時にサボって戻らなかった」経験を抱えている。

    本当の洞察とは、派手な提灯ではなく、路地の暗がりで自分の足音を冷静に聞くことだ。

    失敗を美談に変えるのではなく、ただ「失敗した」と認めて、静かに灯りを点け続けることだ。

    俺は今も、坂の上で灯りを点けている。

    遅すぎる張り紙として。

    三時に人生をサボった昔の俺が、夜になっても帰れる場所があるように。

    ―― 終わり

    著者:X虚孤  入稿応募:不二庵

    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
     
    「簡単に稼げる」をうたう情報商材を分解する世界入力者。不二庵グループ五位一体で、儲け話の裏側を暴き、ちゃんと生きる別ルートを組む。

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