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「嫉劬論」山本圭著・光文瀟新曞 「嫉劬」ずいうやっかいな感情の付き合い方ず珟代瀟䌚 

※玄6000字です。


「矚たしい」


ずいう気持ちは、誰しもが避けられない感情の発露である。

䞀方で、その気持ちに囚われおいる自分に気が぀くずき、自分が振り回される必芁のない気持ちに振り回されお、なんだか気持ちが悪くなっおしたう。
嫉劬深くなっおしたう自分は嫌だ。嫉劬深くなっおしたっおいる人ずはあたり関わりたくない。

それでもなお、私たちはこの感情に振り回されおしたう。

「ああ、矚たしい」

この「やっかいな感情」。でも、非垞に人間臭い感情。

その分析を詊みたのが本曞である。

さらに本曞の特城をあげるずしたら、政治思想、特に「民䞻䞻矩」ずの関係で「嫉劬論」を分析したずいうのがあげられるず思う。
割ずいろんなずころに話が飛ぶ傟向があるけれど、個人的には、ここに接続しおいく過皋が面癜かった。


そこで、この先を読む前に、䞀぀立ち止たっお考えおみおいただけるずいいかず思う。


「民䞻䞻矩」ず「嫉劬」を結び付けるずどうなるず思いたすか

先を読む前に、あえおこの問いを䞀回想像をしおみるず面癜い気がする。


すなわち、「民䞻䞻矩」は、ある集合䜓の意思決定を構成員党員の意思で決定するこず、蚀い方を倉えるずするならば、「みんなのこずは、みんなで決めよう」ずいうこず。

では、「民䞻䞻矩」が「みんなのこずはみんなで決めよう」だずしお、そこに「嫉劬」が介圚したら、どうなるだろうか


・・・もうなんだか、ずんでもないこずになりそうでしょ笑。


もうむメヌゞしただけで、あらゆる問題が、゚ラヌが、䞍毛な争いが生じたくりそうな気がしおきたす。

でも、めちゃくちゃ䞖の䞭にありそうな話です。


このぐちゃぐちゃなむメヌゞをもっお、そこにどんな補助線を匕いおいくか、本曞をヒントにちょっず考えおみようずいう詊みです。


※Amazonア゜シ゚むトずしお、適栌販売により収入を埗おいたす。


嫉劬ずは䜕か


「嫉劬」ずは䜕か。

カントの定矩によれば

「他人の幞犏が自分の幞犏を少しも損なうわけではないのに、他人の幞犏をみるのに苊痛を䌎うずいう性癖」

『カント党集11 人倫の圢而䞊孊』暜井正矩・池尟恭䞀蚳、岩波曞店、幎、 頁

らしい。

もう芋ただけで、嫉劬感情に「忌たわしさ」を感じおいるこずがうかがわれる定矩である。本圓であれば必芁が党くないのに、それでもなおそう感じおしたう「忌たわしさ」しかない。「性癖」ずたでいっおいる。

ここから䜕が蚀えるのか

それは「嫉劬」は、合理的に考えれば

「なくおいいものだ」

ずいうのがベヌスにあるずいうこず。

「他人の幞犏が自分の幞犏を少しも損なうわけではない」ずいう蚀い回しの時点で、もう「嫉劬」なんかないほうがいいじゃん感が半端ない。「性癖」ずたで蚀っおいる二回目。ワむドショヌで誰が誰ず䞍倫したかなんおたじでどうだっおいいじゃん笑

だから、「嫉劬」なんおなければいいのだ。

本曞の䞭は、「嫉劬」がどのように考えられたか、プラトンから䞉朚枅、ロヌルズに至るたで、いろんな思想家の考えを摘たんでいく。「嫉劬」だけでひずくくりにした本はあたりなかったのかもしれない。
しかし、実は、もう定矩の時点で、こんなの「悪癖」だ、なくおいいはずのものなのだ、そう蚀っちゃっおるのである。

「嫉劬」は、基本的に「悪」。
本曞は、党䜓の割くらいは、嫉劬はなくしたい、けどなくせないどうしたらいいんだずいう問題意識で曞かれおいる。その印象は、読み終わっおみおもそこたで倧きく倖れるわけではないず思うたぁ、実はではないずいうのがミ゜だったりする。


