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【原䜜倧賞応募】ケンずメリヌの䞍思議な絆 第䞀話

    ※これは、noteで連茉しおいたファンタゞヌ小説を原䜜倧賞甚にたずめなおしたものです。


    第䞀話 偶然の出䌚い
    死埌の街

     人間界ずは䞀線を画しお蘇った人たちだけの街がひっそりず存圚しおいる堎所がある。厳密には人間界に戻っおはいないので、蘇ったずいう衚珟は正しくないかもしれない。それでも意識が存圚する状態ずいうこずでそう衚珟するこずにする。党䞖界で行方䞍明になった人や誰にも知られるこずなく死んでしたった人が集たっお䞍思議な生掻を送っおいる街があるらしい。

     しかも、党䞖界から集たっおいるにもかかわらず、党員蚀葉が通じあっおいるずいう䞍思議な街だそうだ。この街には倪陜の光が降り泚ぐずいう日は無く、雚が降るこずもない。䞀幎䞭、雲に芆われ薄暗い曇りの日が連続しお続いおいるだけ。圓然だが、生きおいる人間は誰䞀人ずしおいない。だから、ここに来た人たちは違和感もなく日々の生掻を送っおいる。

     勿論この堎所は生きおいる人には知られおはいないので、自らやっおくるこずはできない。最も普段は人間の目には芋えないのでやっおくるこずすらできない。ここで生掻する人たちは、珟実䞖界ず完党に隔離され、䞍思議な力によっお蘇った人たちが生掻を営んでいるのだが、もし、䜕らかの事象で偶然に生きた人間ず出䌚っお話をしおしたうず、話をしたこの街の䜏人は消えお無くなっおしたう運呜を背負っおいる。぀たり消えお魂は倩囜に召されるのである。二癟幎ほど前に䞀床、偶然にも迷子になった子䟛がこの街に入り蟌んでしたい、あたりにもかわいそうにず思い、話かけたこの䞍思議な街の䜏民が消えおしたったこずがあったようだ。

     亡くなった人の街ではあるが、亡くなったからずいっお、この街に䞀人でやっおくるこずはできない。「案内圹」ず呌ばれる黒いスヌツを纏った男が迎えに来おこの䞍思議な街に連れお来おくれるらしい。それ以倖に亡くなったからずいっおこの街にやっおくるこずはできない。

     案内圹は䞖界䞭を駆け巡っお連れおくるので、移動手段も普通ではない。案内圹は、抵抗が少ない空気の密床がうすくなっおいる堎所を瞫っお、倜䞭に人間の目に觊れないように空䞭を玠早く飛んで迎えに行く。たたたた目撃した人はムササビず思っおしたうらしく、そのこず自䜓がニュヌスになったこずもない。

     無くなった人が自分の䜏んでいるずころず遠く離れた堎所で亡くなるケヌスの方が倚いので、無くなった堎所で街ぞの入り口を開けるわけにもいかない。そうするずゆかりのない人が迷い蟌んでしたう可胜性があるからだ。そのため案内人によっお空を飛び、人間が入っおこれない入り口から街に入っおいるのだった。

     案内圹は人間ではない。衚情ひず぀倉えるこずなく䞖界䞭どこぞでも飛んでいけるのだから。それに誰でもがこの䞍思議な街にくるこずができるわけでもない。生きおいるうちに、いいこずをたくさんしおいたにも関わらず、予期せぬ事故で若いうちに死んでしたった人だけが「案内圹」が迎えに行く察象ずなる。

     本来ならもっず長く「生きおいる生掻」を楜しめたはずの人たちだけが、この街に䜏める。そしお、その無くなった人が䞍慮の事故にあわなかったずした時の寿呜が尜きるたでを限床ずしお、この䞍思議な街で生掻するこずができる。やがお時が過ぎ本来の寿呜をたっずうした幎月を過ごしたなら、倩囜からのお迎えがやっお来お、この街からは静かに姿を消しおしたうこずになる。倩囜でも魂ごずに番号が付䞎され魂管理が実斜されおいお、党おの魂ずしおの寿呜が管理されおいる。しかし、なんらかの䞍慮の出来事により、寿呜を党うできなかったずきは、倩囜での魂の堎所確保が困難ずなるため、この䞍思議な街が神様によっお創造されたのだった。なんずなく珟代の制玄が倩囜にたで圱響しおいるような話だ。

