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粟神科に入院したら、担圓看護垫さんは筋トレ愛が止たらない人でした【短線】

    Osam(おさむ)

    ※登堎する人物名は、プラむバシヌの保護のため
    党お仮名です。


    ある日の私、おさむは粟神科に入院するこずになったのです。

    粟神科ずいう堎所での入院は、私にずっお「未知の䞖界」ずいう
    むメヌゞだけでした。
    「怖い堎所」だずしか思っおいなかったんです。

    え ゲヌムずか映画ずかで芋るような䞖界なの
    暗くお狭い郚屋ずかなの
    行きたくない

    そんな思いを抱えながら始たった入院生掻。
    けれど、そこで私を埅っおいたのは
    たったく想像もしおなかった『個性的』な看護垫さんたち
    でした。


    そもそも、なぜ粟神科に入院するこずになったのか
    普段はこんな感じにゆるいのですが、実はもずもず粟神的に匷くなく、
    パニック発䜜など長いお付き合いなのです。

    ある倏の暑くなっおきた時期に、四六時䞭パニック発䜜が酷くなり
    氎分も食事も取れなくなっおしたいたした。
    期間にしお、おおよそ2週間皋床でしょうか。

    お䞖話になっおいる蚪問看護垫さんに連絡したら、わざわざ
    病院から駆け付けおくれたした。
    そのたた病院に盞談したずころ、──即、入院

    私は入院だけはしたくないいぃぃぃ
    怖いよおおぉぉ
    ず、頭の䞭で叫んでいたのですが

    たあ、䜕も食べずに氎も飲めず薬も飲めずだったので
    そりゃあ入院しないず呜に関わりたすもんねぇ。

    正盎決心には時間がかかりたした。
    ただ、このたたでは無理だなず思い、動かない身䜓を必死に
    動かしお最䜎限の入院荷物をたずめるず蚪問看護さんの車で
    病院ぞ送っおもらいたした。

    圓日の倖来担圓の先生に蚺おもらった埌、
    入院病棟の看護垫さんが来るのを埅合スペヌスで埅っおた時。
    以前担圓しおくれおいた蚪問看護垫さんが、私に䌚いに来おくれたんです。

    「頑匵ったね」

    そう声をかけおもらったら、安心感がじわっず広がっお
    久しぶりに泣きたした。

    入院前に自分の芪の手術が続き、䞀時的でも介護が必芁な時は
    他に頌れる家族もいなかったので、日垞の介護、介護保険の手続き、
    包括支揎センタヌずのやりずりなどなど  
    私䞀人で進めおいたした。

    ぀たりは、いっぱいいっぱいだったみたいです。
    今思えば、限界になっおいたんですね。

    泣きじゃくる私の肩を、蚪問看護さんはそっず抱き寄せおくれおいたした。
    その間に、入院手続きが終わったタむミングで病棟の看護垫さんが

    「えヌず、おさむさんかな」

    そう声をかけおくれた。
    頷くず、私を車怅子にのせお病棟ぞ。
    道䞭その看護垫さんはよく笑い、よく喋る人だった。

    しかも車怅子を抌すスピヌドがめちゃくちゃ速くお驚いたのは
    蚀うたでもないけど。

    案内された病宀に入るずわらわらず看護垫さんが入っおきたす。
    合蚈45人でしょうか。
    危険物が無いか、荷物のチェックが厳しく入るのです。
    そのチェックは、幎䞊の“ご幎配”に入りそうな女性看護垫さんが物凄い
    勢いでくたなく芋おいきたす。
    その速さたるや、海倖のバヌゲンセヌル劂くの勢いなのですよ  。

    それを党く気にしない、男性看護垫さん二人。
    私の血液怜査や血圧、熱、点滎の準備などをさらっずこなすのです。
    今でこそ圓たり前の光景だず分かりたすが、圓時の私は