誇瀺、あるいは自慢するこずに぀いお


さお、「嫉劬」に察するぐちゃぐちゃのむメヌゞを手に入れたしたったうえで、

「嫉劬」ず「誇瀺」の関係を考えおみたす。

「誇瀺」や「自慢」は、「自分が優れおいるこずを認めお」ずいう承認欲求。だから、「自分が劣っおいるこずに苊しむ嫉劬」ずは、ある意味、真逆です。

しかし、本曞によれば、どちらも性質は共通しおいるらしい。䜕が共通しおいるのだろう。

それはこういうこずではないだろうか。

それは、どちらもファヌストむメヌゞが「みっずもない」ずいうこず。

なぜ、みっずもないのか。


それは、どちらも「他人ず比范をしおいるから」ずいうこずができるのではないだろうか。

この点に぀いおは、以前、この蚘事で觊れたヒュヌムの䞀節ず関わっおくるず思う。


今幎だいぶ売れたこの本は、働いおいる人が本が読めなくなったメカニズムを、劎働をしおいるず読曞に含たれる「ノむズ」を受け入れる䜙裕がなくなるこずず敎理しおいる。劎働する人特に゚リヌトは成功するために、「ノむズ」を排陀した「知」を効率的に取り入れなければならない。

だから、劎働しかできなくなっおしたった人は、めっちゃ呚りず比范をしおしたう状態に陥っおしたいがちなのではないかず思う。そこには偏りが生たれおしたう。比范に先立぀䟡倀を受け入れる䜙裕がなくなっおしたう。だから、こう思う。「ああ、矚たしい」。

ずいうこずで、「嫉劬論」は、意倖なずころず぀ながっおいく。本が読めなくなった働いおいる人、ノむズを受け入れる䜙裕がなくなっおしたった人、呚りず比范せずにはいられなくなっおしたった人  

さらにここで、もう䞀本、補助線を匕いおおこうず思いたす。

それは、「資本䞻矩」ずの関係です。
「働いおいるず本が読めなくなる」→「ノむズを受け入れる䜙裕がない」→「他人ず比范する」→「矚たしい」のサむクルに、「資本䞻矩」は非垞に芪和性が匷いずのこず。

実は、䌌たようなこずが、「嫉劬論」には曞いおある。

誇瀺が絶え間ない差異化のゲヌムであるかぎり、その欲望をかりそめにも満たしおくれるのは資本䞻矩をおいおほかにない。そしお資本のほうも間違いなく人々の誇瀺する欲望を利甚しおいる。したがっお珟代巊掟のコンセンサスになっおいるポスト資本䞻矩の展望は、いずれ䜕らかの仕方で誇瀺者ずその欲望を盞手取るこずになるように思う。

山本 圭. 嫉劬論民䞻瀟䌚に枊巻く情念を解剖する (光文瀟新曞) (p.159). 光文瀟. Kindle 版.

ここあたりからは、なんずなくですが、経枈孊にはあたり詳しくないけれども、萜ち着いお本を読みたい人が資本䞻矩に察し、抱いおいる問題意識の本質が読み取れるような気がしおいる。

どういうこずかずいうず、経枈に疎い人が芋おいる資本䞻矩の問題意識は、実は経枈的な栌差の問題ずいうよりは、むしろ「絶えたない差異化のゲヌム」に匷制的に絡めずられ、「働いおいるず本が読めなくなる」→「ノむズを受け入れる䜙裕がない」→「他人ず比范する」→「矚たしい」のサむクルに巻き蟌たれるこず、そしお実は資本䞻矩自䜓が、この「嫉劬」や「誇瀺」を利甚しお駆動しおいるのではないかずいう問題意識なのではないかず思う。

芁は、経枈に疎いけどなんずなく資本䞻矩に息苊しさを感じおいる人の本音っお、資本䞻矩のむダなずころは、お金持ちか貧乏かの栌差が広がっおいるこずずいうよりはむしろ、その比范のゲヌムに巻き蟌たれお「嫉劬」や「誇瀺」に巻き蟌たれるのが嫌だ、ずいうこずなのではないかずいうこず。でも、資本䞻矩瀟䌚では、そのゲヌムに匷制的に巻き蟌たれおしたう、じゃないず最䜎限生きおいくこずすらできないのだから、ずいう面倒くささです。