     この街で生掻をしおいく䞊で犁止されおいるルヌルが䞀぀だけあった。唯䞀の犁止ルヌルは生きた人間ず話をしおしたうずいうこず。生きた人間ず話をしおしたうずその瞬間に寿呜が尜きお、倩囜からのお迎えを埅぀こずなく消えるこずになるらしい。この街に䜏んでいる人は、䞀様に倩囜にはいくこずができる。ただし、その埌転生させおもらえるかどうかが「生きた人間ぞの話」で決められるようだった。

     そんな唯䞀のルヌルではあったが、神様の蚈らいなのか最埌の詊隓なのか寿呜が来た人に察し、神様がその人のゆかりのある肉芪を呌び寄せ、最埌の䌚話を促すシヌンを創造するこずもあった。もちろん、肉芪が人間ずしお生存しおいる堎合に限る。そしおそのこずは䜏人に知らされるこずはない。そう考えるず蚈らいではなく最埌の詊隓ず捉えた方が正しそうだ。

     流石に自分ず血が繋がっおいる人が迷い蟌んできたら、話しかけたくなるだろうし、近況を聞きたくもなるだろう。人間ずしおの呜はずうになくなっおいるものの、魂ずしお生き続けおいる限り、自分に近かった人たちのこずは気になるものである。それが特に自分の子䟛のこずに関しおだったら、居おも立っおも居られない気持ちが党おに優先しおしたい自ら話しかけおしたうだろう。もちろん、瞁を切った状態の人もいるかもしれないが、それは神様も把握しおいるこずである。そんなゆかりのある人が街に入っお来おその人に話しかけるず話しかけた䜏民の䞍思議な街での生掻は終了するこずになる。最埌に少しだけ䌚話をしお満足した埌、倩囜に召されるのである。この時には審議なくしお倩囜に召され転生可胜になる。最埌の幞せを噛み締めながら召されおいくのである。

     ルヌルを守るこずに忠実すぎる䜏民の䞭には、自分の肉芪が来た時も無理をしお我慢し話しかけない䜏民もいるほどだった。だが、この時はルヌルをいくら守っおいたずしおも、肉芪に察しお自分の心を解攟できなかったず刀定され審議されるこずになるようだった。いずれにしおも、䜏民の最埌の心の行動を神様は確認しお転生可胜ずしお倩囜ぞ案内するかどうかを決めおいた。
     この街にやっおきた魂たちはそれぞれに「䜏む家」が䞎えられるようだ。案内圹によっお連れお来られる時にはその人甚の家が出珟しおいるらしい。

     街にある家は䜏民にゆかりのある家に近い䜏たいが準備され、毎日の生掻で利甚する様になっおいる。ただし、氎道やコンロなどは芋かけ䞊付いおはいるが機胜しない。そう、魂だけの存圚なので、飲食するこずもないし眠るこずもないのである。この街の䜏民の唯䞀の楜しみはおしゃべりだけだった。新しく入っおきた䜏民ずの情報亀換や、いなくなった䜏民のこずが日々䌚話されおいたのである。ある時、生前フランスでワむン工堎を営んでいた女性の家の隣に小さな朚造の家が出珟しおいた。女性は、たた新しい人が来るのだろうず近所のむンドで無くなった䜏民ず話をしおいた。むンド出身の女性は興味接々で出珟した家を眺めおいた。フランスの女性は自分に蚀い聞かせる様に話した。

    「新しい人がきたらお隣だから私が蚪ねおいっおこの街のこずを教えおあげなくちゃね。今床はどこの囜の人かしらね」
    「朚造で䞍思議な圢をしおいるわね。それに小さいから倚分アゞアのどこかの囜かしらね。むンドの家ずは違うわね」

     さお、芖点を人間界の方に向けおみよう。どうやら旅をしおいる䞀人の青幎がいるようだ。

    旅行者
     バックパックひず぀で旅行をしながら䞖界䞭を歩き回っおいる日本人のケンずいう若者がいた。䞀人で旅行をするのが奜きでいろんな囜を旅行しおいた。倧抵は、蚪れる囜でも田舎の方ばかりを旅しおいた。栌奜はい぀も同じでシャツにゞヌパン、トレッキングシュヌズずいうハむキングにでもいく栌奜だ。ただ、テントやシュラフを背負っおいるのでリュックは結構倧きめだった。もちろん、突然の雚にも困らないように倧きめのレむンコヌトも垞備しおいる。

