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子宮頚がんは、ほぼコントでした(笑)

    命の危機って、もっとドラマチックだと思ってた。
    涙が止まらなくて、人生を振り返って、
    大切な人に想いを伝えて…そんなものだと。

    でも実際は違った。

    短パンでターンして、
    冬ソナが流れて、
    トイレで「シャー」って言ってる間に、
    全部通り過ぎていった。

    怖くなかったわけじゃない。
    不安がなかったわけでもない。

    ただ私は、
    その瞬間その瞬間を、
    ちょっと笑いながら通過した。

    これは“闘病記”じゃない。
    笑って通過した、生存報告です。

    第1章:異変

    45歳、このお年頃の女子にはありがちな更年期。

    「なんか生理が終わらんなー」
    「チョロチョロ出てるなー」

    私もそんなお年頃か。
    と思い3ヶ月ほど放置してました。

    ……が、3か月すぎたあたりでついにイライラ爆発。

    「今日、白のスカート履きたかったのに!」
    「また下着汚れたし!」

    もう我慢の限界。

    産婦人科なんて今まで人生で2回あるか?
    レベルの未知の領域。でも思った。

    「誰か私の血を止めてくれーーーーーーーー!」

    産婦人科に行けば、生理を止める薬?
    なんなら生理を終わらせる薬があるんじゃないか??
    そんな思いで受診する事にしました。

    まずは先生と話をして、

    「じゃー内診しますね〜。」

    女子なら分かるあの診察台。

    「しまった!!」

    今日はワンピースじゃなきゃ、いかん日だった。
    ハイネックの黒トップスに下はスッポンポン…

    なんという屈辱ーーーーー!(笑)

    自分の姿に笑いをこらえながら診察台へ。

    そんな私の気分とは裏腹に、内診をしながら先生の様子が段々と深刻に…

    「…これは、ちょっと大きい病院に行って下さい。」

    詳しく話を聞くと、腫瘍のような物があると。

    はっ?

    えっ?
    私、そんなつもりで来てないよ?

    「あ…?はい。」と返事をした。

    そこからノンストップで毎週のように病院へ。
    「子宮頸がん」という診断を受けて、あっと言う間に手術日が決まりました。

    第2章:診断

    まずは、診断された時のお話。

    私は、志村けんの大丈夫だぁ〜世代で、
    あれで人生のほとんどを学んだ(笑)

    牛乳を飲んでぐるぐる回される、
    「バリウム検査」のコント。

    ご飯を食べた事を忘れる「認知症」のコント。

    その中でも、"がん"と診断されて、
    「ガーン」と言うコント。

    もしこれから先、自分ががんと診断される事があったら絶対に言う!
    と、子供ながらに心に決めていたんです。

    実際はどうだったか?

    「…子宮頸がんです。」と先生。

    もうある程度予想はできてたので、間髪入れず
    「「ガーン!」」もちろん言いましたよ私!(笑)

    でも、あたりは静まり返り、え?何この人?
    どよめきな雰囲気にのまれ無理やり真剣な顔を作る。

    そんな私の心は置いてけぼりで、さらに深い話になっていきます。

    手術をするにあたって先生が、

    「卵巣は1つ残して、子宮、がんがある膣壁、リンパ節は全て取りましょう。」

    ???

    卵巣は2つあるよね?
    「何で卵巣を1つ残すんですか?」

    こうゆうの気になるんですよ私。

    ホルモンの関係で、急に女性ホルモンが0になると、更年期症状がすぐにでたり、体に負担が大きくなる場合があると、説明されました。

    でも、私45だよ?20代ならまだしも…

    「これからのリスク残すぐらいなら、卵巣も全部とってください。」

    言い放つと、先生驚いてます。

    理由を聞くと、みなさん残せるものは残したい方が多いと……えぇーそうなの?

    残したいところでリスクになるだけだし、ホルモン0になっても、ホルモンの治療薬もあるし、またがんになるリスクのが怖いよね?
    それで、また手術の方が絶対にやだ。

    なので今回の手術は私の希望通り、「取れるものは全部取る」婦人科の手術の中でも最大級の手術だと言われました。

    私は基本的に餅は餅屋でプロに全任せのライフスタイルなので、前日までお腹を縦に切るのか、横に切るのか、何センチ切るのか、もしくは穴をあけるのか、それすら知りませんでした。
    興味すらありませんでした(笑)

    私は楽天的で、物事を深く考えないタイプで、「この場をどう楽しむか?」が、最優先。

    でも「がん」だよ?
    と言われそうだけど、この世の中にはそんな人はいっぱいいて、手術して放射線治療をするって、先人の人たちのお陰で道筋がもう立ってる。

    心配いる?
    不治の病で治療法がない訳でもない。

    「今日、死にます!」
    と言われたわけでもない。

    …いゃー今日死にます!って言われても、今日をどう楽しむか?と精一杯楽しんで生きるな私は。
    そんな考えです。

    第3章:検査RPG

    短パンおばさんパリコレを歩く!?

    そんな私の初めての「MRI」事件です!

    手術するにあたって本当に初めての体験盛りだくさんで、好奇心旺盛な私は目をキラキラ。
    こんな人、病院にいないよね(笑)

    ここの病院は診察券を入れるとA4ぐらいの紙が1枚出てきて、そこには「今日やる事」が箇条書きのように書いてあって、裏には病院内の地図がプリントされてます。

    RPGのゲーム?ミッションはじまるよ?
    ドラクエ世代、妙にテンションが上がります!(笑)

    まずは「MRI」

    MRIの受付に行くと、さらに詳しい地図と「やることリスト」が書かれた紙をもらい、地図に赤いペンで道順を書きながら説明してくれます。

    なんて親切なんだ!
    方向音痴の私としては、とてもありがたい心遣い。

    道順通りに進んでいくと…ありました。
    壁一面が大きな自動ドアになってる入り口が!

    「ここ入っていいの?」

    恐る恐る近づくと映画さながらの音とともに
    "ウィーン"と突然開きました。

    もらった紙には、入ってすぐの右側の棚から検査着を取り、①の更衣室で着替えて、②の場所で待っていて下さいと。

    まぁーそこそこ簡単なミッション。
    でも、私やらかします(笑)

    中に入ってすぐ右側の棚を見ると、
    男S.M.L、女S.M.Lが並んでます。
    悩みます、私、153㎝53kgそこそこ腰回りあります…。

    Sサイズの横には身長145㎝〜155㎝。身長はいいんだけどなーと悩んでいると、すぐに次の人が入ってきて、ヤバい!早くしなきゃ!

    何を思ったか、いま見ていたSサイズを取り更衣室へ。

    でも、特に問題もなく着替え終わり②の待合に行くともうすでに4人ほど長椅子に座って待ってます。

    ここか?と思って座って待っていると気づきます。

    あれ?

    私だけ、半ズボンみたいにパンツの丈が短い!!

