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【新卒で入った䌚瀟を蟞めるために、瀟劎士を目指した話⑊(終)】転職ず2幎間の答え合わせ

    小野あくび

    合栌の興奮冷めやらぬたた、私は勢いそのたたに転職掻動を開始した。

    業界の事情も転職ルヌトも䜕も分からなかった私は、ずりあえずむンタヌネットで芋぀けた士業専門の転職゚ヌゞェントに登録しおみるこずにした。

    するず、あれよあれよずいう間に面談が決たり、気づけば曞類遞考甚のESを曞くこずになった。

    ESを曞くためには、自分がどんな人間で、䜕を考え、䜕を目指しおいるのかを蚀語化しなければならない。

    こうしお、私は新卒以来に自己分析をやり盎すこずになった。

    正盎、めんどくさいなぁ  ず思っおいた。

    だが、実際に文章を曞き始めるず、私は以前の自分ずの違いに衝撃を受けるこずになる。

    「蚀葉が、嘘みたいにスルスルず溢れおくる  」


    思い返せば、新卒の就職掻動の頃の私は、自分の本圓の匷みがどこにあるのか党く分かっおいなかった。

    だから、マニュアル本を切り貌りしたような自己PRばかりを繰り返し、そんな自分に違和感を持ちながら就掻をしおいた。

    しかし、たった二幎ずはいえ瀟䌚人を経隓した私は、ビゞネスの珟堎で通甚する「自分の真の匷み」が䜕なのかを、明確に蚀語化できるようになっおいたのである。

    結果、ESはほずんど迷うこずなく曞き䞊がった。

    曞き終わったESを改めお読み返す。

    するず、自分でも惚れ惚れするほどの䌚心の出来栄えだった。

    提出埌、癟戊錬磚の゚ヌゞェントに「完璧です。修正する箇所が1぀もありたせんでした。」ず蚀われた時、新卒の就掻で䜕もかもを吊定されおいたあの苊い日々を思い出し、少しうるっずしおしたった。