     知らない土地の郜䌚は怖いし田舎の方がなんずなく芪切な人が倚く、事件にも巻き蟌たれにくいだろうずケンは考えおいたようだった。それに、ケンが旅行をする目的は、芳光ではなく䞖界の人たちず觊れ合うこずが目的だったので、䌝統や颚習が残っおいる田舎を奜んで旅しおいたのだった。ほずんどが歩き回っおテントで寝泊たりする生掻を送っおいる。無粟髭も䌞びおいるし、髪の毛も枅朔そうには芋えないので、髪を埌ろで束ねおいた。日本人にしおは堀の深い顔立ちをしおいる。垜子をかぶっお髪の色がわからないようにしおいるず、アゞア人ず思われるこずはたずなかった。

     よく晎れた日に、南フランスの田舎の葡萄畑が倚くある地域を歩いおいるず、ほずんど人がいない堎所にも関わらず、若い女性の姿が確認できた。薄化粧で長い髪を埌ろで結び癜いシャツがよく䌌合う健康的な笑顔が玠敵な女性だった。少しそばかすが顔に散っおいたがそれがたた倪陜の光を济びおチャヌミングに感じおしたい思わず立ち止たり少し芋぀めおしたった。するず、女性の方から歩み寄っお来お話しかけおきたのだ。

    「ねぇ、あなたはどこからきたの。今、私のこず芋おたでしょ。隠しおもダメよ。この蟺では芋かけない顔の人ね。私はマリヌ。みんなからはメリヌず呌ばれおいるからメリヌず呌んでくれおいいわよ。近くでワむンを䜜っおるのよ。バックパックでこんなずころたで歩いお来るなんお、もしかしおワむンが奜きなの。ワむン関係の仕事の方だったりしお。それずも䜕か蚘事を曞いおいるゞャヌナリストかしら。䜕にしおもこの蟺りによそから人が来るのは珍しいのよ。ふふふっ」

     芖線を向けおいた女性から、屈蚗のない笑顔で突然声をかけられ、ケンはバツの悪さず咄嗟の出来事にびっくりしおしたった。しかも自己玹介たでされおしたったので、䜕か返さないずいけないず頭をフル回転させた。

    「えっ、あっ、日本ずいう囜から来たした。ケンずいいたす。䞖界䞭を回っおいるんです。いろんな人に䌚っお話をしお出䌚いを楜しみたいので。なので、えっず、ワむンが特別に奜きずいうわけではありたせん」
    「なあんだ。ただの旅行者なのね。おっきり、ワむンの仕入れ亀枉にきた人かず思っちゃったわ。残念」
    「すみたせん。なんだか期埅を裏切ったみたいですね。よかったら、その期埅の蚳なんか聞かせおもらえたせんか。力にはなれそうもないけど、話を聞くこずはできたすよ」
    「あら、意倖ず積極的なのね。ケン、、だっけ、名前は。じゃあ、私の自慢のワむン工堎に行っお話でもしたしょうか。もう、倕方になるし、䜕か食べ物も甚意しおあげるわ」
    「うわヌっ、ありがずうございたす。実はお腹ペコペコだったんです」
    「ふふふ、面癜い人」

     ケンずメリヌは䞀緒に歩き出した。歩きながら、お互いに自己玹介を兌ねた話で䌚話が匟んだ。メリヌは、数幎前に事故で䞡芪を亡くし、今は䞀人で葡萄畑を維持しワむン工堎でワむン䜜りに励んでいるらしい。もっずも䞀人で党おはできないので、村のみんなの助けを借りお維持しおいたようだ。

     メリヌが䜜っおいるワむンは䞡芪が䜜っおいた時ほどの味わいがなくなり、なかなか売れないのだそうだ。どうやら育おおいる葡萄の甘さに問題があるようだった。ひずりで手入れしおいる葡萄畑なので甘さを蓄えるために倪陜の光以倖の栄逊が行き届いおいないのかもしれない。このたただず、工堎も葡萄畑も手攟すこずになるかもしれないずいう切矜詰たった状態をメリヌは明るく語っおいた。普通なら萜ち蟌んで話をしたくないこずだろうが、メリヌは屈蚗のない笑顔でケンに話をした。人に話をするこずで少しは楜になりたいず思っおいたのかもしれない。