    他の人はくるぶしがしっかり隠れるほど長い。
    どう見ても私だけ「短パンおばさん!」

    ヤバい!!サイズ間違えたーーー(笑)
    いまさら着替えに戻る勇気なし!
    どうしよう?とパニック!!!
    1人笑いをこらえ、あたふたしていると。

    看護師さん登場、
    「金属がないかチェックします」と。

    こちらまで歩いて来て、その場でグルッと1回転して下さいと。

    はぁ?なんですと?

    こんな「短パンおばさん」にランウェイのように、
    ここを歩けと…???(笑)

    みんなが座ってるこの通路を?

    しかもターンまでしろと???

    嘘でしょ!(笑)

    脳みその中でパリコレ再生中(笑)
    ヤバいってーーーーーーー!!!

    でも、やるしかありません。
    私、覚悟を決めます!

    スッと立ち上がり、看護師さんに向かって歩きだしました。まさしく私スーパーモデル!

    昔、見聞きした一本の線の上を歩くイメージでサッサと、ターンの後は決めポーズで腰に手を当てた方がいいのか??(笑)

    そんな事考えながら、無表情で言われた通りに歩き、
    1回転しました。

    …私、やり遂げました!!

    まさか、こんなミッションがあったとは。
    まだMRI始まってもないのに、、
    体力の8割を使った気分で、RPGで言うなれば、
    HPの数字が赤くなり、すでに瀕死です(笑)

    体力回復する間もなく私の番がきました。
    部屋へ入ると全体的に白い壁に、上を見上げれば青い空に白い雲。
    とても開放感のある「可愛い壁紙」が貼ってあって緊張感ゼロです。

    看護師さんに言われた通りに"大きい筒の前"に寝転び、説明を受けます。

    「音が大きい為にヘッドフォンします。」
    「動いてはダメ。」
    「何かあったらこのボタンを押してね。」

    と、丸いボタンを渡された。

    いざ、大きい筒の中へ………

    おぉー。
    思いの外、中はとても広い。
    想像してたよりも圧迫感もなく、これなら大丈夫そうだなーと思っていると。

    ヘッドフォンから聴いた事のある音楽が…。

    ん?オルゴール調の音楽。
    これ聴いたことある!

    なんだっけ?
    なんだっけ?数秒考えると…

    あーーーーーーー!これは!
    私声に出して叫びます。

    「冬ソナかよ!!!!!!」

    40代には"冬ソナ"とかマニュアルがあるんだろうか?
    30代は何の曲か流れるんだろう?嵐?EXILE?
    そんな事を考えてニヤニヤしてると…

    即座に「クラシック」に音楽が変わりました。
    明らかに変な区切りで音楽が変わった。

    今、ぶった切られたよね?!

    えっ?なんで?はっ?

    もしかして、この中って盗聴されてるの?(笑)
    聞こえてんの?私の声??

    私、ようやくここで理解します。
    そりゃそうだよね。突然患者さんが苦しみ出したり、声を上げることだってあるだろうし、当然聞こえてるよね。

    そんな事すらも考えず大声を上げてしまう

    冬ソナ短パンおばさん大丈夫でしょうか?

    そんなこんなで、初MRIは検査ではなくアトラクションでした(笑)


    第4章:発覚

    他にもCTや、レントゲン、いろいろな検査してわかった事。この病気以外に2つありました!

    1つ目は
    なんと!MRI?CTだったかな?の結果、
    「立派な胆石」がある事がわかり、これは婦人科では判断できないので落ち着いたら内科に紹介状を書くねと。

    2つ目は
    これが1番ビックリした!!!

    入院するにあたって身長と体重測りますと。

    健康診断なんてこの歳まで1度も受けた事がなく、
    身長なんて高校の身体測定以来です。

    身長を測る為、足跡の柄が付いた台に乗り、
    バーが降りてくるのを待っていると……。

    「156㎝ですね〜」と看護師さん。

    えっ
    えぇーーーーーーーーーーー!

    ずっと153㎝だと思ってた!
    自宅の体重計に身長を入力する時も、
    人に身長を聞かれた時も、
    "153㎝"と答えてました。

    すごーーーい!
    背が小さいのがコンプレックスだった私は、
    なぜか看護師さんと"強めの握手"を交わし、
    ルンルンで帰りました。

    ん?て事は?
    そりゃそうだ!!
    MRIの検査着短いはずだわ。

    156㎝なら間違いなくMサイズ手に取ったよ!
    先に身長をは測っていればあんなことには…。(笑)

    第5章:入院という名のリゾート

    無事に検査&説明も終わり入院します。
    もちろん人生初めての入院です。

    それにあたって、20代の頃から入っていた生命保険?だったかを思い出し、知り合いの保険屋さんを呼び出しました。

    「当選しましたーーーー!」と

    病院でもらった「子宮頸がんの手術について」と書かれた資料を賞状でも見せるかのように誇らしげに見せました。

    「えぇーーーーー!」と、保険屋さん。

    即座に使えそうな保険を調べてくれて1日2万円の入院保険にどうやら入っていたようで、一安心。

    これで、個室で優雅に過ごせる!
    20代の私、ありがとーーーーーーー。

    自分が"がん"になって思ったことは、
    「ちゃんと検査行った方がいいよー」と、多少は思いますが(自分も検査で発覚したので)、

    でも、それよりも

    「ちゃんと保険に入っといた方がいいよー」
    これのが本当に大事!!

    いくら検査を受けても、がんになる時はなるし。
    その時に助けてくれるのは、やはりお金。
    がん治療には想像以上にお金がかかります。

    しばらく仕事が出来なくなるから、お金の心配がなくなっただけで、入院がリゾートホテルにでも長期で泊まりに行くような気分にさせてくれる(笑)

    週1の休みで働いてきた私へのご褒美か?

    第6章:手術

    手術日当日、特に何も不安は無いのだが、1つだけ決めないといけない事が。

    「硬膜外麻酔」

    普通の麻酔にプラスこの麻酔をするかどうか。

    この麻酔が体に合わないと、痛みにプラス吐き気、頭痛が加わる。

    でも、ダブルでやると痛みとはさようなら…。

    迷う。

    ダブルパンチだったら最悪だし。

    でも、こればっかりはやってみないと分からないことらしい。かなりの賭けで、最後の最後まで迷ったが、やる事にした。

    悩みに悩んだことが解決してスッキリ!!

