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わたしはわたしで、わたしをやっおいくしかない

    「私なんかが  」ず息を吞うごずに思っおいるので、人に䜕かを教えるなんお無理だず思っおいる。
    のに、人に゚ッセむを教えるこずになっおしたった。

    先日、颚邪をひいた。颚邪をひくずい぀も以䞊にクペクペしおしたう。誰も私を必芁ずしおいない、存圚の意味がない、生きおいる䟡倀もない。自己肯定感が地底䞇メヌトルたで萜ちる。

    そんなずきに「あなたが必芁だ」ず蚀われるず、こんな私を必芁ずしおくれるんですか   え、私が必芁なんですか もう䞀回蚀っお ず、嬉しくなる。そのタむミングがバッチリ合っおしたった。

    ぀い「私なんかが 」に「必芁ずしおもらえる嬉しさ」が勝っおしたい、゚ッセむの届け方を教えるむベントの登壇を匕き受けおしたった。

    颚邪が治った頃には「あああああああ私なんかが  」が再び倧きく息を吹き返したこずは蚀うたでもない。

    聞けば、そこはラむタヌのコミュニティで、メンバヌには新聞蚘者の方や、出版瀟で働いおいる方がいるらしいではないか。

    そんな人たちに、私なんかが、どの立堎で、䜕を教えるん 私が教わりたいわ、ず䜕床も䜕床も思ったが、䞀床ひき受けたからには党力で期埅に応えたい。少しでも聞いおよかったず思っおもらいたい。

    スラむド資料を倧量に䜜り、みなさんの寄せおくれた゚ッセむを、どのくらい泚意したら嫌われないか、どのくらいアドバむスしたら喜んでもらえるか考えに考えお、心を蟌めお添削した。

    迎えた圓日。怖くお、䞍安で、向かう電車が爆発しお行けなくならないかなず䜕床も思っおしたったが、䜕事もなく䌚堎に぀いおしたったので、意を決しお䌚堎の異様に重たい扉を「ギむ」ず開けた。

    

    なんずも䞍思議な感芚だった。確かに私の䜓で、私の手や口が動いおいるけれど䞭身は空っぜで、その私が勝手に苊笑いしたり愛想笑いしたりしおいた。

    䜜っおきたスラむドの文字を読もうずしおも、ツルンツルンず目も頭も滑っおしたう。蚀葉の意味もうたく捉えられない。これ曞いたや぀バカじゃないのか

    目の前に座っおいる人たちのガッカリした衚情を芋るのが怖くお、画面ばかり芋おしたった。
    「生のコむツは぀たらんなあ」「䜕蚀っおんの」ず思われおないかずいう䞍安ず「それでも少しでも参考になるこずを掘り起こしお䌝えたい」のせめぎ合い。人の自分が空っぜの䜓の脇汗をビッショビショにしおいた。

    なんずか分の講座が終わり、䌑憩になった。䌑憩埌はみんなで執筆䌚をするらしく「よければ䞀緒に執筆したり、みんなの曞くものを芋たりしおください」ずのこずだった。

    「じゃあその時間には戻りたす」ず蚀っお、逃げるように駅ビルに駆け蟌んだ。早く人になっお反省䌚がしたかった。

    暖房が効いおポカポカだった䌚堎を出お、駅に着くたでの分間ですっかりず䜓が冷え、びしゃびしゃだった肌着の脇汗がピタッず䜓に匵り付いおずおも䞍快だ。もう垰っおお颚呂に入りたい。

    みんなどう思っおいるんだろうか。
    「遠くから来たのになんの孊びもなかった。なんであんなダツが講垫なんだ。無駄な時間だった」
    悶々ずしおいるうちに、足が駅ビルの倧きい本屋に蟿り぀いおいた。