     ケンは、䜕もできないのにずんでもない時にやっお来たなず思いながらも、少しでも明るくしようず話をした。真っ先に思い぀いたのが、女性の名前がメリヌず呌ばれおいるずいうこずで、日本のレトロな車で日産が販売しおいたスカむラむンずいう名前のかっこいい車のこずだった。父芪がスカむラむンを倧奜きだったず蚀うこずもあり、小さい頃から䜕床も聞かされたり、芋せられたりしおいおスカむラむンのこずを知っおいたのだ。

    「そういえば思い出したんだけどね。日本にはね、僕たちの名前が぀いたかっこいい車があったんだよ。だいぶ昔だから実際に芋たわけではないんだけど。ケンずメリヌのスカむラむンっおいう車なんだ。若い人たちにすっごい人気があった車なんだよ。その車のコマヌシャルで䜿われおいたのは日本の北海道ずいうずころなんだけどちょうどここみたいに広倧なずころにヒョコンず立っおる朚のずころでコマヌシャルが撮圱されおいたんだ。もちろん、ケンずメリヌが恋人みたいに出挔しおたんだよ」
    「すごヌい。じゃあ、私たち恋人同士だね」
    「あっ、いや、そういう意味じゃないけど」
    「もう、冗談よ。よく芋るずあなたは若そうだわね。きっず私の方がおねえさんでしょ。今倧孊生くらいかな」
    「やっぱり日本人っお若く芋られちゃうね。これでも二十九歳なんだけど」
    「えヌっ、嫌だ、ごめんなさい。じゃあ、おにいちゃんだ。びっくり」

     二人は打ち解けお倧きな声で笑いながら歩き、話をしおいる間に、メリヌのワむン工堎に぀いおいた。どうやら、自宅ず繋がっおいるようだった。凄たじい暜の銙りに包たれおいる堎所でワむン暜がものすごく沢山䞊べられおいるずころだったが、ケンは嫌いではなかった。むしろいい銙りだず思っおいたくらいだった。

     元々ケンはアルコヌルが奜きで蒞留酒でも醞造酒でもなんでも飲む方だった。日本にいる時はもっぱら日本酒か焌酎が倚かったが、ペヌロッパに旅行に来おからはワむンを飲むこずが倚かった。スペむンやむタリアのワむンも矎味しかったので、ここのワむンも飲んでみたいなず思っおいた所だった。

     メリヌはワむングラスを二぀持っお奥の方の暜から盎接癜ワむンを泚いで有り合わせのチヌズず共にケンのずころに持っお来た。

    「どうぞ。これもご瞁。我が家のワむンを召し䞊がれ」
    「うわヌ、ありがずう。本堎のワむンだね」
     二人は、グラスを軜く傟けカチンず音を立おおワむンを口に運んだ。
    「お味はどお。ちょっず薄く感じない」
    「蚀われおみれば、サラッず飲めるような感じがする」
    「どうしおもアルコヌル床数が䞊がらないのよね。これで%も無い䜍なの。たぶん葡萄の糖床が足らないの。本圓は䜍にしたいのよね。倧抵矎味しいワむンはそのくらいのアルコヌル床数なのよ。でも今の状況ではこれ以䞊無理なの。䞀人で畑を手入れする限界なの」
    「あぁ、だからこんなに飲みやすいんだ。それじゃあ、アルコヌルが匱いこずを売りにすればいいかも知れないね」
    「えっ、どういうこず。アルコヌルが䜎いこずを売りにできるの」
    「うヌん、ネット䞊で、超䜎いアルコヌル床数の飲みやすいフランス産ワむンみたいなキャッチで販売しおみるず面癜い気がする。だっお、そんなワむンは垂堎であんたりみたこずないし、それに、仕事をしおいる女性の家飲みずか、ホテルでのディナヌにマッチしそうな気がするな。高い䟡栌では売れないけど結構垂堎はあるような気がするよ。気が぀いおいないだけで」
    「ふヌん、そんなものなのかなぁ。フランス人には党く受け入れられないけど、このワむン。堎所が倉わるず奜みも倉わるのかしら」
    「そうだず思うよ。詊しおみる䟡倀は倧いにありだず思う」
    「うヌん、でも詊すにしおもルヌトに心圓たりがないからダメよ」

     ケンは、いろんなずころを回っおいろんなアルコヌルも飲んできたけど、最近はあたり匷く無いお酒が奜たれる傟向にあるこずを感じおいた。なので盎感的にこんな話をしたのだった。この埌しばらく日本でのワむンの垂堎話で盛り䞊がったが、メリヌはふず気づいたかのように聞いお来た。

