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また見つけてね

わたしは大富豪でも、王国のプリンセスでもない。
しかし最近、生まれ変わってもまた、わたしとして生きたいと思うようになった。

2025年8月の下旬
足元に気を遣いながらほんの少し歩くだけで、全身の毛穴から汗をにじませる。夏はあまり得意ではない。
そんなわたしを見計らってなのか、日が沈み、土と緑の香りが深くなったころに、我が子を産んだ。
産まれてすぐ、我が子を抱いたとき、泣かない自分に驚いた。わたしはすぐに泣く。ドラマ等で出産シーンを観ると必ず泣いてしまう。

『う、うまれた……つ、つかれた……』

こんなことを何度か呟いたと思う。
自分のことで精一杯だった。それでも、ほっとした。
これからのわたしの人生は、我が子のおかけで、今までとは違う夏を過ごすことができそうで、期待が胸の内でまあるく膨らむ。


輪廻転生の話をよくする。
こういう話は人の思想を知ることができておもしろい。
前世はなんだったと思う?来世は何になりたい?前世も自分だったのかな?
とりとめもなく空想を遊ばせ、答えのない概念を照らし合わせる時間は、意味なんてないのに、このテーマは人をわくわくさせる。
例えば、今世わたしが来世わたし①として生まれ、来世わたし②、来世わたし③と同じ人生を送っていくとして、それを証明するもの(記憶や写真)がないことが、わたしにとっては無念でならない。
まるで映画のように、巻き戻し機能を使用してわたし①がまたわたし①に戻って同じ人生を繰り返していてもいいし、わたし②がわたし①より少し上手に生きられる人になってもいい。
都合の良いことをいうと、人それぞれ選べる仕組みだったら、悲しむ人や辛い思いした人が報われるのだと思う。

ただ、この世界で生きているわたしが出会った大切な人は、また大切にしたいから、縁をほどかないでね、と思う。
また心配性な母の元に生まれ、惜しみなく愛され、愛情たっぷりお弁当の写真を毎日撮り、実家を出ても毎日夕飯の写真を送り合う。
しっかりした強い姉の妹になり、たくさん泣かされ、たくさん支えられ、どちらが可愛いかと張り合う。祖父と手を繋ぎ散歩をし、肩をたたき、祖母の手羽先の唐揚げを食べ、髪を切ってもらう。
同じ町に住み、友達と成人式に出席し、同じ高校へ通い、友達とスカートの長さを注意され、放課後プリクラを撮る。
夫とまた出会い、恋に落ち、結婚し、わたしに手料理を振る舞い、すきな芸人の舞台を観る。
そしてまた会いたい、鼻の上にしわを寄せて笑う甘えっ子の、わたしの遺伝子を継いだくせ毛で、夏生まれで、コウノドリの嘴をつけたマイペースな我が子に。

もしこの記録が来世のわたし、もしくはわたしの魂を持った別の人物に届いたら、わたしはきっと、わたしが書いたものだと気づくことができるような気がする。
いや、気づくために、記しているのかもしれない。
note運営の皆様にかかっています。
どうか、このアプリを何百年先まで残していただけたら幸いです。

わたしの世界で一番愛する我が子へ

あなたは小さな手でわたしの顔をたくさん触り、引っ掻き、髪を引っ張る。
成長して、この痛みを感じられなくなったときに、わたしは寂しくなるんだろうなと思う。

なんで泣いているのかわからなくて、何をしても泣き止まなくて、一緒に泣いたこともあるよ。
わたしが泣くと、あなたはなぜか泣き止み、わたしをじっと見つめる。驚いたよね、わたしが泣くと泣けないよね。
一緒に成長して、わたしとパパで、あなたを守るからね。

乾燥しないように、まいにち、あなたの身体をたっぷりと保湿する。
生まれたての頃のあなたは身体のどこに塗っても嫌がらず、気持ちよさそうな顔をする。
九ヶ月になったあなたは、ハイハイしながらわんぱくに動き回り、顔に塗ろうとするとむずがるようになった。
大切な人の身体が乾燥しているのは落ち着かないから、保湿だけは、根気強く付き合ってね。
その度に、大きくなったなあと嬉しくなり、同じだけ寂しくもなる。

オムツを前後間違えて履かせてしまったとき、まあいいかとそのままにしていたこともある。
もしもあなたが将来、悩んで手一杯になったときは、まあいいかと思っていいんだよ。それはあなたを少し楽にするからね、大丈夫。

わたしの姿が見えなくなると、ママママ、とわたしを呼び探す。わたしのお腹によじ登ったり、たくさんあるおもちゃをかき分けて、わたしの眼鏡やネックレスを触ったりする。
あなたが一人で歩いていけるようになったら、今度はわたしが、あなたが安心できる居場所になるよ。
やりたいことをなんでもやらせてあげられる環境は整えておくから、困ったときはいつでも振り向いてね。
わたしのほうが寂しくて追いかけてしまいそうではあるね。

これから先、たくさんの嬉しいことや踏ん張らないといけないこと、おもしろい出来事があると思うけど、あなたの一番の味方で、笑っていても泣いていても怒っていても、世界で一番愛しているよ。

小さな寝息を立てて、大きくばんざいをしているあなたの隣で、来世のわたしへ大切な人との縁がはぐれないように、小さな目印を綴ったところで、わたしも眠りにつこうと思う。

おやすみなさい。




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