    気分はハイで、看護師さんと腕を組んでスキップで手術室へと向かいました。

    手術室に到着すると、主治医の女医先生が待ってて、

    スキップしながら入ってきた私を見て笑いながら、
    「顔色もいいし、大丈夫そうだね〜」

    と、手術台へ案内してくれました。

    初めての全身麻酔。
    あまのじゃくな私は、

    「麻酔に逆らってみたい!」

    こんな野望を抱いていました。

    何本も点滴のルートを取り、硬膜外麻酔も無事に終わり、酸素マスクをつけられました。

    「ふわふわしてきましたか?」
    と、看護師さん。

    「ふわふわ?まったくしてませんよ?」

    「あっ!これが俗に言う1.2.3で寝ちゃうやつですか?」

    「そうですよ〜」

    「おぉーーー!じゃー私は60まで数えます!」
    と、笑いながら豪語し、

    「ひつじがいっぴ…………」
    ここまでしか記憶がございませんでした(笑)

    第7章:術後という現実

    6時間にも及ぶ手術が終わり、ICUへ移りました。
    看護師さんに声をかけられ目が覚めると、体中が筋肉痛のような感覚で、伸びがしたい。

    でも、体から管が沢山。
    とりあせず数えてみることにした。

    点滴4本、ドレーン2本、硬膜外麻酔1本、尿道にも1本。

    計8本。

    おまけにゴムゆるゆるの酸素マスク(笑)

    結構な繋がれようで身動きほぼ出来ませんでした。

    ここで1つ残念なこと。

    手術を待っていた母と姉の元に女医先生が、取ったばかりの私の子宮や卵巣、がんの部分などを実物で説明をしてくれたそうです。

    「写真撮りますか?」と先生に聞かれたが、

    母と姉は身震いしながら、顔の前で手を振り、
    「いいです!いいです!大、大丈夫です…」と断ったそうです。

    確かに気持ち悪いかも知れませんが、
    私は見たかったーーーーーーーーーー!

    卵巣ってどんな色?
    大きさは?
    子宮のどの辺にがんがあった?
    がんはどんな色?形?

    知りたかったこと盛りだくさん。

    「先生の説明とともにムービーを撮っておいてくれよーーーーーーー!」

    術後、最初に放った言葉がこれでした(笑)

    もう1つビックリ。

    夜の20:00頃に手術が終わったのに、次の日の朝7:00には通常病棟に徒歩で移動しますと。

    えっ?
    今から?

    こんな状態で私が歩く??

    いろんな管をぶら下げ、点滴のゴロゴロに寄りかかり、
    さすがの私も10歩ぐらいしか歩けず、車椅子で移動。

    でも、背中に刺してある硬膜外麻酔。
    これがすごく私には合っていた!!!

    術後もこの背中の管はつけっぱなしで、痛い時に自分でスイッチを押して麻酔を直接送り込むシステム。

    「すげーーーーー!なんだこれ!!!」

    自分で押すの?いいの?私の都合で??
    看護師さんに問い詰めるも「オッケー」との事。

    なので、手術後に

    "なんか痛い気がする…"

    "痛くなりそうな気がする"

    と思うとスイッチを押す。

    そうすると、背中に冷たい感覚がはしり、痛みがスーッと無くなる!

    まさしく
    「痛いの痛いの飛んでいけ〜」状態(笑)

    子供の頃よくやったけど、これが現実になるとは!
    「痛いの痛いの飛んでいけリアルバージョン」
    面白いほどよく効くんだけど〜。

    それがすごく気持ちよくて乱用しまくっていたら、
    あっという間に使い切ってしまった。

    看護師さんに
    「これ、おかわりー!」っと元気よく言うと
    「これはおかわり出来ません(笑)」と。

    どうやら痛み止めの中でも1番強い

    「麻薬」らしい…。

    まっ麻薬??

    私、麻薬中毒者になりました?(笑)
    もちろん合法ですよ?

    恐ろしいほどによく効きます。

    合法麻薬のおかげで、痛みをほとんど感じる事なく過ごせました。

    看護師さんに
    「今、痛みはどう?」
    「10段階でどのくらい?」
    これ、いつも聞かれました。

    いつも「2ぐらい?」と、首をかしげてました。
    多少の痛みのような違和感はあるのでそう答えてました。

    そんな魔法を使い切った数日後、後悔します。

    ドレーンとは、体のなかに溜まった血や体液を体の外に出すための管です。
    これが無造作に2本お腹から出てます。

    その管も「まぁまぁな太さ」で、
    スタバのフラペチーノ用のストローをひと回り太くした感じ。

    これを今日抜きますと!!!

    えぇー!!心の準備が…まだ…!

    医師じゃないと抜けないので、後で主治医来ますと。

    こんな太いの抜いたら絶対に痛いよね?
    穴開くよね?縫うの?

    麻薬取っておけばよかったーーーーー。

    そんな事を考えていると、医師登場。

    「ドレーン抜きますね〜」

    はっ!いきなり?

    もっと世間話とか欲しいんですけど!(笑)

    もちろん待ってくれることもなく、抜かれます。

    お腹の中をヌルッと何かが通り抜ける感覚があるだけで、痛みなし!ノー痛み万歳!!

    2本抜いたあと、ガーゼをのせテープで止める。

    …えっ?

    結構な穴だよ?それでいいの?

    3時間ほどしてから看護師さん来た時に、
    「ドレーン抜いたよ〜」と報告。

    じゃー傷口確認しますね〜とガーゼをめくる。

    「もう塞がってますよ〜」

    えぇーーーーー!
    私の回復力ヤバくない?!

    薄い皮の膜がすでに張っていたそうです。

    人間ってすごいね。

    この時は自分の回復力に感動していたのに、後々話を聞くと、悪気なくサラッと。脂肪が多い方が早く塞がると、看護師さんに言われました(笑)

    「私はこの為に脂肪蓄えてたんです!(笑)」
    と、看護師さんと雑談。

    そんな感じで、日に日に管がどんどん少なくなっていき、身動きが取れるようになっていきました。


    第8章:事件集

    看護師さんのプロ仕事に、股の尊厳を持っていかれた話。

    もちろん入院初期は4〜5日間お風呂に全く入れませんでした。

    では?どうするのか?

    毎日、看護師さんが2人がかりで私の体を洗って、
    ホットタオルで拭いてくれて、パジャマを着替えさせてくれます。ありがたいことです!

    実際、管もいっぱい繋がっていて自分でさわると引っこ抜けそうで、怖くて何もできないんです。

    ドレーンが抜けた頃だったか。
    看護師さん平然と言います。

    「他の管、このままでもお風呂入れるよー。」

    えっひっ

    無理無理無理無理!絶対に無理!!

    こんな状態で入れるわけないじゃん!
    ビビリな私は断固拒否!

    「全部、管が抜けて自由の身になったら入ります!」
    と、看護師さんに宣言。

    さぁーここで入院した事のない人は気になるよね〜
    「どこまで洗ってくれるの?」
    もちろん足の先から、頭まで。

    全部です。

    なんなら足の指の間も丁寧に洗って拭いてくれます。自分で洗うよりはるかに丁寧に(笑)

    髪の毛は、ベッドからお風呂がある場所に移動して、そこには美容院のシャンプー台みたいなのがあって、そこで看護師さんが洗ってくれます。

    元美容師か?と思うほど上手で気持ちいい(笑)
    「痒いとこないですか〜?」
    お決まりのセリフ付き(笑)最高です!!

    …で、本題です。

    足や、体、腕、は想像通りに普通に拭いてくれます。問題は、"お股"です(笑)

    体を拭いてくれる時はベッドで完全に仰向けで寝転がっているので、上半身をおこさないと"お股"の方は目で見ることが出来ません。

    なので、あくまで私の想像でしかないのですが…。
    いいですか?