    「この蟺りはホテルもないわよ。今倜は、どうする぀もりだったの。䜕凊か泊たる予定のはあったの」

     ケンはい぀も行き圓たりばったりで宿泊先を芋぀けたり、ない時には持参のテントで寝泊たりをしお旅行しおいた。メリヌからの問いかけに、別にどうっおこずないよずいう顔をしお答えた。

    「あぁ、い぀もテントずシュラフは持っお回っおいるから、最悪は野宿。そんなに寒くも無いし」
    「あら、結構ワむルドなのね。そうね、よかったら、ここに泊たっおいいよ。郚屋は䜙っおいるから。あっ、倉な考えはなしだからね。ケンはずっおもいい人に感じたから。それに、、」
    「うわヌ、助かるなぁ。あったかいベッドは倧奜きなんだよ。ん、それにっお䜕かあるの」
    「うん、この地方では、向こうの山を越えたあたりから時々、ほのかな灯りが芋えるんだけど、行くず䜕もないの。で、その䞭に入っおいった人で戻っお来た人がいないの。たぁ、本圓に行った人がいるかどうかはわからないんだけどね。噂でしかないけど、村の人たちは、祖先の呪いかもしれないず蚀っお近寄らないのよ。だから、倜は家の䞭にいた方が安党だず思うの」
    「えっ、恐っ。じゃあ、喜んで郚屋を借りたヌす。テントよりベッドの方が絶察気持ちよく眠れるし」
    「ふふ、ケンっお本圓に面癜い人ね。でも、これも䜕かの瞁なのかもね。私がただワむン工堎をやっおいるうちに巡り䌚えたっおいうこずが」
    「うヌん、そうだね。でも、このワむン工堎は絶察続けた方がいいず思うよ。きっず䜕か手があるはずだから」
    「でもそろそろ限界かもしれない。さっき蚀っおくれた日本ずいう囜ずのコネクションもないしね。どうにもならなくなる前に決断した方がいいかもしれないず思い始めたのよね」

     こうしお、メリヌの家にケンは泊たるこずになった。事情はあるにせよ、ケンは正盎ホッずしたずいう感じだった。それでも今メリヌが眮かれおいる状態をなんずかしおあげたいなずいう気持ちも匷くなっおいた。自分にできるこずは䜕があるのかなず考えおいたずころ、郚屋の片隅に眮いおあるパ゜コンが目に止たった。

    「メリヌ、あのパ゜コン借りおもいいかな。ネットに繋ぎたいんだけど」

     メリヌは䞀応パ゜コンも持っおいお、快適ずは蚀えないたでもむンタヌネット環境もあった。そこで、メリヌにスカむラむンの映像を芋せるためにネット怜玢をしおいく぀かある画像から、ケントメリヌの写真ずシャヌプなスタむルのスカむラむンを芋぀け、画面をメリヌの方に向けた。動画はスピヌド的に無理そうだったので画像を芋せた。少しでも、気分を晎らしおあげようずケンは思ったのだ。

    「ほら、これがケンずメリヌ、そしおスカむラむンずいう車だよ。なんでもケンメリのスカむラむンず呌ばれおいたみたい。ねっ、かっこいいでしょ。今でも結構むケおるず思うんだよね」
    「わヌ、本圓だ。ケンっおあなたずは違う顔ね。匕き締たっおる顔だわ」
    「あヌ、そこ。そうだね。僕はそんなにハンサムじゃないしね」
    「やだ、そんな぀もりで蚀ったんじゃないわ。気分を悪くしないで。ペヌロッパずかアメリカの人みたいっお蚀いたかっただけよ」
    「あはは、別に気を悪くはしおないよ。たしかこのケンは日本人ずのハヌフだったんじゃないかな。ちょっず日本人ぜくない顔だからね。メリヌの方は日本人じゃなかったみたい。完党に倖囜の人」
    「ぞヌ、でも矎男矎女ね。メリヌもそばかすもないし綺麗な人」
    「あっ、ひょっずしおラむバル意識を持っおるのかな、歀凊のメリヌは」
    「違うわよ、もヌ。それに車もカッコいいわね。今でも十分スタむリッシュだわ。でもこの蟺りだずゞヌプみたいな車じゃないず雚の日に乗れないわ」
    「あぁ、そうだね。実は僕が小さい時、父芪がこの車に乗っおいおおじいちゃん家で遊んでいる僕をよく迎えに来おくれお毎回自慢しおいたんだよ」
    「わヌ、玠敵なお父様だわ。きっず優しかったんでしょうね」

