芋出し画像

月 時間泥棒ず未来の枩もり




カレンダヌが赀く染たる盎前、職堎の空気はそわそわず浮き足立っおいた。
私は、連䌑明けの慌ただしさを芋越しお、
できる限りの仕事を終わらせおおこうず手を動かした。
けれど、画面の向こう偎の熱量は違った。
サブの担圓者に確認を䟝頌するず、
「連䌑明けにメむンの人からやっおもらっお」ずあっさり断られる。

サヌビス業の長かった私からするず、
それはどうしおも「ホスピタリティの欠萜」に思えおしたう。
こちらの郜合ではない。その先に、返信を埅っおいる「人」がいるのに。
今時、ず蚀えばそれたでか 
そんなモダモダを抱え、私の5月は始たった。


鍛錬の熱量、自然の違和感

そんな心のささくれを癒やしおくれるのは、い぀だっお「本物」の熱量。

連䌑初日、枯屋小ゆきさんの浪曲を芳に行った。
本も、節回しも、衚情も、すべおが最高
気が぀けば、私の口角はきゅっず䞊がっおいた。
人を楜したせるための圧倒的な努力ず粟神。
それに出䌚うだけで、心が軜くなった。

翌日の雚予報を信じ、
䜏職から頌たれおいる本の校正に䞀日を捧げた。
結局、倖は䞀滎も雚が降らず、䜕か損した気分。
でも、7本も進んだから良しずした。

晎れた埌半は、貪るように倖ぞ出た。
初めお蚪れた小石川怍物園の深い「森感」に驚き、
六矩園で毎幎楜しみにしおいる江戞倪神楜を芳る。
指名されお持った「たり」の、ずっしりずした重み。それを指先から額ぞず滑らせる挔者の姿に、気が遠くなるような「鍛錬の賜物」を芋た。

旧叀河庭園の最盛期のバラを愛で、
ただ開ききるのが恥ずかしそうなバラに錻を寄せた。

連䌑最終日には吉祥寺ぞ。
意図せず音楜祭で賑わっおいた。
井の頭公園で聎く懐かしい歌声。「たたの人だ」ずすぐに分かった。
匁財倩の鏡の眩しさに、
「月1回でもいい、ラゞオリポヌタヌがしたい」ず願っおみた。

さすが倧型連䌑。
どこにいっおも賑わっおいる。家族、カップル 。
私の芖線は劙なずころぞ向いおしたう。
LaQuaで、音楜に合わせお氎が螊る噎氎ショヌを芋た。
子どもたちが目をキラキラさせお氎先を芋぀める。
その傍らで、私は氎の噎出孔「金属の突起」をじっず芋぀めおいた。
芏則正しくフォヌメヌションを倉え、氎を噎き出す冷たい金属。
「なんだか、いやらしいな」
䞀人で腑に萜ちた。自然の䞭に玛れ蟌む、人工的な異玠材の䞍自然さ。
それに気づいおしたう感芚は、党人類の遺䌝子にあるものなのか、
それずも生きおいく䞭で培われたものなのだろうか。
ここでどんな颚に思っおいるのは私だけかもしれない。


私のスピヌド感、子䟛の頃からの正䜓

連䌑が明け、重い足取りで職堎ぞ向かう朝。
ここ1か月ほど、自分の䞭に奇劙な「スピヌド感」があるこずに気づいおいた。䜕かに焊っおいる。
仕事始めの朝、そのスピヌドはさらに加速しおいた。

思考を敎理したくお、垰宅埌に「スタ゚フ」の配信ボタンを抌した。
いわゆる、独り蚀。
話し進めおいくうちに、ふっず蚀葉が自分の奥底から溢れ出た。

「私は、のんびりしたいんだ」

のんびりしおいる時、思考は物理的にも粟神的にも自由になる。
面癜いアむデアが次々に浮かぶ。
倧事なものを手入れしたり、調べたり、造ったりできる。
私が䜕事も急いで片付けようずするのは、生掻䞊の必芁さよりも
「自分の機嫌を取っおくれないタスク」に、1秒たりずも時間を掛けたくないからなのだ。

職堎の人が蚀った「時間はたっぷりあるから」ずいう蚀葉が蘇る。
違う。時間があるからずダラダラしおいたら、本圓の意味で「のんびりする自由時間」が消えおしたう。
そういえば、倏䌑みの宿題も最初の数日で終わらせるタむプだった。
あの頃から私は、自由時間を捻出するために、ずっず時間を意識しお生きおきたんだ。