    どうぞ、想像してみて下さい。

    まず、お尻を持ち上げられて、小さいプール?ビニール製の立体的な何かをお尻の下に敷かれます。

    するとついでに、水をジャブジャブかけられます。

    そこへ……

    私のお股を、ローラーみたいなツルツルした何か(プラスチック?もしくは石鹸?)が、大事な割れ目を何度も往復します(笑)

    ガシガシ、ゴシゴシと洗い水をジャーとかけます…。

    看護師さん!見えてますか?
    まだ、おしっこの管が入ってるんですけど!?

    自分だとそこは避けたり、手が止まりそうなのに、そんなことはお構いなしのダイナミックな往復は止まりません!(笑)

    凄いですプロフェッショナル!

    あまりの大胆なゴシゴシ具合と、平然を装いたいという私のプライドで「丁寧に洗ってくれるんですね〜」と会話を試みる。

    すると看護師さん、私のお股をゴシゴシしながら、
    「おしっこの管にバイ菌がつくと、膀胱炎になったり腎臓に影響が出るので、特に清潔に保つんですよ〜。」

    「へーそうなんですね〜」

    でも、本心は…
    「私はジャガイモですかーーーー?」
    「えっ!そこ!わーーーーー!」
    「そんなにー!うぉーわわわわわーーーー!」
    「自分でもそこまでゴシゴシしたことないよー」
    「わぉーわぁーわあーーーー」

    心の中は大騒ぎで叫んでいました。

    股に水をかけられるのと同時に私の「プライド」や「尊厳」は泡と共に流れていきました(笑)

    最初のうちは簡単には割り切れず、これはしょうがない!と自分に言い聞かせてました。

    が、回を重ねるごとに羞恥心が薄れていき、
    あれ?何か…お股…いい感じ!
    サッパリ、スッキリしてます。

    「股洗い最高ー!」
    にまで気持ちが進化していきました。

    でも、私、ふと思います…

    「男の人のもやるんだよね?」

    股洗い初期の頃、恥ずかしさのあまりついつい口に出して聞いてしまったことがあります。

    「もちろん!」

    と、20代前半、可愛いこちゃん看護師さん。

    絶句です。

    看護師さんにとってこれが日常で、毎日で、当たり前のことで、決して特別な事ではない。
    ますます看護師って偉大だ!!
    それと同時にとても大変な仕事だと思いました。

    「世のため人のため」これだけの徳を積んだら、
    必ずや上級の天国へ行けます!(笑)

    今、自分がもし中学生だったなら、必ず

    「将来の夢は看護師です!」

    と、口走ってます。

    リハビリがてら廊下を歩いていると、年配の人の食事の介助をしていたり、ゴミを集めてたり、点滴を運んでいたり、歩行訓練の介助をしていたり、パソコンに向かっていたり、私のシャンプーもそう。
    ありとあらゆることをこなしていて、

    「もっと給料と、休みをあげてくれーーーー!」
    と思いました。

    その頃には順調に体力も戻り、体も回復へ向かっていたので、「夜中に来ていた看護師さんが、また昼すぎに来る」なんて事があると、

    「はぁ?もう来たの?ちゃんと寝た?」

    と、なぜか病人の私が看護師さんの心配をするという方へシフトチェンジしてました(笑)

    そんな看護師さんたちが心を込めて、ガシガシ、ゴシゴシしてくれたおかげで、特に菌に感染することもなく、平和に入院生活を快適に終わらせることができました。

    改めて感謝です。

    看護師さんの重労働に比べたら、
    私の股の尊厳なんて、大したこと無い、
    何を守ろうとしてたんだ私は(笑)

    「遠慮なくゴシゴシ洗ってくれてありがとう!」
    と、思いなおし、

    「来世は絶対に看護師になる!」と

    ポケモンマスター並みに心に誓いをたてて、残りの入院生活に気合いを入れました。

    制限時間30分!開腹手術の傷跡と挑む"お風呂クエスト"


    やっとすべての管が抜け、

    「ストレスフリーーーーーーー!」

    寝返りも、歩行も、トイレも
    何も気にしなくていい!自由に動ける!
    なんて開放感!!

    うれしーーーい!
    もう、体を拭いてもらわなくても、お股ゴシゴシされなくても、自分でお風呂に入れるよー!!
    わーい、わーい!

    気持ちだけはハイテンション。

    でも実際は、おへその上から、かぎ針状に、膣ギリギリまで、20㎝ほどの生々しい傷跡。
    まだまだすんなりとは動けません。
    何かする時は必ず傷跡に手を添えてないとなぜか不安(笑)

    そんな状態でテンションに任せて飛び跳ねようもんなら悶絶。確実に生死を彷徨います!

    そんな不安の中、3大腹筋使う動作は特に危険です!
    ①咳、②くしゃみ、③笑う、これは地獄です。

    ①術後は痰が出やすくなると言われ、人生最小の咳をどうやって、どの体勢でするかを日々研究(笑)

    ②ちょうど入院してた時期がヒノキの花粉の時期で、早めに花粉症の薬を処方してもらって先制攻撃。

    ③その中でも、ダントツに危険なのが「笑う」。
    人間って笑ってはダメだと思えば思うほどに笑えてくるものです。
    入院中、なぜかお笑いが見たくなる…。
    ダメだとわかっていても「どぶろっく」を再生する右手の人差し指が恨めしい(笑)

    こんな私は腹筋を使うたびにHPを削られる状態で、お風呂クエストに挑もうとしている。

    本題へ帰ります。

    傷口はしみたりしないものの、痛々しい。
    白いテープが魚の骨の様に、横に15本ぐらい貼ってあるだけ。

    よく聞く「縫い目」や「ホッチキス留め」といったものは何も無い。ただテープだけ。

    こんなんで大丈夫なのか?

    「自然にはがれるまでテープは剥がさないでくださいね〜」と、看護師さん。

    えっ?
    こんなのすぐ取れちゃうでしょ?
    お風呂入るし水で確実に濡れるよ?
    体を拭く時にすれるよ?…

    と、思ったのとは裏腹にテープが完全に剥がれるまでに2ヶ月以上かかりました。

    お風呂に入るためには独特なルールがあります。

    ・朝の10時頃にお風呂の時間を予約する

    ・浴室①か②を選ぶ(なぜかいつも②を勧められる)

    ・お風呂は30分以内(ドライヤーまで済ます)

    予約した時間になったら、ナースステーションに行き、「入浴中」と書かれた紙をもらい、入る時に入り口のドアにそれを貼る。(裏がマグネットになってる)

    これがルール。

    もともと、私は長風呂派で1時間以上お風呂から出てきません。
    病院のお風呂には湯船はないものの、髪を乾かすドライヤーの時間まで入れての30分…。

    絶対無理でしょ??

    病院のベッドの上で夜な夜な考えを巡らす。
    明日のお風呂ミッションに備えて…

    •パジャマ脱ぐ+着る:8分(片手縛り)
    •シャンプー:3分(爆速)
    •トリートメント:3分(譲れない)
    •ドライヤー:10分(ラスボス)
    •残り:……?