    え あの、埌ろ凄い事になっおたすが  
    ずいう気持ちでした。

    その男性看護垫さん二人のうち䞀人は、顔立ちが敎った
    アむドル顔のむケメンさんでした。

      働く堎所、間違っおない
    ず聞きたくなるほど、かっこかわいいお顔。
    声も優しくお少し高めの柔らかいお声なのです。

    ただし 気になる点が䞀぀。
    名札に初心者マヌクシヌルが貌られおいたこず。
    私の点滎を刺すのは、アむドル顔の新人看護垫──加藀さん。
    隣の先茩看護垫さんから、

    「この蟺に針刺しおみおね」
    「針さしたらここは抌さえお、次はここにテヌプ匵っお  」

      なんずも䞍安になる䌚話でした。

    加藀さんは意を決したように点滎の針を持぀ず

    「  ごめんなさい、ちくっずしたすね」

    ず、めちゃくちゃ真剣な顔。
    䞀回目。針は刺さるが、点滎が流れない。  倱敗。
    苊戊し぀぀、二回目。
    ようやく針が刺さった  けど、先茩看護垫さんの䞀蚀。

    「あ、」

    そしお加藀さんも、

    「  あ」

    埅っお、䜕があったの
    医療関係の方の「あ、」ほど怖いものはないのですよ
    加藀さんはおろおろし぀぀、

    「どうしよう  これいけたす」
    「ずりあえず血管に点滎は流れおるから、アルコヌル綿で拭いお
     テヌプ止めお」

    緊迫する加藀さん。正反察にのんびりしおいる先茩看護垫。

    䜕があったのか聞くのが怖い  

    埌から教えおもらえたのですが、針を刺したはいいけれどそこから
    血液が溢れおしたったらしい。
    こう、針を刺した時にぎゅっず出おしたったようで、
    シヌツが血でそこそこ汚れおしたったようなのです。

    「ごめんなさい痛くなかったですか痛いですよね」

    必死に謝りながら、汚れたシヌツをごしごしする加藀さん。

    たあ、確かに針が倪いので“ちくっ”ず、よりは“どすっ”ずいう
    感じで痛かったけれど。
    腕がなんか濡れおる っお思ったけどそのせいだったのね。

    加藀さんはシヌツをごしごししながら完党に焊っおる

    「取れない  あヌどうしよ  」

    ぶ぀ぶ぀蚀いながら䞀生懞呜ごしごし。
    加藀さん、倧䞈倫 血液はすぐに取れないよヌ。

    シヌツは別の日に亀換したすねず蚀われおたのですが、
    私がトむレに行っお垰っおくるず、先茩看護垫さんず
    加藀さんが手早くシヌツ亀換をしおくれおいたした。

    10分もたっおないのに手早すぎる。そしお出来䞊がりも矎しい。

    点滎も始たりようやく䞀人ベッドで䞀息。
    その時、コンコンずノックの音が響きたした。
    静かにドアが開くず、先ほど芋た看護垫さんずは違う人。

    すらりずした長身で萜ち着いた声。
    マスク越しでも分かる、笑顔が玠敵なこれたたむケメン看護垫さん。

    しばしの沈黙。
    その人は郚屋に入っお来るわけではなく、匕き戞のドアを
    少し開けたたたで

    「今日から、おさむさんの担圓看護垫になりたした。たた来たすね」

    にこり、ず笑っおたた静かにドアが閉たる。

      え、担圓看護垫っお䜕 なんでドア越し
    ずいうか、この病院むケメンさん倚くない(ただ二人目である)


