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利上げしたのに、なぜ今日の日経平均は上がったのか(9/18)


本日、日銀は政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げました。

一般的には、金利上昇は株式市場にとって逆風です。企業の借入負担が増え、株式の割高感も強くなるからです。

それにもかかわらず、今日の日経平均は上昇しました。

なぜでしょうか。

結論からいえば、今回の株高は「利上げが好材料だった」からではありません。

市場が、

  • 今回の利上げは予想どおりだった

  • 今後の利上げはそれほど速くなさそうだ

  • 円安が進んだ

  • 米国のハイテク株が上昇した

と受け止めたためです。

1.今回の利上げは、すでに予想されていた

株価を動かすのは、出来事そのものよりも「事前予想との差」です。

今回の日銀による1.25%への利上げは、多くの市場参加者が事前に予想していました。そのため、発表されても大きな驚きはありませんでした。

むしろ発表後には、「大きな悪材料が出なかった」と受け止められ、買い戻しが入りました。

いわゆる「材料出尽くし」です。

2.日銀は、それほど強い姿勢を示さなかった

今回の利上げは、全員一致ではなく、7対2で決定されました。

2人の政策委員が利上げに反対したため、市場では、

「日銀内部にも慎重論がある」

「次の利上げまでには時間がかかるかもしれない」

という見方が広がりました。

つまり、金利は上がりましたが、市場が恐れていたほど積極的な利上げ姿勢ではなかったのです。

その結果、「今後も次々と利上げされる」という警戒がやや後退しました。

3.利上げしたのに円安が進んだ

通常、利上げは円高要因です。

ところが今回は、日銀の発表後に円が売られ、1ドル=156円台後半まで円安が進みました。

これは、市場が「日本の金利は上がったが、米国との金利差は依然として大きい」と判断したためです。

また、日銀が今後の急速な利上げに慎重だと受け止められたことも、円売りにつながりました。

円安は、自動車、機械、電機、商社など、海外で多くの利益を稼ぐ日本企業にとって追い風です。

海外で稼いだドルを円に換算したときの利益が増えるからです。

4.米国のハイテク株上昇も追い風になった

前日の米国市場では、ハイテク株を中心に株価が上昇しました。

この流れを受けて、日本市場でも半導体関連株や値がさ株が買われました。

日経平均は、東京エレクトロンやアドバンテスト、ソフトバンクグループなど、株価の高い銘柄の影響を受けやすい指数です。

そのため、半導体関連株が上昇すると、日経平均全体も大きく上がりやすくなります。

5.原油価格の下落も安心材料になった

原油価格が下落したことも、日本株にとってプラス材料でした。

日本は原油の多くを海外から輸入しています。

原油価格が上がると、企業の輸送費や電力料金、原材料費が増え、家計のガソリン代や光熱費も上昇します。

反対に原油価格が下がれば、企業と家計の負担が軽くなります。

インフレの再加速や、日銀の追加利上げに対する警戒が少し和らいだことも、今日の株高を支えました。

今日の株高をどう考えるべきか

今日の日経平均上昇は、日銀の利上げが日本経済にとって好材料だったという意味ではありません。

市場が安心したのは、今回の利上げが予想の範囲内であり、日銀が今後の急速な利上げを示唆しなかったからです。

短期的には、

「利上げは織り込み済み」

「今後の利上げは緩やか」

「円安が企業業績を支える」

という見方が株価を押し上げています。

しかし、中長期的には注意が必要です。

金利上昇が続けば、住宅ローン、不動産融資、企業の借入金、政府の国債利払い費に、少しずつ影響が広がります。

特に、借入金の多い不動産会社や中小企業、割高な成長株には逆風となります。

一方、銀行や保険会社には、貸出金利や運用利回りの上昇という追い風があります。

まとめ

本日の日経平均が上昇した主な理由は、次の5つです。

1.日銀の利上げが事前に織り込まれていた
2.今後の利上げが急速には進まないと見られた
3.円安が進んだ。
4.米国のハイテク株上昇を受け、半導体株が上がった
5.原油価格の下落が企業と家計の安心材料になった

今日の株高は、「金利上昇の悪影響がなくなった」ということではありません。

利上げという嵐が去ったのではなく、市場がひとまず「思っていたほど強い嵐ではなかった」と判断したにすぎません。

今後は日銀の政策金利だけでなく、日本の10年国債利回り、円相場、住宅ローン金利、不動産価格、企業の支払利息を確認する必要があります。

とりわけ重要なのは、日銀が次の1.5%への利上げをいつ行うのかです。今日一日の株価よりも、その後の金利上昇が実体経済にどの程度浸透していくのかを見ていくべきでしょう。