それ、本当に“あなた”が選んだ?

平気な顔のまま、
少しずつ自分から遠くなっていくことがある。

これ、本当に自分で選んでるのかなって、
ふとした瞬間に思う。

ちゃんと笑えているし、
ちゃんと返事もできているし、
ちゃんと周りに合わせられている。

だからきっと、
何も問題はないように見える。

でも、
ふとした瞬間に思う。

これって、
本当に自分が選んでいるのかな、って。

誰かに嫌われないように、
空気を壊さないように、
“ちょうどいい自分”を選び続けた結果、

気づいたら、
本当の気持ちがどこにあるのか、
分からなくなってしまうことがある。

それでも人は、
そのまま進んでいけてしまう。

平気な顔をしたまま、
何もなかったように。

でも本当は、
何もなかったわけじゃない。

ちゃんと違和感があって、
ちゃんと小さな我慢が積み重なっていて、
ちゃんと、自分を置いてきている。

誰にも気づかれないまま、
自分だけが気づいているその感覚は、
決して間違っていないと思う。

むしろそれは、
まだちゃんと“自分”が残っている証拠だから。

今の時代は、
なりたいものも、正解も、
すぐに目の前に並べられる。

だからこそ、
知らないうちに“誰かの正しさ”を生きてしまう。

でも、
本当に大切なものは、
そんなに外側にはない。

もっと静かで、
もっと曖昧で、
もっと言葉にしにくい場所にある。

思い出すと、
少しだけ呼吸が楽になるような、

理由は説明できないのに、
「これがいい」と思えてしまうような、

そんな感覚の中に、
ちゃんと自分はいる。

人は、
完璧じゃなくても、
誰かに合わせきれなくても、

存在しているだけで、
もうすでに奇跡みたいなものだと思う。

ここにいることも、
今この瞬間を感じていることも、

当たり前じゃなくて、
ちゃんと特別なことだから。

だからもし今、
少しだけ自分が遠く感じているなら、

無理に変わろうとしなくていい。

取り戻そうとしなくても、
もともとそこにあるものだから。

ただ、
少しだけ立ち止まって、
自分の呼吸に気づくだけでいい。

ちゃんと戻ってこれる。

あなたは、
どこにも行っていない。

ただ、少しだけ周りに合わせすぎていただけ。

#創作大賞2026 #エッセイ部門
#共感

いいなと思ったら応援しよう!