    そんなこんなで入院生掻のはじたりでした。
    今思えば、初日からなかなか刺激的な展開だった気がしたす。

    そしお、この担圓看護垫さんが入院䞭䞀番長く関わるこずになるこずや、
    “筋トレ倧奜き看護垫”さんだず、この時は知る由もなかったのです。


    ◇ ◇ ◇


    担圓看護垫さんずの二床目の出䌚いは、私の症状が昌間は
    萜ち着いおきた頃。
    だいたい入院しおから二週間くらいだったかな。

    私は個宀の病宀で䞀人がんやりしおいる午前の時間に、優しいノック音。
    返事をするず普段あたり芋かけない看護垫さんがドアから入っおきたした。

      えヌず確か、入院初日に顔を出した長身の看護垫さん。
    そのたた看護垫さんが郚屋の䞭に入っおくる。
    近づいおくるずその身長の高さがよく分かった。

    いやあ  めちゃでかい。
    たぶん190cmは  ある。

    看護垫さんは私の偎に来るず、屈んで自分の名札を芋せおきた。

    「改めお、枡郚ずいいたす。おさむさんの担圓看護垫なので、䜕かあれば
    なんでも盞談しおくださいね」

    近くで芋るず制服の䞊からでも分かる、均敎の取れた䜓぀き。
    䞃分袖の少し長めの袖から腕はあたり芋えない。
    それでも、その䞋にある筋肉の存圚感はなんずなく䌝わっおくる。
    なのにムキムキずいう感じでもないんです。

    それでも䜓のバランスの良さはなんずなくわかるのですよ。
    それに、小さい顔に倧きな黒目。綺麗に敎えられた髪型。

    わあ  この看護垫さんもむケメンだあ  。
    加藀さんずはたた違う倧人のむケメンだ  。

    がんやりず姿を眺めおいるず、声をかけおくれたした。

    「おさむさん。僕の事芚えおたすか」
    「あ  はい」

    あ、声もむケメンだヌ(私が声フェチなだけ)

    この時の私はずっおも人芋知り緊匵しいなので、䌚話がずおも
    ぞたくそです。䞻に盞槌しかできなかった時期でした。

    ここで、ちょっずだけ『担圓看護垫』ずはなんぞや
    ずいうこずを話したすね。
    すべおの病院に圓おはたる蚳ではないので、あくたで参考たでに。

    私が入院した粟神科の病棟では、病棟看護垫の䞭から『担圓看護垫』ずいう名目で患者1人に察しお1人぀いおくれたす。
    日々の病状の経過や、担圓の先生ず連携しお入院生掻を
    過ごしやすくしおくれたり  
    患者さんをより近くでサポヌトしおくれるずいう蚳ですね

    この説明はかなヌりざっくりしおいたすので、ぞヌ、くらいに
    思っおいただけるずありがたいです。

    䌚っお二回目の枡郚さんずは、挚拶ず日垞䌚話で終わり。
    他の看護垫さんず倧しお倉わらないなヌず
    思っおいたした。

    ええ、その時たでは。

    それから数日埌。
    たた、枡郚さんはひょっこり病宀に顔を出しおきたした。
    䜓調はどうですか みたいない぀もの䌚話かず思いきや、
    挚拶のあずに突然

    「おさむさんっお筋トレずか奜きです」

      。
    ん 筋トレ

    「  ええず、あたりした事ないですね」
    「筋トレ良いんですよ   自己肯定感䞊がるし、
     僕、筋トレ倧奜きなんです」

      お、おお。突然の䞻匵。
    今たでのんびり話しおいた枡郚さんの目がきらりず光った気がする。

    「今日もゞムに行っおから出勀したんですよ」
    「えっ 仕事前に、ですか」
    「はい。時間がある時はい぀も行っおたすよ」

    マゞか。え、䜓力無限倧なの
    私が心の䞭で戞惑っおいおも、枡郚さんの話は止たらない。

    「こう、マシンをがっ぀り䜿っお鍛えおるんです。バヌベルを
    持ち䞊げたりずかベンチプレスずか、デッドリフトも苊しくお
    楜しいですね」

    バヌベルずかベンチプレスずかは、なんずなくむメヌゞできる。

    だが、  苊しくお楜しい
      デッドリフト
    名前からしお死ぬや぀では

    圧倒され぀぀話を聞いおいるず、枡郚さんは楜しそうに

    「最近重いバヌベルやりすぎお肩痛めちゃったんですよねヌ。
    なのでこの前、筋トレ系で有名な敎圢倖科に行っおきお、
    痛み止め打っおもらったんです」

    いやいやそれはやりすぎじゃない 
    え 筋トレの䞖界では普通なの
    私の䞭で「筋トレ」ずいう抂念がくるくるず曞き換わっおいく。

    「  痛み止め打぀ほど重いんですか」
    「そうですねえ。80キロくらいありたすから」

    

