守っていたつもりで、守られていたんですね
先日の次男の命日の朝、
一通のLINEが届きました。
送り主は、
次男の同級生だった男の子のお母さん。
「今年も、9月のこの日を
迎えることになりましたね」
そんな言葉に続いて、
次男の冥福を祈ってくださる言葉が
綴られていました。
その男の子と次男は、
小学生の頃、サッカーをはじめたことが
きっかけで知り合いました。
同じグラウンドでボールを追いかけ、
わが家に泊まりにも来たり。
意気投合して、
仲良くなったふたりでした。
でも、
1か月後に迎えるはずだった
20歳の誕生日を前に、
その子は交通事故で亡くなりました。
次男が亡くなる、4年前のことです。
その子の命日は、9月25日。
次男の命日は、9月13日。
同じ9月のなかに、
そんなふたりの命日があります。
その子の七回忌には、
供花と供物を持って、お線香をあげに
行かせてもらいました。
そして、次男の初盆や一周忌、
三回忌には、そのお母さんもわが家を
訪ねてくださいました。
それぞれに日々の暮らしがあって、
交わす言葉も決して多くはないし、
頻繁に会うわけでもありません。
今回も、LINEでほんの少し、
近況や他愛ない言葉を交わしただけで、
特別な話をしたわけではありません。
それでもあの頃、
同じグラウンドでボールを追いかけていた
ふたりの姿を知る人と、
今もこうしてつながっている。
そのことを、
わたしはとてもうれしく思っています。
9月になると、
お互いの胸の奥にいる息子のことを思い出す。
そして、今年も覚えていてくれたこと。
LINEの画面に書かれた次男の名前を
見ながら、
そのことが、
ただ、うれしかった。
人は亡くなっても、
その人を覚えている誰かのなかに、
生きていた時間を残しているのかも
しれません。
そして、
誰かが覚えていてくれることは、
残された人のこころにも、小さな灯りが
ともることがありますね。
こんにちは。
おさゆです。
わたしは長い間、
「誰かのために」と生きてきました。
共依存という言葉を知ってからは、
自分を後回しにしてきたこと。
誰かの問題まで背負おうとしてきたこと。
そんなことを少しずつ、
振り返るようになりました。
「わたしが、なんとかしなくては」
そう思うたび、
自分の気持ちは置き去りになり、
いつの間にか、自分以外の誰かが、
わたしの人生の中心になっていました。
でも今、過ぎてきた時間を見つめると、
それだけではなかったと思いました。
シングルで二人の息子を育てていた頃の
暮らしには、いつも余裕がありませんでした。
仕事を終え、
夕飯の支度をして、
洗濯物を片づける。
明日のことを考えながら、
眠っている息子たちの顔を見る。
そして朝がくれば、
また起きて、
支度をして、
それぞれの一日を送り出す。
自分のことなら、
もうどうでもいいと思えた日にも、
子どもたちの暮らしを投げ出すわけには
いきませんでした。
今日のご飯をつくる。
明日の支度をする。
働いて、家へ帰る。
その繰り返しが、
わたしを現実の暮らしにつなぎとめて
くれていました。
「子どもたちを守りたい」
その思いは、
ときにわたしを無理へ向かわせ、
自分のことを後回しにもさせました。
でも同時に、
朝になれば布団から起き上がり、
また一日を生きる力もくれたんです。
「子どもたちのために」と思っていた
日々のなかで、
わたし自身も、
生きる場所から離れずにいられた。
わたしが息子たちを守っている
つもりでしたが、
ほんとうは、
息子たちの存在に支えられてきたんです。
誰かのために生きようとしたことは、
すべて間違いだったわけではなかった
ようにも感じています。
人を思いやれること。
痛みに気づけること。
大切な人を守ろうとすること。
それは、自分を後回しにする苦しさへ
つながることもありました。
でも同時に、
わたしを今日まで運んできた
力でもありました。
苦しかった生き方のなかにも、
今日のわたしへ連れてきてくれた力。
だから、共依存からの回復は、
これまでの自分を否定することでは
ないんだと思います。
誰かのために差し出してきたその手を、
ときどき自分の胸にも当ててみる。
誰かのために生きてきた自分を、
責めなくてもいいのかもしれません。
ただこれからは、その「誰か」のなかに、
自分も入れてあげる。
ずっと誰かを守ろうとしてきたその力を、
自分にも向ける。
あの頃のわたしも、
わたしなりの歩幅で、
今日へつながっているひとりです。
9月の朝に届いた短いLINEは、
次男が生きていたことだけじゃなく、
あの頃のわたしもまた、確かに生きていた。
そんなことを思い出させてくれました。
今日も最後までお読みくださって
ありがとうございました。
こころから感謝を込めて。
おさゆ
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援いただけるととても嬉しいです!いただいたチップは、クリエイターとしての学びに使わせてせていただきます。