    ただでさえ動きがぎこちなくゆっくりな私。
    軽く見積もっても24分、制限時間のほとんどが終わる。
    まだ、体も洗うし、顔も洗う…
    どう考えても無理じゃない?

    みんなどうやって入ってるだー!
    見せてくれ!見学会開いてくれーーーー!
    時間配分の講座開いてくれーーー!
    頭がプチパニック状態のなか就寝。

    朝10:00にナースステーションに向かう。
    ちなみに私の部屋、ナースステーションから最果て。
    ルーラは使えないんか?(笑)
    本気で思う45歳女。

    お風呂の予約をする。
    夜の1番最後の②のお風呂20:00〜をゲットです!
    なぜか聞かれることも無く②縛り…。

    初めてのお風呂で、何が待ち受けているのかわからないので、誰にも迷惑がかからなさそうな時間にしました。

    ミッションスタート!

    「すでにミッションは"移動"から始まっていた。」

    お風呂は最果てのナースステーションよりさらに奥地にある。
    ルーラはまだ覚えてないので、リハビリ用の手すりにすがりながら、やっとの思いでお風呂に到着。

    まだ脱いでもいないのに、この時点ですでに体力30%減。毒沼か?(笑)

    「まず最初に立ちはだかったのは、脱衣所だった。」

    頭の中の予定では、すぐに脱ぎ始める予定が…
    現実はそうはいかないことに気がつきます。

    セッティングから始めないといけない!

    私の持ち物。

    パジャマの着替え、頭に巻くタオル、体拭くタオル。
    シャンプー、トリートメント、ボディソープ、洗顔、洗い流さないトリートメント、フェイスパック…
    ……どれも、いつもよりいい物を調達しました(笑)

    そう!
    私は病院のお風呂を優雅にすごす「高級スパ」にしようとしています(笑)

    まずはこれらを使いやすい位置に配備する。
    お風呂の中で使うやつはお風呂の中へ
    脱いだ服を入れる袋をセットする…

    ヤバい、脱ぐ前にやる事いっぱいある!!
    大幅な時間ロス!

    「介護用の手すりを握りしめ、いざお風呂内へ。」

    おぉーありがたい!椅子があるではないか!!
    座りながら楽に何でもできるよーーーー!

    これで時間短縮だ!

    と思ったものの意外なことが気になり、またも時間のロス。

    シャンプーを洗い流す時に傷口にシャンプーの泡がついてしまってあたふた。

    大丈夫か??これってバイキンじゃない?

    気になり体を2回洗う(笑)

    「そして気づく。30分の敵は、風呂じゃない。ドライヤーだ。」

    お風呂から出て、パジャマに着替え、いざ最後の決戦!

    「ラスボスドライヤー」

    備え付けのドライヤーは大浴場とかにあるような壁に造り付けのドライヤーではなく、なんと!

    「パナソニックのナノイー」

    使った事ないけど、普通のより早く乾くんじゃない?
    ラッキー!と思ったけど、思ったほど乾かない。
    この時点で7分経過。

    ん?なんで?

    ドライヤーをよく観察すると…
    "ターボ"があるじゃないか!!!
    誰か早く教えて!(笑)

    そんなこんなで所要時間…。

    「38分」

    惨敗!

    敗因はセッティングと、謎の二度洗い。
    それに高級スパ気取り…。

    どう改善すべきか?
    パックしたまま部屋へ帰りながら1人反省会をしていると、看護師さん登場。

    「初のお風呂どうでしたか?」

    「時間オーバーしちゃいましたよ…」と私。

    「えぇ?まだ術後すぐだし、2枠とって1時間で入ればいいよ〜。急いで転んでも危ないしね。」

    …はい??

    何て言いました?

    2枠とって、1時間で入ればいい?!

    そんな裏ワザがあったのかーーーーーーーー!!
    早く教えてよ!!

    退院するまでこの裏ワザを多用し、ゆっくりと高級スパ気取りでお風呂に入ることができました。

    それより気になるのは①のお風呂!
    なぜにススメられなかったのか後々分かりました。

    ①は少し古いがとても広い。なので入浴介助が必要な人を優先しているだけらしい(笑)

    入院中あるあるの変な妄想が進み、お化け出る?
    昔何かあった?夜な夜な何かの儀式が行われている?
    と勝手に脳内暴走しただけでした。

    命のかかった入院生活。ルールは厳しいのに、抜け道はやたらと優しかったのでした。

    第9章:最終決戦?!膀胱訓練

    膀胱にメンタルを鍛えられた話

    手術するにあたっての説明で、術後に
    「膀胱訓練があります」と言われました。
    その時は、特に気に留めることもなく、

    「へーそんなのあるんですね〜」
    「分かりました〜」

    特に内容を詳しく聞くこともなく返事をしました。

    後ほど、軽く返事をした自分を殴りたいと思うほど、
    とても過酷な訓練でした(笑)

    はじまり、はじまり〜

    術後、順調にいろいろな管が抜けて、
    痛み止めの点滴の管と、おしっこの管だけになった時に言われました。

    「そろそろ膀胱訓練しますよ〜」
    と看護師さん。

    その時に初めてその過酷さを知ります。

    簡単に言うと
    「あなたの"膀胱ちゃん"、ちゃんとおしっこ出し切れてますか?」をチェックします。

    私の場合は、手術でリンパ節も2本取っているので、その影響でおしっこが出にくくなるようです。

    どうやるのか?

    3〜4時間おき→尿意なくてもトイレ→ナースコール→看護師さんが尿道に管を入れる→残尿を出す。

    これを1日に6回ほどやります…。

    もちろん夜中も肩をトントン起こされ、トイレに行きます。眠い目をこすり、ふらふらとトイレへ。
    トイレから帰ると、ベッドに仰向けに寝転がり半分寝たまま管を刺され、膀胱に残ったおしっこを出されます。

    これ10日ほど続きました(笑)

    まずは初日!

    看護師さんから膀胱訓練の詳しい説明を受けます。
    紙を1枚もらい、そこには"尿量記録用紙"と書いてあり、
    「何時にどれぐらいの量が出て、残尿がどれぐらいあったのかを紙に記入してください」とのこと。

    「へー了解です。」と返事。

    おしっこの管を抜いてすぐ、トイレに行ってくださいと言われて行くが、全く出ない。

    「また後で来るから、お水たくさん飲んでおいてね。」
    と看護師さんに言われました。

    3時間後…
    トイレへ行きます。
    トイレにはメジャーがついたカップが山積みになっていて、何ml出たか計って、紙に記入する。

    「よし、やるぞーーーー!」

    便座に座るも、出ない。
    一滴も出ない。…尿意もない。

    てか、おしっこって?どうやって出してたっけ?

    いつもは、便座に座れば勝手に出るので、
    特に「出そう」と思わなくても、出るよね?