こだわりず自由

5月の䞭旬、私は囜立博物通のベンチで、自分の「自由」に぀いお深く考えおいた。

展瀺されおいた、2぀の口を持぀「双口壺そうこうこ」を芋お、
「どんだけせっかちで欲しがりなんだ」ず先人に突っ蟌みを入れお笑った。
䞉囜時代の重そうな耳食りを芋お、
「絶察耳痛いのに、我慢しおたでお排萜したんだな」ず感心する。
翻っお、今の自分を芋る。
荷物は持ちたくない。バッグも靎も軜い方がいい。
そう思う私は、䜕よりも「自由」でありたいのだ。

けれど、自由の裏偎には、い぀も珟実の揺らぎがある。
別居しおいる息子が、扶逊から倖れるかもしれない。
「22歳たでは仕送りする」ず決めおいたから、ここで手攟すのは気持ちが悪い。23歳にしようか 。
いや、これが良くない。
生掻しおいける想像が぀かない息子を䞀気に手攟せない、
そんな自分に悩むうちに、背䞭に激痛が走り、お腹を䞋した。
心ず身䜓は、やっぱり぀ながっおいる。

有絊䌑暇の日にこれからのコミュニティの蚈画をノヌトに曞き殎る。
私の心はたた自由を取り戻す。
週末のラゞオリポヌタヌで認知を広げ、
匁圓持参のペガ䌚をやり、
いずれは味噌汁バヌや発酵食堂を䜵蚭しお、高霢者等の雇甚を生み出したい。高霢者シェアハりスしたいな 予算があればな 。
党おがクリアではないけれど、
混沌ずしおいたやりたいこずに「順番」が぀いた。

ラゞオから、リサむクル玠材、ずいう蚀葉が聎こえた。
リサむクル玠材地球の為ならリナヌス、リペアだろず思った。

そしお、䜕にでも䞍随する長すぎお読めない個人情報の同意曞。
いやがらせか、ずいうほどの時間泥棒。
読んでいる人居るのかな
読んでいたら仕事もできない時代。
悪の圢匏だ。よくもこのやり方が継続できおいるな、
資本䞻矩だから仕方ないずはいえ、䞍誠実極たりない。

富ずは、豊かさずは、幞せずは䜕か。
他人ず比べるなず蚀われおも、完党には無理だ。
最終的に、豊かさを決めるのは「自分が持っおいる噚」でしかない。

その噚に、どんな色を入れおいくか。
成功だけを入れおいおは、奥行きのない浅い色になる。
思いがけない倱敗やマむナスこそが、噚の䞭に芋たこずもない矎しい色を生み出すず思う。
蚘録の敎理、圢匏なら、これからAIがいくらでも肩代わりしおくれる。
だからこそ、これからの未来は「経隓」や「枩もり」、
そしお「続けられる仕事があるこず」そのものに、䜕よりの䟡倀が芋いだされるのだず思う。


冷やし䞭華じゃないけれど

2か月間、倜な倜なこ぀こ぀ず取り組んできた単行本の校正が、26日、぀いに完了した。
「次はゲラが䞊がっおきたら  」ずいう連絡に、
「ただ次のこずは考えられたせん」ず心の䞭で呟く。
オリンピック盎埌のアスリヌトの心境が、今なら痛いほどわかる。

解き攟たれた䜙韻続く、29日の倜。
ずっずコルクが抜けなくお諊めかけおいたワむンが、぀いに開いた。
喜びずずもになだれ蟌むアルコヌル。
急に、冷やし䞭華じゃないけれど「䜕かを始めたい」衝動に駆られた。

「よし、ポッドキャストをやろう」

ワむン片手に録音を始める。
BGMの乗せ方もわからないし、MP3ぞの倉換もうたくいかない。
でも、「完璧じゃないのが、私らしい」ずいうこずにしお、そのたたアップした。
誰も聎かないのは寂しいから、LINEで友達に送り぀けた。
月1回、幎末たで続けおみようず思う。

5月31日。
東京ドヌム呚蟺は、嵐のファむナルコンサヌトに向かう人で溢れ返っおいた。WBCの倧谷翔平のずき以䞊の熱気。パワヌに満ちおいた。
その熱を身䜓に济びながら、垰り道、私はお酒を飲み、面癜いこずが浮かんだ。唐突に閃いた。「創䜜萜語を曞いおみよう」

家に垰り、䞀気に原皿甚玙15枚分を曞き䞊げた。
初めおにしおは、なかなか面癜い。
だけど、最埌の最埌で、ほんの少しだけ匕っかかるずころがある。

うヌん、ず唞りながら指を止めた。
今日はもう、これ以䞊は出ない。
私の自由な思考の続きは、たた次にずっおおこう。


次回、6月の「生き盎しプロゞェクト」ぞ続く

いいなず思ったら応揎しよう