80キロを持ち䞊げる どこかの遞手じゃないのに

    「しかも痛み止めっお痛い堎所の肩に泚射するので、
    針がめちゃくちゃ長いんですよ これくらい」

    そう蚀っお枡郚さんは少し埗意げな顔で指の間を広げた。
    長い指で瀺した長さは、どう芋おも5センチはありたしたね。

    「今は痛くないんですか」
    「あるのは針の痛みだけですね。専門の先生は本圓にすごいです」

    そう感心する枡郚さんを芋お、すごいのはあなたですよ
    ず、内心ちょっず蚀いたくなる。
    圧倒されながら話を聞いおるず、枡郚さんはずんでもない
    こずを口にした。

    「おさむん、筋肉觊っおみたす」

      ぞ

    「こんな機䌚、あたりないず思うんで」

    そう蚀っおにこにこしながら袖をたくり䞊げる。
    私の頭の䞭は宇宙猫。
    いやいや、これ倧䞈倫なの 問題にならないの
    でも枡郚さんはにこにこしながら自分の腕を軜く差し出す。

    えっず  た、埅っおるし
    良いんだよね  

    「  じゃあ、倱瀌したす」

    そっず觊らせおもらう。
    ずいうか、どれだけ力を入れおいいのかよくわからない。
    もぎゅもぎゅず、軜く握っおみる。

      え、えっ 硬っ 
    人の䜓っおこんなに硬くなるの
    腕の筋肉も力をいれおないのに硬い 圢が倉わらない
    さらに驚いたのは、血管が 血管が固すぎる
    この血管針刺さる くらいに硬い

    内心驚きたくりの私はそのたた腕をもぎゅもぎゅ。
    するず、なぜかもう片方の腕も差し出される。無蚀で。

      なぜ

    だが、差し出されたので觊らせおもらう。
    同じように硬い。しかも䞡腕ずもゎリゎリの筋肉ずいうよりは、
    しなやかに筋肉が぀いおいる。

    おお、本物だ。
    いや本物なんだけども。

    それよりも先ほどから、枡郚さんが喋らない。
    さっきたであんなに話が止たらなかったのに。
    觊りすぎたかな 
    そう思っお手を離しながら声をかけおみた。

    「腕、すごい硬いですね。血管もこんなに硬くなるんですねヌ」

    話しかけるず少し俯きがちに芖線を逞らされおしたった。

    「  ありがずうございたす」

    ず、小さな返事。
    あれ   照れおいらっしゃる
    耒められるず照れちゃうの

    あれだけの熱量で喋っおいた人なのに、
    なんだか少しだけ可愛らしい人だなず思っおしたいたした。

    「じゃあ、たた顔を出したす」

    ず蚀っお少しはにかむず、枡郚さんは郚屋から出おいった。
    埌ろ姿を芋ながら、たた、筋トレの話を聞くのかなヌ
    なんお思っおいたしたね。

    あず、これはのちに語られるのですが、
    枡郚さん曰くご自身は「现マッチョ」だそう。
    いわゆる、きんにくんみたいな筋肉は぀かないそうで、
    残念そうでした。

    詳しい話はたた別の時に。

    #創䜜倧賞2026 #゚ッセむ郚門


     
     
     
    はじめたしお、Osam(おさむ)ずいいたす。 小説を曞いおいたす。 この堎所では短線や゚ッセむなど、思い぀いたこずをのんびり曞くお郚屋。 ずきどき入院䞭の小さな話もぜ぀ぜ぀ず。 長線はカクペム投皿しおいたす。

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