    もともとトイレも1日に3〜4回ほどしか行かないタイプなので、「これはおしっこ溜まってないんだな」
    と思いナースコールする。

    「残尿ないか確認しますね〜。」

    ベッドが汚れないように、お尻の下にシートを敷き、ベッドに仰向けになり股を広げ、看護師さん手慣れた様子で尿道に管を刺します。

    「力抜いて、息を吐いて下さいね〜」
    「ふぅーーーーー」としてる間に刺されます。

    うまい人がやると本当に痛くない。
    刺す場所を間違えると違和感と痛み。

    だんだん回数を重ねるごとに、見習い看護師さんや、練習生?も来るようになり、そこじゃないんだよな〜とか、もうちょい下とか、感覚で分かるようになっていきました(笑)

    出るわ出るわたくさん溜まってました。
    おしっこの仕方を忘れたようです。

    「ここから本格的に膀胱とメンタルの戦いが始まります。」

    3日目ぐらいまで、0〜90mlほどしか出なく、残尿が350〜450mlほどありました。

    ふと、看護師さんに聞きました。

    「これはちゃんと自力で全部出せるようになるまで、退院できないって事ですか?」

    そうすると、看護師さん恐ろしいことを口走ります。

    「大丈夫ですよ。出なくても退院できますよー。」

    「その代わり、ご自宅で、ご自分で管を刺して残尿を出してもらいます。」

    …絶句。

    はぁ?自分で管刺して出す?

    どうやって?

    てか、こんなこと自分でやれるのか?

    と、いうことは職場に管を持ってくの?
    無理でしょ?

    いろんな疑問が頭を巡ります。

    話を聞くと、どうやら鏡で股を照らし、尿道を見つけて管を刺す…自分で、自力でやる訓練に切り替わるそうです。

    普通に無理です!!!

    この話をきっかけに、
    適当にトイレに通っていた私、"覚醒します"。

    このままじゃヤバい!
    「膀胱訓練、本気で取り組まなければ!!」
    やれることは何でもやろう!

    俄然やる気が出ました。
    意地でも出します!!出し切ります!!!

    「膀胱ちゃん頼むよーーー!えいえいおーーーー!!」

    まずはいろいろな作戦を立てます!

    ①まずは膀胱に話しかける(笑)

    これ意外と良かったんです。
    便座に座りながら深呼吸をして、両手を膀胱のあるであろう場所に手を当て、どうした?大丈夫だよ?焦らず行こうね?少しずつでいいから出そうね?と励ます。

    ②水を2ℓ飲む。

    これは、看護師さんによく言われた。

    ③耳からの刺激。

    iPhoneから水の"せせらぎ音"や"波の音"を流し、
    目を閉じて、大海原の日本海をイメージしてゆっくりと便座に座る(笑)
    あわよくば、音につられておしっこが出ないか?と試したり、大自然の中の開放感を感じて、リラックスモードに入ったりした。

    ④いろんな姿勢を試す。

    体勢も重要で、前屈みになってみたり、後ろにもたれてみたり、右、左、に倒してみたり、いろんなポジションを試してみる。

    ⑤音を口に出す。

    子供の時に、オシッコをする時に、よく"シャー"と言いながらしてたのを思い出し、シャーと言いながら出してみる(笑)効果あり!

    ⑥順路をたどる。

    テレビでよくやる、"お菓子の工場見学"のように、
    順序よく排出までを想像する(笑)

    膀胱から→管を通って→出る。
    よりリアルにこのイメージをふくらませる為に、ネットで人体模型を検索。

    ⑦暗示をかける。

    勢いのいい蛇口をイメージしてみる。
    「私は蛇口、私は蛇口」と呪文のように唱え、暗示をかけ、深呼吸をしながら出す(笑)

    自分で書き出しながら、よくもこんなにありとあらゆることを試したなと(笑)。
    文字にするとよりおかしく、本当?と思われそうですが、これが私です。

    "本気"を出した時の私です(笑)

    私の個室トイレからは毎日、笑い声と、シャーが響いていました。

    「今日は絶対に出し切ったはず!」

    「これで残ってたら、私の尿意死んでるわ〜(笑)」

    「膀胱、絶対に空っぽです!」

    「やり切りました!」

    来てくれる看護師さんと毎回、毎回、張り合いながら、いろんな言葉で熱意を表明してました。

    真剣に取り組むようになってからは順調に出るようになり、徐々に出る量が100mlを超えるようになりました〜!!バンザイ!やったー!!

    その頃になると、看護師さんが来てすぐに検査できるように、ベッドの高さや、配置を、自分でセッティングして待っていました(笑)

    私もう「残尿プロ」です!

    そんな感じで、回を重ねるたびに、ジャブジャブ出るではないかーーー!おしっこが、ただ出るだけでこんなにうれしいんだねーーー!!

    「よっしゃーー!」(トイレでガッツポーズ!)

    「何に感謝すればいいかわからんけど、ありがとう!」と、便器と話す日々。

    つ、ついに、この時が!

    看護師さんが残尿を読み上げる前に、私が口でドラムロール、手で机を優しくたたく(病院なので)。
    ドゥルドルドルーールーーー

    「残尿90mlです。」

    うぉーーーーー!!!
    ついに残尿100mlを切りましたーーーー!
    やりましたーーー!私の作戦勝ち!!!
    膀胱訓練の終わりが見えてきましたーー!

    思わず看護師さんと目を合わせ、
    「無言の全力ハイタッチ」をしました(笑)

    でも、ここから順調かと思うと、また残尿が「150ml」ぐらいあったり、気を抜くとおしっこが出しきれません。

    1回1回が勝負です!

    初心を忘れず、約10日間トイレと膀胱と真剣に向き合いました!

    「おしっこを出す!」と思わなくても、今まで、勝手に出てきてくれててありがとう!!

    改めて"膀胱"に感謝をした入院生活でした。

    いまだに、尿意はほとんどなく、時間を見て行くようにしてます。出にくさも多少残っているのですが、嬉しいこともあります。

    お年頃の女子のアレです。
    大笑いしたりすると、「ヤバいおしっこ出る(笑)」
    尿漏れ?あれが完全に無くなりました!!

    凄くない?尿漏れ解消です(笑)


    第10章:まだまだ終わらない

    放射線治療

    退院して1ヶ月ぐらいし、傷跡も、日常生活も、取り戻した頃に始まりました。

    がん治療を知らない人が聞くと、すごく大変そうなイメージだと思うけど、やることはいたって簡単。

    がんの種類にもよるだろうけど、私の場合は毎日同じ場所に放射線を3〜4分程度、当てるだけ。
    痛くもかゆくもない。

    よく抗がん剤治療と勘違いされて、
    「髪の毛とか抜けるんだよね?」
    と言われたりしますが、まったく別の治療です。

    でも、人によっては車酔いみたいな吐き気が出たり、当てた場所が重く、筋肉痛のような痛みが出る場合もあるらしいけど、私は何も感じない(笑)

    文字で書くとますます簡単そうなんですが、来る日も来る日も、毎日毎日、病院に通うという行為に、地味にメンタルやられてきます(笑)

    まずは放射線治療をするにあたって、準備することがあります。

    「自分の型を作る。」

    毎日まったく同じ場所に当てるために、自分の寝た状態の型を作るんです。
    (がんではない他の場所に、極力放射線が当たらないようにするためらしいです)

    簡単に言うと、低反発のマットレスに寝ると自分の型ができる、あんな要領で「寝型」を作成。

    その際に、お腹に直でマッキーでデカデカと「+印」を4つほど書かれました。

    なんだ?この+の落書きは!(笑)

    どうやらこの+は自分と機械を合わせるための目印にするみたいです。

    そんな印を書かれている時に言われます。
    「お風呂に入っても消さないようにしてくださいね。」

    えっ!1ヶ月半ずっとこのまま?
    なかなか高度なミッション!

