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埃まみれの私に「かわいそう」と言った人へ

    HONJO11

    あれは冬の現場だった。

    都内のマンション、スケルトン解体。
    解体屋さんたちと一緒に、上の階からひたすらゴミを下ろしてた。

    量がとにかく多くて。
    埃もすごいし、朝に束ねた髪はボロボロ。
    でも気にしてる場合じゃないから、もうひたすら動いてた。

    廃棄のトラックが来たら積み込みも手伝う。
    それが私の仕事だから。

    作業が落ち着いたとき、ふとスケルトンになった室内を見た。

    ここに、いいお家ができるんだなあ。

    そう思ったら、なんかちょっと嬉しくなってた。

    掃き掃除してトラックに戻った
    そのとき聞こえたんだよね。

    トラックのそばに、私と同い年くらいのキラキラした女性が2人。
    私を見て、くすくす笑いながら。

    「かわいそう」

    え、今なんて言った?

    聞き間違いかなって思ったけど、違った。

    私、その頃35歳
    仕事は好きだったし、誇りも持ってた。
    職人さんたちと一緒に汗かくのも、全然苦じゃなかった。

    その日の終わりに、みんなで自販機のところに集まって。
    冬の現場終わりの肉まんと、おしるこのあったかさ。

    あれ、本当に美味しかった。
    かわいそうなんて、全然思ってなかった。

    なのに夜、ひとりになったとき。

    私、かわいそうなの?

    って、ちょっと落ち込んだ。
    女子心がまだ残ってた年齢だったから、正直刺さった。

    でもね、帰り際に解体屋さんと電気屋さんが言ってくれたんだよ。

    「姉さんはかっこいいよ」って。

    そう、現場での私のあだ名は「姉さん」だった。

    その一言で、全部吹っ飛んだ。

    かわいそうって笑った人より、
    一緒に埃まみれで働いた人たちの言葉の方が、
    何倍も温かくて、何倍も嬉しかった。

    今はもう気にしない。

    でも、あのとき傷ついた自分も、嘘じゃなかった。

    誰かの何気ない一言って、
    一生懸命やってる人の心をぽきっと折ることがある。

    あなたが誇りを持ってやってることを、
    笑う人は必ずいる。

    でも必ず、わかってくれる人もいる。

    「姉さんはかっこいいよ」

    あの言葉、18年たった今でも覚えてる・・・


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    離婚・借金・倒産・父の逮捕。それでも今日も生きています。51歳、元シングルマザー。不幸話では終わらせない、と決めた私が、ひとりで頑張るあなたに書いています。 生きることは呼吸することぐらいで生きてる人

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