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焼きすぎた米粉おからクッキーと、3万円の話

    オーブンを覗く時間が、わりと好きです。

    どんどん色がついていくのを、ただ見ている。

    それだけでいい時間が、今の私にはなかなかありません。


    今日は米粉とおからで作ったボックスクッキーを焼きました。


    白と黒の生地を2本ずつ、互い違いに密着させて整形して、冷凍しておいたもの。今日は切って焼くだけ。

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    7ミリ幅に切って、170度のオーブンに入れました。


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    クッキーを焼いている間の25分。旦那が息子を抱っこして一緒に居てくれていたので、私は豆を挽いて、コーヒーを入れました。今日は、蜂蜜をお湯で溶かして、牛乳を足して甘め気分。



    入れた珈琲をコーヒーサーバーに半分取っておきました。全部飲んでしまってもいいのに、残してしまう。後で旦那にも飲んでほしいと思っちゃう。「全部飲んでもいいのにな」と思いながら残しちゃうのが、やっぱり自分だなと思いました。



    コーヒーを待つ間、岸田奈美さんのエッセイを読んでいました。今日は行政との、じわっとくるやり取りの話でした。


    読みながら、自分にも似たような記憶があることを思い出しました。


    息子が生まれる2ヶ月ほど前のことです。

    宮崎で妊娠がわかったとき、住民票はまだ岐阜にありました。入籍のタイミングで住所を移すつもりだったので、それまでの約4ヶ月、妊婦健診は宮崎で自費で受けていました。その分を岐阜の保健センターに請求するために、問い合わせをしました。



    行政への連絡、正直、怖かったです。
    母が以前、こう言っていたからです。

    「入籍もしていない娘の母子手帳を私(母)が取りに行ったら、あそこの娘は、ひとりで産むんだと思われるかもしれない。田舎はすぐに話が回るから」と。

    ひとりで産む人もいる。それでも母が言いたいことはなんとなくわかりました。母は何か他人から何か言われることを恐れているように見えました。


    実際にそう言われたわけではありません。でも母がそう感じるような場所なら、自分が連絡したらどんな対応をされるだろう、と当時の私は怖く思っていました。



    しかし、電話をかけると、担当の保健師さんはとても穏やかでした。

    事情が複雑でした。病院も途中で変わっていました。

    「手続きにあたりできれば、この地域に住まわれているお母さんに来ていただくのがいいかと思います」と最初は言われました。

    「妊婦で、そちらには行くのはむずかしいが、自分で対応したいんです」


    母にはお願いしたくなかった私。自分が対応を進めたいことを伝えると、「わかりました、じゃあできる方法を一緒に考えましょう」とすぐに切り替えてくれました。


    電話をかけるたびに「あっ、宮崎の!この前お電話いただきましたよね」と言ってもらえるのが、とても嬉しかったです。

    自分で確認もしてない、そして母の思い込みもある。そんな中、行政に対してあまりいいイメージを持つことをやめていた自分が恥ずかしく思いました。


    書類のやり取りは何度もしました。
    そしてその書類にはいつも手紙が添えられており、いつも妊婦の私の身体を気遣う言葉が添えてありました。


    手続きが無事終了し、戻ってきたのは手続きの多さの割には多いとは言えない金額でした。でも私はあのやり取りで、お金以上の何かをもらった気がしています。



    オーブンから取り出したら、クッキーは少し焼きすぎていました。

    ただ旦那がが美味しそうにパクパク食べて、「米粉なのに美味しい」と言いながら、食べ続け昼ごはん前にお腹いっぱいになっていました。

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    形は不揃いで、焼き色もまだら。それでもちゃんとクッキーでした。

    【レシピ】おからで!白黒市松模様のボックスクッキー(約20枚分)


    ◇材料
    ベースの生地(ここから2色に分けます)
    ・生おから:60g
    ・米粉(製菓用):80g
    ・植物油:大さじ2
    ・砂糖:30g(ラカント等でも可)
    ・豆乳(または牛乳):小さじ1〜(生地がまとまらない時だけ調整用)

    色付け用
    白生地用:バニラオイル(数滴)
    黒生地用:ココアパウダー(無糖):大さじ1/2

    【作り方】
    ❶ボウルに生おから、植物油、砂糖を入れて、ヘラでなめらかになるまでよく混ぜ合わせる
    ❷米粉を加え、手でギュッと押し付けるようにしてひとまとめにしていく
    ❸まとまった生地を均等に2等分にする。
    白生地:片方にバニラオイル(数滴)を混ぜてよく練る
    黒生地:もう片方にココアパウダー(大さじ1/2)を混ぜ、色むらがなくなるまでしっかり練り込む
    ❹それぞれの生地をさらに2等分し、白2本、黒2本の細長い棒状(四角柱)を作り、ラップの上に、【白・黒】となるように2本並べ、その上に互い違いになるように【黒・白】と2本重ねて、合計4本を密着させる。ラップできっちり包み、四角い形を整えたら、冷凍庫で30分〜1時間ガッツリ冷やし固める
    ❺オーブンを 170°C に予熱。冷凍庫から生地を取り出し、包丁で 5mm〜7mmの厚さ にサクッと切る。クッキングシートを敷いた天板に並べ、オーブンで20分〜25分 焼く

    ◇ポイント
    断面を綺麗な「田の字(市松模様)」に仕上げるためには、冷凍庫での冷却時間をしっかり確保して、生地を硬くしてから切るのが一番のコツです!

    焼きすぎたって、食べたらちゃんとクッキーでした。
    行政の窓口も、連絡してみたらとても親切な方でした。

    怖いと思っていたものが、案外そうじゃなかった。

    ・・・というか自分の目で見て確認するのが確か!


    その小さな更新が、じわじわと自分の中に積み重なっていく気がしています。

    写真:みっちゃん


    他のおからdeお菓子レシピはこちらから。


     
     
     
    編集者・ライター|ツムギビト代表(https://tsumugi-bito.com/)|宮崎在住。食べること、本、宮崎の小さな店。 暮らしの中で気になった「なんで?」を、調べて、作って、食べてみています|麹・米粉・お菓子・育児・読書など。

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