    でも、そういうのなんか燃えます(笑)

    その夜、お風呂の全身鏡で自分の姿を確認すると、

    「シューティングゲームの標的かよ!」

    私、めっちゃ誰かに狙われてるわー(笑)
    これから何が始まるんだ?

    それから、ボディーソープを丁寧に泡立て、その泡で体を洗います。いつもなら寒風摩擦の勢いで、垢すりタオルでゴシゴシするのに。

    あくまでもマッキーが消えないように
    優しく…優しく。
    お肌にはいいかも(笑)

    下準備はオッケー!
    放射線治療、始まります。

    私の場合は、子宮があった場所、リンパ節があった場所(コマネチの部分)に当てます。
    「月火水木金」平日は毎日病院に通います。
    それを28日間。

    期間で言うと、
    6/17〜7/25、約1ヶ月半。
    気が遠くなるような内容です(笑)

    痛みはまったくないのだけど、回数を重ねるごとに私の場合は腸にダメージが出はじめ、下痢がひどくなりました。

    普通の下痢じゃなく、我慢なんて5秒もできない!
    勝手に出てきちゃいます(笑)

    その時、ふと思います。

    看護師さんと放射線治療について面談している時に、「職場はトイレ近いですか?」
    と聞かれたことを思い出した。

    これのことだったのかーーーー!
    目と鼻の先にトイレがないと間に合わない(笑)
    笑っとる場合じゃなく本気で!

    「45歳、"アテント"デビューしました!」

    念のためですよ?
    決して諦めたわけじゃないですよ?!

    1日に10回以上の下痢。
    でも、お腹が痛いとか、苦しい、気持ち悪い、などは一切ありません。

    ただただ自然と、川のせせらぎのように、なんのためらいもなく出てくるだけです(笑)

    下痢以外は何ともないので、食欲はいつも通り旺盛。
    もちろん食事制限もありません。

    むしろ、「食べられるものは何でも食べてください。」

    と言われていました。

    先生のその言葉を信じて、この期間、何も我慢せず好きな物を好きなだけ食べました。

    その結果、この1ヶ月半ほぼ毎日10回以上の下痢にもかかわらず、体重は1kgも減りませんでした。

    すごいよね私?(笑)

    それ以外にも難関が2つ。

    1つ目
    膀胱に尿を溜めてから、放射線を受けないといけないということ。
    膀胱に尿が少ないと、副作用が出やすくなったり、膀胱がダメージを受けやすくなる、と説明されました。

    2つ目
    お金!お金!お金!
    放射線治療は高い(私にとっては)。
    命には変えられないと言いますが、私は個人事業主なので、働かなければ収入は0円。
    会社員のような給料保証はありません。

    毎日、治療に来ないといけないので、働く時間が制限される ので収入は激減。

    そして放射線治療、初回のお会計……

    えっ!? はぁーーーー!

    「3万円?!!」

    私、週5で来るんですけど?!

    毎日、3万円払うの?

    こんなの無理じゃない??
    いくら命といえども、28日間だよ?

    「絶対無理ーーーーーーー!!」

    ……燃え尽きた。
    「あしたのジョー」のように、病院のベンチにもたれかかりました。

    命にはかえられない。
    でも、お金がなければ生活ができない。

    はい、無限ループ。

    「立ち上がれー!立ち上がるんだジョー!」
    遠くの方で聞こえた気がしました(笑)

    日本には素晴らしい"高額療養費制度"というものがあります。

    簡単にいえば、
    あなたの1ヶ月の収入に応じた金額以上のお金はいただきません!

    と、いう国の制度。
    そんなおいしい話があるのか?

    ……あるんです。
    嘘みたいな定額料金制度。

    そう!食べ放題と一緒です(笑)

    なので28日間、毎日3万円の呪いからは解き放たれ、ひと安心です!

    さー本題。
    放射線治療の続き行きましょう!

    最初の面談で看護師さんと、どのように膀胱に尿を溜めて、病院まで来て治療を受けるのか作戦を立てました。

    ここで、家から病院までの距離や時間、住まい、家族構成など、やたら詳しく聞かれました。

    えっと、私って今から国境とかを越えるんでしたっけ?(笑)ってくらいに。

    「病院に来るまで何分かかりますか?」

    「車で40分です。」と私。

    「では、病院に来る前にトイレを済ましましょう。その後、コップ1杯の水を飲んでから来てください。」

    えっ?そんなシビアな話?
    尿なんて普通に溜まるんじゃないの?

    そんな疑問を胸に、言われた通りにするも…
    日を追うごとに手術の影響で尿意が無くなった私が膀胱に尿を溜めるという沼に落ちていきます。

    最初の1回目だけは、放射線治療後すぐに先生の診察があると言われました。

    「お水飲んできましたか?」
    看護師の第一声です。

    「はい!言われた通りにしてきましたよ〜。」

    別室に通され、ジェルをお腹に塗られて、エコーで確認します。

    「大丈夫そうだね。放射線行こう。」
    どうやらちゃんと尿が溜まっている様子。

    物々しい扉の前に連れてかれ、扉にはあのマーク!
    エヴァンゲリオンで観たことある!
    放射線の危険を示すマークがデカデカと書かれてます。

    ドキドキしながら入っていくと、大きなモニターがありました。何気に見るとそこには……

    「金髪ボブ」な私の顔写真と年齢や氏名、治療内容や照射部位などがデカデカと重要事項のように表示されてるじゃないか!(笑)

    そりゃ、人を間違えたり、照射部位を間違えたら大変なんだろうけども……(笑)

    ニヤニヤ。クスクス。
    金髪ボブ!病人に見えんわー!

    隣にいた看護師さんを肘でグイグイしながら、
    「ね〜もっといい写真なかったの〜?(笑)」
    「あの人(自分)やばくない?(笑)」

    ……と、何故か2人で目を合わせ爆笑!
    (注意:今日初めて会った看護師さんです)

    「もし髪色変えたら写真撮り直すの?」
    「きっと別人だよ?」

    と、どうでもいい会話を多々しながら和やかな雰囲気の中、放射線治療が始まります。

    私の場合は特に検査着に着替えることもなく、自前の服で、用意されてた自分の型にはまり、放射線を浴びます。

    放射線治療の機械はCTのような機械なんだけど、少し小ぶりなので圧迫感も閉鎖感もなく、余裕で治療スタート。

    痛みもなく4分弱、
    「帰りに何食べて帰ろうかな〜」
    と考えてると、あっという間に終わりました。

    その後すぐ診察で、
    「どうでしたか?」と先生に聞かれ、

    ん?何かあったかな?