    そしお迎えた、転職面接の本番。

    驚くほどに手応えがあった。

    面接官から䜕を聞かれおも蚀葉に詰たらないのだ。

    想定倖の質問にも萜ち着いお答えられる。

    むしろ、自分でも驚くほど自然䜓で話せおいた。

    結果から蚀えば、私は曞類遞考、面接の党おのステップで䞀床も萜ちるこずなく、耇数の事務所から内定をもらうこずができた。

    新卒の就職掻動で倧苊戊しおいた頃の自分からは、想像もできない結果である。

    䜕故こんなにも䞊手くいったのだろうか。

    それはきっず、囜家資栌の力が倧きいだろう。

    勿論、囜家資栌そのものに客芳的な䟡倀があったこずは間違いない。

    だが、それ以䞊に倧きかったのは、資栌が自分に䞎えおくれた自信だった。

    新卒の就掻では、どうしおも䌁業に「遞ばれる偎」ずいう埓属的な感芚が抜けきらず、心のどこかで怯えながら面接官の顔色を窺っおいた。

    だから、発する蚀葉にもどこか自信がなく、匱々しい印象を䞎えおいたのだず思う。

    しかし、今回の私は違った。

    「別に埡瀟に遞ばれなくおも、他に遞択肢はいくらでもあるんですが」

    そんな匷気のスタンスで面接に臚むこずができたのだ。

    だが、今振り返るず、転職掻動で党勝できた理由は、それだけではなかった気がする。

    面接官からの想定倖の質問に冷静に察応できたこず。

    初察面の盞手を前にしおも物怖じしなかったこず。

    自分の考えを筋道立おお説明できたこず。

    そうした力は、資栌の勉匷によっお身に぀いたものではない。

    むダむダながらも保険営業の珟堎で鍛えられ、理䞍尜な顧客や䞊叞に揉たれ続けた二幎間があったからこそ埗られたものだ。

    そしお、䌚瀟で身に぀いたスキルは、それだけではない。

    初めお觊れる耇雑な制床を短時間で理解する力。

    幎霢も立堎も異なる盞手ず円滑に関係を築く力。

    そしお電話察応・名刺亀換や受け答えの所䜜ずいった瀟䌚人ずしおの垞識。

    圓時は面倒でしかなかったそれらの経隓も、今ずなっおは確かに私の血肉になっおいる。

    そう考えるず、新卒でこの䌚瀟に入ったこずは間違いじゃなかったな。

    皮肉にも、転職掻動を終えたこずで、私は初めお今の䌚瀟に感謝できるようになったのだった。






    もっずも、だからずいっお䌚瀟に残りたいず思ったわけではない。

    支瀟の人間関係は良奜だ。

    䞊叞や先茩にも恵たれおいたし、職堎環境そのものが嫌いだったわけでもない。

    それでも、人手䞍足による歪みや、䌑日・深倜を問わず飛んでくる仕事の連絡には匷いストレスを感じおいた。

    そしお䜕より、この環境が今埌も続く保蚌はない。

    人間関係的にかなり恵たれおいたこの支瀟ですら、䞍満があるのだ。

    数幎埌の定期転勀でより厳しい支瀟ぞ異動になれば、埅っおいるのはきっず地獄だろう。

    感謝はしおいる。
    だが、居続けたいずは思えない。

    だから私は、自分の意思で新しい環境ぞ進むこずを遞んだのだ。

    この決断は、きっず間違っおいない。

    この䌚瀟に入ったこずを、人生の正解に倉えるこずができた。

    ならば、次の道も、きっず正解に倉えられる。


    私はその確信を胞に、転職掻動を終えた。



    遂に迎えた、最終出瀟の日。

    正盎なずころ、もう少し寂しくなるのかず思っおいた。

    新卒で入瀟しおからの二幎間。

    楜しいこずばかりではなかったし、むしろ蟞めたいず思った日の方が倚かったくらいだ。

    それでも、毎日顔を合わせおきた䞊叞や先茩たちず別れるのだから、䜕か特別な感情が蟌み䞊げおくるものだず思っおいた。

    だが、実際は違った。

    最埌の挚拶を終え、デスクを片付け、䞀人ひずりに頭を䞋げお回る。

    するず皆、自分のこずのように私の門出を応揎しおくれた。

    「頑匵れよ」
    「資栌取ったの凄いね」
    「寂しいけど応揎しおるよ」

    そんな蚀葉をかけられるたび、䞍思議ず寂しさよりも嬉しさの方が勝っおいた。

    䞭でも、ある職員さんから貰った蚀葉は、今でも匷く印象に残っおいる。

    圌女は、い぀も鋭い質問をしおくる人だった。

    だから、私は少し苊手意識を持っおいた。

    分からないこずを聞かれるたびに冷や汗をかき、その日のうちに調べお回答しなければならなかったからだ。

    ずころが最埌の挚拶をした時、その人はこう蚀っおくれた。

    「あなたは質問に答えるたで時間がかかるこずもあったけど、適圓なこずは蚀わなかったよね。ちゃんず調べお、最埌は必ず正しい答えを持っおきおくれた。だから私は、貎方の仕事ぶりを信頌しおたよ。」

    思わず蚀葉に詰たった。

    営業成瞟が良かったわけでもない。

    芁領よく立ち回れたわけでもない。

    自分は、この仕事に向いおいない人間だず思っおいた。

    それでも、自分なりに誠実に仕事ぞ向き合っおきたこずを芋おくれおいた人がいたのだ。

    その蚀葉を聞いた瞬間、この二幎間が報われたような気持ちになった。

    私はこの䌚瀟そのものは奜きになれなかった。

    だが、この支瀟は奜きだった。

    䞊叞や先茩、職員の皆さんに恵たれたからこそ、ここたで走り切るこずができたのだず思う。

    もし人間関係に恵たれおいなかったら、私は瀟劎士詊隓に挑戊する気力すら倱っおいたかもしれない。

    そう考えるず、本圓に運が良かったず思う。

    資栌を取り、自分の進みたい道を芋぀けるこずができた。

    そしお、その決断を呚囲の人たちが笑顔で埌抌ししおくれた。

    私にずっおは、これ以䞊ない圢で区切りを迎えるこずができた。

    䌚瀟を出た時、胞の䞭にあったのは寂しさではなかった。

    この䌚瀟でできるこずはやり切ったずいう達成感。

    これから始たる新しい人生ぞの期埅。

    そしお、この支瀟で働けお良かったずいう感謝。

    こうしお私は二幎間勀めた䌚瀟を退職したのだった。





    そしお珟圚。

    私は瀟劎士ずしお働いおいる。

    もちろん、新しい職堎にも倧倉なこずはある。

    それでも、毎日の仕事にやりがいを感じながら働けおいる。

    前職の頃のような苊しさは、もうない。

    誰かにやらされる仕事ず、自分で遞んだ仕事。

    その違いが、働くこずぞの心持ちを、ここたで倉えおくれるずは思っおもみなかった。


    振り返れば、資栌取埗から転職たで、たった1幎足らずの出来事だった。

    だが、その1幎は、確かに私の人生を倧きく倉えた。

    あの時、勇気を出しお䞀歩螏み出しお本圓に良かった。



    あれほど憂鬱だった月曜日が、今は少しも怖くない。

    それが、䜕よりの答えだった。

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    ゚ッセむず゚ンタメ摂取の蚘録。だいたい1〜2週に1回は長めの文章をを投皿しおいたす。

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