12.あの夏に至る 《詩》
誰にも夜は一つしかありませんが、昼は無数にあると思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あの夏に至る
またこの夏に至って
太陽みたいな君を見る
今日が一番さよならから遠いから
別れなんて地に写らないって
知らないふりをする
この世の価値を語った
結局のところ夜が来るから
無意味なんだと君が言った
そりゃ人生には昼しかないけど
じゃあ君との毎日もそうなのかい?
君のおぼつかなさを知った
僕らは経験則に生きるらしい
因果なんて詭弁だって
僕は君だから愛したんじゃないか
またこの夏に至って
翳りのない笑みを見る
長くなる影に目を瞑りたいから
加速するさよならは来ないって
忘れたふりをする
君の無価値を知った
こんなにも夜が暗いなんて
「言ったでしょ」って聞こえた気がした
隣にはもう居ないくせに
命の価値を知りたい
宿命が自由に変わるような
そんな転回を見てみたい
君は分かってくれるだろうか
まだこの夏で止まって
とっくに暗んだ空を見る
それでもさよならが来る時は
ずっと先だと信じてる
僕らの価値を知った
たった一つの夜を見た
数多あふれる昼を見た
「馬鹿だなぁ」って僕は思った
君の行ったあの夏へ
僕の知らないあの夏へ
神を曖昧にした僕を背負って
いずれ僕はあの夏に至る