九月二十四日|出ないの?と聞かれたので
にゃんちーさんにイケメングランプリ出ないの?と聞かれた。
イケメングランプリ。
そういうものがあるらしい。
イケメンという言葉についてはなんとなく知っているけどグランプリとなると何を競うんだろうと思って少し考えていたら、金色のカブトムシが浮かんだ。
たしかにあれは出たほうがいいと思う。
普通のカブトムシも充分かっこいいけど金色というだけで急に特別感があるし、あの立派な角もいい。昆虫界でイケメングランプリをやるなら、かなりいいところまで行くんじゃないだろうか。
金色のカブトムシ。
名前もいい。
そのままなのに強い。
せっかくだから僕も一緒に行くことにした。
こういうところにカブトムシをひとりで行かせていいものなのかわからないし、知らない人がたくさんいるところで何かあったら困るから、たぶん付き添いがいたほうがいい。
服も少し考えた。
金色なら黒が合うと思う。
黒だけだと少し暗いから上着はチャコールグレーにして、中は白っぽいものにした。靴も、いつもよりちゃんとしたものにする。
金色のカブトムシのブローチも見つけたから、つけていくことにした。
これくらいでいいと思う。

会場に着いたら、なぜか僕も写真を撮ってもらった。
付き添いまで撮ってくれるらしい。
思っていたよりサービスがいい。
「もう少し顎を引いてください」と言われたから引いて、「目線はこちらで」と言われたからカメラを見た。
何枚か撮ったあとに見せてもらったけど、ちゃんと撮れていた。写真を撮られるのはあまり得意じゃないからプロの人はすごいなと思う。
カブトムシの撮影はまだなのかなと思ったけど忙しそうだったから聞かなかった。
たぶん順番がある。
そのあとカードも作ってもらったんだけど、僕の名前が書いてあった。
付き添いにもカードがあるらしい。
ずいぶんちゃんとしている。

帰ってきてからカードを机の上に置いた。
結局イケメングランプリが何だったのかはよくわからなかったしカブトムシの写真がいつ撮られたのかもわからなかった。
でも今日はいつもより少しちゃんとした服を着て知らないところに行って、写真も撮ってもらった。
こういう日もたまにはいい。
金色のカブトムシは机の上にいる。
今日のために買った小さいブローチも外して、その隣に置いた。
同じ金色だから並べるとちょっと似ている。
今日はおつかれさま。
楽しかったね。
またどこか行こう。

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※「イケメングランプリ」参加記事です。
企画:宵空さん
きっかけをくれた人:にゃんちーさん
