製造業のお局未満|7月1日、求人担当のカーチェイスが始まる
求人担当による
年に一度のカーチェイスが始まります。
スタートはハローワーク。
途中でコンビニにピットイン。
求人票を助手席いっぱいに積み込んで、
高校というチェックポイントを次々と巡る。
気分はマリオカートですが、
残念ながらキノコもスターもありません。
あるのは求人票と名刺、
そして時間との勝負です。
今年も指定校20校。
ようやく終わりました。
今はもう、開放感しかありません。
・・・
でも毎年思うんです。
この制度、そろそろ何とかならないでしょうか。
高校への求人公開は7月1日解禁。
そして、ハローワークで求人票が発行されるのも7月1日。
なんで同じ日なんですか?
できれば数日前に求人票だけ発行してくれたら、どれだけ助かることか。
7月1日の朝。
ハローワークへ行き、求人票を受け取る。
会社へ戻るか、近くのコンビニで必要部数をコピー。
そのまま車へ積み込んで、高校巡りへ出発。
私は工場があるエリアを担当しているので
20校。
東へ。
西へ。
北へ。
南へ。
この日は車に乗っている時間の方が長い気がします。
「別に初日に行かなくてもいいんじゃない?」
そう思う方もいるかもしれません。
でも、多くの高校では求人票を一次受付、二次受付という形で区切って学生さんへ配布しています。
企業としては、
やはり一次受付に間に合わせたい。
少しでも早く学生さんに会社を知ってもらいたい。
だから7月1日は、どこの会社も一斉に動き出します。
そして高校へ着くと…
受付には採用担当者がずらり。
人気校だと1時間待ちなんてこともあります。
ようやく順番が来たと思ったら、
対応してくださるのは進路指導の先生ではなく、受付担当の先生。
もちろん、それが悪いわけではありません。
先生方も、この時期は企業対応で本当に大忙しです。毎年頭が下がります。
聞かれる内容も、ほとんど同じです。
「科の指定はありますか?」
「男女の希望はありますか?」
「必要な資格はありますか?」
「色覚などで配慮が必要な生徒さんは応募できますか?」
「工場見学は随時受け付けていますか?」
高校側も企業側も、同じようなやり取りを何十社、何百社と繰り返しています。
だから思うんです。
これ、システム化できませんか?
HandyのようなWeb登録や、大学生の就職サイトのような仕組みで、必要な情報を登録して共有する。
その方が高校側も企業側も、お互いの負担はかなり減るはずです。
「やっぱり直接持って行った方が印象がいい。」
そんな話も聞きます。
それも分かります。
でも実際には、進路指導の先生にお会いできる学校ばかりではありません。
郵送でも受け付けてくれる高校もあります。
それでも、
「うちだけ郵送って、手を抜いていると思われないかな。」
そんな空気もあって、結局みんな車を走らせます。
もちろん、直接お会いできるからこその良さもあります。
たまに進路指導の先生とお話しできると、本当にうれしいんです。
会社のことを知ってくださっていたり、
「今年もありがとうございます。」
なんて声を掛けていただけたり。
そんな時は、「来てよかったな」と素直に思います。
ただ…
高校巡りには、もう一つのイベントがあります。
それは、他社との遭遇です。
ライバル達です。
だいたい毎年、同じようなルートで高校を回る企業があります。
しかも工場の制服を着ているので、
「あ、この会社の人だ。」
と、お互い何となく分かるんです。
「あ、さっき○○高校にいましたよね。」
「お疲れさまです。」
そんな平和な会話をすることもあります。
でも中には、
「えっ、ここにも来るの?」
と、心の中でライバル認定してしまう会社もあります。
さらに、うちより少し規模の大きな会社の担当者さんが、
「最近どうです?求人。」
と、気さくに話しかけてくれます。
そして続けて、
「うちは今年、結構入社してくれまして。」
と、さらっと置いていくんです。
あれはもう、
笑顔で投げられる赤こうら。
やめてください。
私は笑顔で、
「そうなんですね。」と返します。
大人ですから。
でも心の中では、
バナナぐらい置いて帰りたい。
そんな気持ちになります。
そして私はピーチ姫。
いえ、ピーチ姫です。
周りを見渡すと、
全員クッパ。
本当はドリフトを決めながら赤こうらを3つ抱えて走りたいところですが、
現実は安全運転。
今日も笑顔で名刺交換をして帰ってきました。
もちろん、先生方が悪いわけでもありません。
企業が悪いわけでもありません。
ハローワークが悪いわけでもありません。
みんな、それぞれの立場で一生懸命やっています。
だからこそ思うんです。
変えるべきは制度です。
企業も。
高校も。
ハローワークも。
みんな頑張っているのに、
制度だけが昔のまま。
令和になっても、7月1日は全国の求人担当が求人票を積んで走り回っています。
来年もきっと、
助手席いっぱいの求人票を見ながら、
「あぁ、今年もカーチェイスの季節が来たな。」
と思うのでしょう。
でも、できれば来年こそは。
マリオカートじゃなく、
令和らしい採用活動になっていてほしい。
助手席いっぱいの求人票ではなく、
パソコン一台で終わる時代になっていてほしい。
そんなことを思いながら、
今年も無事にゴールしました。
それでは皆さん、来年の7月1日。
またスタートラインでお会いしましょう。
未満。