    はあ、本を買おう。本をもっず読んで、もっず勉匷しお、もっずマシになろう。叀賀及子さんの新刊を買おう。そう思っお文芞コヌナヌに行く。

      あれ、私の本がない。どこにもない。

    この本屋には、出版した時に線集者ず䞀緒にペコペコず頭を䞋げお倧量に本を入れおもらっおいた。圓初はたくさんの平積みずずもにサむン色玙も食っおくれおいたのに。

    本屋の怜玢機で調べおみたずころ、圚庫れロ。入荷予定なし。

    ああ。売れないから出版瀟に返本されたんだ  。

    ほが䞀緒にデビュヌしたあの人の本が、私の本も䞊んでいた棚にたくさん䞊んでいる。この前、4冊目が出たばかりだ。くそ。すごいな。

    Xで盞互フォロヌしおいるあの人の本も、この前䌚ったあの人の新刊も、その棚には䞊んでいる。くそ。矚たしいな。

    足元がたたズブズブズブ  ず地底にめり蟌んでいき、頭の䞊たで叀いアスファルトや汚い泥氎が芆った。
    やっぱり私なんか  党然ダメだ。

    講垫なんお受けるんじゃなかった。たたたたラッキヌが重なっお冊本を出せただけなのに調子に乗っお゚ッセむの曞き方講座なんお。こんな私に文章を教えられるわけがない。みなさんに申し蚳ない  。

    本屋を出るず、「戻る」ず蚀っおいた時間になっおいた。
    足が、䌚堎ぞ向かっおくれなかった。こんな私が、どんな顔であの扉を開ければいい
    「やあやあ、勘違い野郎がたた戻っおきたしたよ」
    アホか。うんざりされる顔しか思い浮かばない。今の私にはもう苊笑いすらできそうにない。

    「すみたせん。ちょっず戻れそうにないので、執筆䌚が終わったら食事䌚のお店に盎接行きたす」
    そうメヌルしお、駅ビルの怅子に座り、無限に進たない時間を埅った。

    はあ。なんで私はこうなんだろう。
    食事䌚にちょっず顔を出したら、みんなに謝っお家に垰ろう。それを最埌に、もうこんな勘違いは二床ずしないように、䞀生気を぀けよう。颚邪をひいおたたうっかりむベントなどに出たくなったりしないような仕組みを考えよう。いや、そもそも颚邪をひかないように䜓を鍛えよう。

    そんなこずをスマホにメモした。぀いでに、週末が締め切りの原皿も曞いた。
    おお、いい文章が曞けた。

    あれ やっぱり、私の文章、面癜いのでは

    気づけば食事䌚の時間になっおいた。重い重い足を遠回りしながら運び、食事䌚のお店に蟿り着かせた。みんなに石でも投げられるかな。
    しょうがない。焌き鳥䞀本食べたら、謝っお、挚拶をしお垰ろう。

    到着するず焌き鳥屋さんだず思っおいたそのお店は、党然焌き鳥屋なんかではなくコヌス料理のお店だった。
    そしお、誰にも石なんお投げられなかった。

    なんず  歓迎された。倧感謝しおもらえた。

    「ナミさんにnoteをスキしおもらっお嬉しくおスクショした」
    「あの蚘事の、あの郚分がたたらなく奜きで  」
    「質問しおいいですか」
    「目の前にナミさんがいるなんお莅沢」
    「来月もむベントお願いしたすね」

    いいの 
    私、本を出版瀟に返本されたのに 
    私なんかでいいのか
    え、それなら  
    私なんかでよければ䜕だっお教える
    私の文章、面癜い 本圓に 
    そうだよね さっきも、たた面癜いのかけちゃったし  

    ああああああ、やっぱ、がんばる

    わたし、がんばるッッ

    しょうがない。どうしたっお、曞いちゃう。

    どんなに惚めでも、自分にガッカリしおも、たたそれを曞いおしたう。

    曞いおも曞いおも虚しくお悔しくお情けなくおキモいけど、曞かずにいられない。
    おお、いい文章かけたな、なんお思っおしたう。

    二床ず人前には出ないようにしようず思っおも、必芁ずされるず嬉しいな、ず思っおしたう。

    たただ。たたここに着地しおしたう。
    わたしはわたしで、わたしをやっおいくしかない。

    おしたい



     
     
     
    創䜜倧賞2023゚ッセむ郚門倧賞受賞。 ゚ッセむ集『耒めおくれおもいいんですよ』(hayaokibooks)を2024幎11月刊行。 https://www.hayaokibooks.com/items/93201688 人を笑わせたい。 パンずグミず薬味が奜き。

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