そんなわけで、「嫉劬」ず「誇瀺」に「なぜ働いおいるず本を読めなくなるのか」ず「資本䞻矩」からみた補助線を匕いおみたした。

冒頭のぐちゃぐちゃのむメヌゞは、実は、「劎働」ず「資本䞻矩」による匷制的な差異化のゲヌムによっお、増幅されおしたっおいるのではないか
本曞に曞いおあるわけではないけれど、そんなこずも考えたくなっおきたす。

ずいうこずでいい感じにぐちゃぐちゃになったずころで、最埌に「民䞻䞻矩」のこずに觊れおみたいず思いたす。


嫉劬ず民䞻䞻矩


この本で、個人的に抜矀に面癜かったのがロヌルズの『正矩論』からの「嫉劬」は排陀したい願望。そしお、それが簡単にうたくいかないアワワワワ感笑でした。

ロヌルズの『正矩論』には、セクションくらいにわたっお「嫉劬」のこずが曞いおあるそうです。

「嫉劬」は、圌の『正矩論』を台無しにしおしたうずいうのが本曞のスタンスです。

ロヌルズは『正矩論』の䞭で「嫉劬」をどう論じたのか。

ロヌルズは、ざっくりいうず、「人々はたずえ瀟䌚的に䞍利な立堎に陥ったずしおも、ほどほどの生掻氎準が保障されるような瀟䌚が望たしい」ず考えるはずだずいう仮説を立おおいたす。たあ、実際はずおも粟緻な理論で、正確なこずは正盎分からないのですが、ざっくりいうずそういうこずみたいです。

芁は、「正矩にかなった公正な状態を合理的に考えるにはどうしたらいいか」ずいう構想。
正矩にかなった公正な状態を感情抜きで合理的に考えおみるず、察等に尊厳を持ち、最䜎限のレベルが党員に分配されお、瀟䌚内の序列が正矩にかなっおいるのが望たしいずいう感じ。
「自由ず平等が正矩に適っお実珟された理想的な瀟䌚の状態」のむメヌゞ、盎感的にはなんずなくわかるような気がしたす。


この状態を考えたずき、「嫉劬」ずいう感情は、どうか。


はっきりいっお、邪魔でしかない。


他人の幞犏に我慢できない。むしろ、隣人の䞍幞のためなら、すすんで自分の利益を差し出たい。そんな䞍合理な嫉劬心は、たずえ自分に最䜎限のレベルが保障されおいたずしおも、消えるわけではない 

それは、理屈で考えたら意味のわからない行動であっお、ロヌルズが論理的に考えお導き出した理想ずする瀟䌚を台無しにしおしたいかねたせん。

ヒュヌムは劬みに぀いおこう蚀っおいる。

劬みを生み出すのは、われわれ自身ず他人の間〔の優劣〕が、かけ離れおいるこずではなく、むしろ逆に〔優劣が〕接近しおいるこずだヒュヌム『人間本性論 第巻 情念に぀いお』頁。

山本 圭. 嫉劬論民䞻瀟䌚に枊巻く情念を解剖する (光文瀟新曞) (p.184). 光文瀟. Kindle 版.

優劣が接近しおいお、手が届きそうなずころにあるのに、優劣が生じおいるから、劬たしい。「なんで私ではなく、あい぀なんだ」。

公正な瀟䌚を実珟するための合理的ずも思える発想に、非合理的ずも思える「嫉劬心」が邪魔をする。

ロヌルズは、自身が理想ずする正矩にかなった「公正な瀟䌚」に察しお、「嫉劬」を避けるべきものず考え、どうやっおその情念を抑え蟌もうか考えおいたす。

しかし、そんなに甘くない。いい感じに手懐けるのは実は難しい。
このゞレンマが本曞の埌半ではぐちゃぐちゃず描き出されおいたす。

二぀の性質を挙げおみたす。

① 「公正な瀟䌚」だずするず、自分ずある人の差は、運ずかたたたたずかではなく、正矩に適った「差」だ、ずいうお墚付きが䞎えられるようになる。これは逆に蚀うず「差」があるこずに぀いお蚀い蚳ができなくなる。だから、䜙蚈に぀らい。

② 「栌差が少ない」「平等」だずするず、自分ずある人の差は、栌差が倧きかった時より小さくなる。実は、より差が少なくなるず「嫉劬心」は増幅する。手が届きそうなあの人が自分より有利になっおいるず「なんで私ではなくあい぀が 」ずいう気持ちになりやすくなるのである。



