
親の携帯に残っていた未送信の言葉/30秒間の言霊/20260616
親の携帯に残っていた未送信の言葉
親の携帯が机上に置かれ
画面へ言葉が淡く滲む。
木目へ落ちた光が
指の痕跡となり細く伸びる。
言葉が画面に並び
形にならない気配を保つ。
机上の空気がかすかに揺れ
声にならない響きが残る。
曇った窓へ外光が重なり
届かない言葉の層をつくる。
湯気を含む湯呑の輪郭がぼやけ
言葉の余白だけが浮く。
文字の揺れが机上へ影を落とし
沈黙のまま沈む。
画面の奥へ残された言葉が
静かな重みとして留まる。
ー あなたの一日に、 小さな灯りがともりますように。 ー