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図書館で出会った女性

今日、近所の図書館に行った。
探していた本があったので、あらかじめ図書館のホームページの資料検索から場所まで特定していた。
外がさらに暑くなる前にそそくさと借りて帰ろう。
早足で図書館に入り、特定場所についた。
が、探せど探せど見つからず借りられてしまったのか?と改めて図書館ホームページを確認したところ『在庫あり』の文字。
これは図書館のスタッフの方に聞くしかない。
あまり人と喋りたくない気分ではあったが、降参して受付に向かった。

おどおどとしている私を見つけ、受付付近でスタッフの方から「何かお探しですか?」と声をかけてくださった。
私よりずっと先輩の女性。
滲み出る品を感じて久しぶりに一瞬ドキッとした。
須賀敦子の「小さな徳」という本を探していたのを思い出して伝えると、「この図書館には在庫がなく、近くの図書館にしかないので取り寄せになります。」
と丁寧な対応を受け、取り寄せていただきたいと言いかけるまえに続けて女性は
「須賀敦子の本でここに在庫がある本を探してみましょう」と提案までしてくださった。
なんて親切なんだ、ともうすでにその方を信頼し切ってしまった私は「お願いします」とボソボソ答えた。

次々と本の情報を印刷しては、
「これは須賀敦子のこれまでを書いていたりするのでこの方を知るにはとても適していると思います。」
とか
「こちらは代表的なエッセイで…」
とか
とにかく沢山の情報を、でも私が混乱しないように丁寧に説明をしては
「気になるものがありましたらお持ちしますよ」と言ってくださった。
説明を聞いているうちに私もなんだか楽しくなってきて、頷きながら精一杯の相槌をうった。
そして、提案していただいた本を2冊借りた。
外は暑くなっていた。

ふと私は
『あの女性のおすすめの本を読みたい。』
と思った。
気持ち悪いよなあと思いながらも借りた本を握りしめながら気づいたら受付に戻ってきていた。
だが、その方は見当たらず呼び出してもらうのは流石に気持ち悪いと思い背中を丸めながら帰ってきた。

汗だくで帰ってきた私の顔は、テカリながらもルンルンとしていた。

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