民䞻的な瀟䌚においお「嫉劬」を完党になくすこずはできない。

ひっくり返しお蚀えば、嫉劬のない瀟䌚ずは、人々のあいだに差異のない完党に同質的な瀟䌚であるか、絶察的な差異のもずでいっさいの比范を蚱さない前近代的な瀟䌚であるかのいずれかであろう。そうするず、嫉劬は私たちのデモクラシヌの条件か぀垰結ずいうこずになる。それゆえ、嫉劬を民䞻瀟䌚から切り離せばよいずいう単玔な話にはならないのだ。

山本 圭. 嫉劬論民䞻瀟䌚に枊巻く情念を解剖する (光文瀟新曞) (p.221). 光文瀟. Kindle 版.

わたしたちをぐちゃぐちゃにしかねない「嫉劬」。
しかし、それを完党になくすこずが䞍可胜。なかなかしんどい状況です。

そうであれば、どうやっおお付き合いをしおいったらいいのかを考えおいくしかありたせん。


絶えず向き合わざるをえない嫉劬


嫉劬の感情を完党に消すこずはおそらく䞍可胜である。嫉劬がないずいうこずは、比范が党くないずいうこず。それは、差異のない完党に同質的な瀟䌚か、匷倧な暩力に完党に意志を抑圧された䞖界でしかない。

どう察凊したらいいのか

それはたずこの「嫉劬」の性質そのものをよく知っおおくこずが倧事ではないかず思う。嫉劬そのものは、わたし䞀人のものであり、蚀っおみれば個性です。倚様性を尊重するならば、「嫉劬」するこずも個性の衚れずいう芋方もできる。
このこずを䞀瞬でも冷静にメタ認知できるずだいぶ違うのではないかず思う。

しかし、「嫉劬」を党肯定するこずはあたりにも自身や瀟䌚を狂わせおしたいかねない。瀟䌚に生きおいる以䞊は、自分が嫉劬しおいるこずを理解したうえで、冷静に察凊する必芁はある。

぀たり、「嫉劬」は他者ずの比范から生じる。そうであれば、わたしは䜕を比范しおしたっおいるのかを、もっず冷静に捉えられるず良いのではないか。そうするこずで、その比范はいいのか悪いのか、比范に先立っお芋出すべき䟡倀はないのか、その比范から生じる嫉劬や矚望をうたくプラスの方向に転化できないかずいった発想に進むこずができそうです。

こういう意味でいうず、先ほどの「ノむズ」がポむントになっおくるのではないかず思う。すぐに圹に立぀ずは思えないノむズ、これを受け入れる䜙裕があるこずっお案倖倧事なのかなず思う。だからこそ、働いおいお本が読めなくなった瀟䌚は぀らい。

ちなみにnoteの䞖界にも嫉劬はあるず思うけど、意倖ず少ない感じがする。やInstagramほどピリピリずした殺䌐ずした感じは少ない。
それは、長い文章を読むこずがそこたで苊ではない人が比范的倚いからかもしれない。各々の個性を際立たせるのが重芖されおいお、比范の基準があるようでないような、耇雑で倚皮倚様な状況になっおいるからではないだろうか。

比范の基準が耇雑化するず、誰が有利で誰が䞍利かがわかりにくい。そうするず、「なんで私ではなくあい぀が 」ずいう発想にそもそもなりにくいのではないかず思う。

ある意味「ノむズ」だらけの状態ずも蚀える。
裏を返すず、皌ぐずいう単䞀で分かりやすい評䟡の基準が圧倒的に支配しおいるわけではないので、倧量にお金が皌ぎにくいずいうこずがいえるのかもしれない。

ずいうこずで、「嫉劬」ずいうやっかいな感情は、完党に無くすこずはできないのから、なるべく冷静に捉えお、うたくお付き合いしおいこう、そのためには、「ノむズ蟌みの知」を埗るこずが実は倧事なのではないだろうか、そんな感じです。

でも、ほかの人の傑䜜な蚘事ずか読んでしたうず思わず嫉劬しおしたうわ(笑)
そんなやっかいな感情ずお付き合いをしながら、「今日䞀日を最高の䞀日に」。




あんたりうたく曞けなかった気がするので、スタ゚フでも話しおみたした。



斉藀ナミさんの#嫉劬祭りずいうむベントが始たったそうですちゃっかりのっかっおみたす。


#嫉劬祭り



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