    「そういえば音が工事現場のようにうるさかったから、MRIの時みたいにヘッドフォンって無いんですか?」と私。

    現場がざわつきます。

    「そんなこと初めて聞きました。」
    と、先生。

    えぇーー?
    工事現場すぐそこ感ありましたけど?
    耐えられないほどじゃないけど、MRIの時のように"冬ソナオルゴールバージョン"聴いてた方がいいじゃん。
    と思い安直に言っただけです。

    「耐えられないほどじゃないので大丈夫です!」

    と、即座にその場を収めるものの気になります。
    確かに、治療が始まると看護師の皆さん、放射線技師の皆さん全員ゾロゾロと部屋から出ていきます。

    被ばくしないためだと思うけど、外だと、この音は聞こえてないの? 

    それよりも本人は気にならないのか?
    私が神経質すぎ??

    頭は疑問で埋め尽くされたまま待合に戻りました。

    待合を見渡すと、看護師さんと真剣に話す患者さんや、検査着に着替えて待ってる患者さん、心配そうに夫婦で来てる患者さん。家族総出の患者さん。いろいろな人がいます。

    そんな中、私の目の前に1人で来ていた年配の患者さんが座っていて、その方のもとへ看護師さんが来ました。

    すると私と話す時よりも大きな声で、しかも患者さんの耳元で会話を始めました。

    ん?そういう事か!?
    年配の人も多いから音が気にならないのか?

    ……いやいやそんなわけないか(笑)

    若い中学生ぐらいの女の子もいる。

    きっと私みたいに機械の音がどうだとか、そんなことよりも、放射線のことや今後の治療について気になることを先生に聞いてるんだな〜と思った。

    つくづく自分はズレてるなと(笑)

    そんなこんなで初回の放射線治療が終了しました。

    ……下痢はあるものの、向こう2週間くらいは順調に治療が続き、「いけるじゃん、私!」
    と調子に乗っていた矢先。

    ここからが本当の戦いでした。

    特に私はリンパ節を取っているので、膀胱訓練もやったが、尿意というものがほとんどありません。

    その私が、膀胱に尿が溜まっているかどうかなんて判断できるわけもなく。

    「なんか溜まってる気がする…?!」
    のオオカミ少年状態。

    これに振り回されて徐々に精神を蝕まれます。

    しかも放射線治療を受けていたのは夏で、汗で水分も出てしまう。そのうちに、家を出る前のコップ1杯の水じゃ尿が溜まらなくなり、2杯飲んだり、しまいには出発前にトイレに行くのをやめたりしました。

    それでもダメだと待合で1時間以上水を飲みながら、尿が溜まるのを待つこともありました。

    「もう、いや!」

    「帰りたい」

    「まだ?だめ?」

    そんな試行錯誤の28日間。

    口には出しませんでしたが、心が叫んでいました。
    尿意ゼロの私には難易度が高すぎた。

    それでも毎日毎日、通い詰めた。

    毎日だいたい時間も同じなので、同じような顔ぶれとはち合わせることになります。

    そうすると何となくその人の事情が分かってきます。
    がんの種類も治療方法も人それぞれなんだなーと考えさせられました。

    ガラガラと点滴をぶら下げ、入院着で看護師さんに付き添われながら来る人もいました。
    放射線+抗がん剤治療をセットでやってる方かな。

    そんな人たちを見ていると、私なんていい方でこんな事で挫けてはバチが当たると思い、思考回路を遮断してひたすら無で通いました。

    そんな中1つだけ決めていたことがあります。

    最終日は必ず上下赤の服で、めでたくお祝い気分で締めくくりたい!(笑)
    これだけを目標にしていました。

    私は、洋服からパワーをもらうことが多く、何をするにも、どこに行くにも「何を着よう?」から始まります。

    きっと前世はバキバキの甲冑に身を包み、完全装備で戦に出ていたのではないか?と思うほどです(笑)
    好きな物を身にまとうと、無敵になった気分でテンションが爆上がりします(笑)

    あと3回…

    あと2回…

    ラストーーーーーー!!

    病院に金髪ボブで上下赤の戦闘服の女が降臨。
    記念撮影でもするべきだったか?(笑)

    とうとうその日がやっと来ました!

    看護師さんたちにもこの話をしていたので、先生や看護師さん、受付の医療事務の方、みんなとアイドルのハイタッチ会でもするかの勢いで、

    「今日、最終日でーす!」
    「やっと終わります」
    「ありがとう!」

    と、みんなとハイタッチ。

    何事か?と非常識に思った方もいるかもしれません。
    でも、何とか楽しもう、乗り切ろう、こうでもしないと精神がもたないんです。

    どうかお許しを。

    こんな私に付き合ってくれる、患者に寄り添う優しい医療従事者のみなさん。そのおかげで何とか28日間乗り切ることができました!!

    ありがとう!!

    でも、もう二度とイヤです(笑)

    第11章:あとがき

    そんなこんなで、いろいろな体験をし、いろいろなミッションをこなし、リハビリも兼ねてと下のコンビニに入り浸ったり、Netflixで韓ドラを観たり、韓国アイドルのライブを観たり、switchでゲームをやったり、とくに食事制限はなかったので、アイスやお菓子…。

    なんとも小学生の夏休みのような、ただただ自分の好きなことだけをして過ごしました。

    「あれ?どこ行った?」
    と看護師さんに探されたり、

    診察にきた女医先生も、
    「この病室にくると元気でるわー」と言われる始末でした。

    入院ってこれで正解だよね?(笑)

    かれこれ術後1年経ちますが、いまだに尿意はほとんどなく、膀胱炎になったり、放射線後のひどい下痢も思い出したかのように突然あったり、遠出が不安な時も多々あります。

    1ヶ月に1回の血液検査、尿検査、半年に1回の造影剤CT。これを10年間。

    まだまだ道のりは長く終わりではありませんが、私はとても元気に生きてます!!
    人生って案外こんなテンションで極限を通過するものだと体感しました。

    これを読んで、手術や入院、がんに対する恐怖心が少しでも和らいで、「病は気から」精神で少しでも、笑いや笑顔が増えることを願っています。

    「ガーン!」と言った日から、全部ネタになった。
    そんな私の生存報告いかがだったでしょか?

     
     

    Oshinitodoke

     
     
    推し活初心者が書く、熱量だけはMAXのライブレポ! 「Oshinitodoke(推しに届け)」夢見てます(笑) 初心者ゆえにテンションが迷子になり、 感情が暴走したりしますが… 悪気は一切ありません! ただ、ただ楽しんで書いてます💚 ①から順番に読むと成長が感じられます♡

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