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Photo byvoice_watanabe

【#風まかせ文芸部:夏の終着点】夏はブルーにとけて

    足立みのる

    結局、夏の一番ってかき氷だ。
    浴衣の袖から財布を取り出し、露店のお兄ちゃんへお代を払う。
    「多めにかけとくからねー」
    どこからが多めなのか分からないが、祭の日には景気の良い言葉がよく似合う。
    舌を真っ青にするためのブルーハワイは、近所の神社のお祭りでも十分にハワイを感じさせた。

    本当は今日さよちゃんと来たかったけれど、昨日喧嘩してしまっていた。
    それでもここは今、溶けるまでハワイだ。

    晴天の予報も虚しく、雷が響いてくる。
    夏のお天気は変わりやすい。
    雷に遅れて、雨もだんだんと降ってくる。
    赤い下駄の鼻緒が雨に濡れ、どんどん濃い赤になっていってしまう。
    慌てて神社の軒先まで走り、へばり付いた前髪を整える。
    かき氷は無事。スマホも無事。さよちゃんからの、LINEはなし。

    生温かな風の夕方、雨が去るのをじっと待っている。
    かき氷の、溶けたブルーの水を飲み干した。

    ★風まかせ文芸部 「夏の終着点」です。
    かき氷が溶け終わったところで、夏の終着点としてみました。
    ブルーハワイより、いちご派です。
    ありがとうございました。


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