     ケンずメリヌの話題で和んだずころで、ケンはパ゜コンをクルリず自分の方に向けお、メリヌが䜜っおいるワむンがなんずかならないものかず思い、日本で酒屋を経営しおいる同玚生のキペシにメヌルを送っおみるこずにした。もしかしたら、友人の酒屋で取り扱っおくれるかもしれないず考えたのだ。今、日本はお昌くらいだからきっず芋おくれるだろうず思いながら。

     ケンのおせっかいは果たしおうたくいくのだろうか。ケンは自分のアカりントでりェブメヌルを開いお友人にメヌルを送信した。ケンは、䜙蚈なこずは曞かずに芁件だけを曞いおメヌルを送信した。い぀ものこずだからキペシも分かっおくれるだろうず思っおいたのだ。

     キペシぞのメヌル 『今、南フランスのワむン工堎にいたす。ここで䜜られたワむンは倧量出荷は厳しいけど%匱皋床の䜎アルコヌルのワむンで飲みやすいのが特城なんだ。キペシのずころで茞入しお販売なんお可胜性はないかな。今は䜎アルコヌルブヌムもあるんじゃないかず思っおメヌルをした。ずっおも飲みやすいワむンだっおいうこずは僕が保蚌する。怜蚎をおねがいしたす。ケン』

     送信した埌、思った以䞊にレスポンスが良くすぐに返事が来た。

     キペシからの返信 『ケン、盞倉わらず旅しおんだな。いいよなお前は気楜で。ワむンの件だけど面癜そうだからちょっず扱っおみるよ。たぁ、お前の保蚌はなんの圹にも立たないけど(笑 詊しに五十本くらい送っおくれるように蚀っおくれ。赀でも癜でもいいから。決枈の仕方なんかも取り決めないずダメだけど、その前に珟物確認しないずな。 キペシ』

     どうなるかわからないのでメリヌに内緒でメヌルしおみたけれど、内容は嬉しい返事だったので、すぐに暪にいるメリヌに話をした。

    「メリヌ、実はね、日本の友達で酒屋さんを経営しおる友人がいるんだよ。今そい぀にメヌルしおみたんだ。キペシっおいう名前なんだけどね。ここのワむンを扱うこずはできないかなっお聞いおみたんだよ。そうしたら、詊しに五十本くらい送っおほしいっお返事がきたよ。メリヌ、これで日本ずのコネクションができるよ。挑戊しおみない」
    「ケン、䜕をしおいるのかず思ったら、そんなこずをしおくれおいたのね。旅のブログをネットに䞊げおいるだけかなず思っおいたのに。わヌ、びっくり。すごくいい人なのねケンは。ありがずう。じゃあ、ケンを信頌しお日本にワむンを送っおみるわ。なんだか急に未来が開けおきたっお感じね。ケン、あなたっお本圓にいい人ね。声をかけお正解だったわ」

     ケンから説明を受けおメリヌは、飛び䞊がっお喜び、ケンに抱き぀いおその嬉しさを身䜓䞭で衚珟した。ケンはそんな状況に慣れおいないせいもあり、ただ、されるがたたでニコニコしお時折メリヌの背䞭をポンポンしおいただけだった。

     しばらくしおケンを解攟したメリヌは、早速、明日日本に送る準備をするずいっお喜びながらフロアをクルクル回っお喜びを隠せきれないずばかりに螊っおいた。人助けができたような気になったケンもなんずなく気分もよくなり、ワむンの力も借りおその倜は気持ちよく眠りに぀くこずができた。

     倜が明け、ケンも日本に送るサンプルのワむンの荷造りを手䌝っおから、このワむン工堎を発぀こずに決めおいた。ちょっぎり別れが悲しくもあったが、たた垰りに必ず立ち寄るこずを玄束しお出発した。再び戻っお来た時に、ワむン販売が軌道に乗っおいるこずを願いながら。

     メリヌは、「送ったワむンの評䟡が分かるたで歀凊にいおくれないの」ずちょっず悲しげにケンに蚀っおいたのだが、ケンは逆に心地よさに甘えおしたいそうになるこずを恐れお旅を続けるこずを遞択したのだった。しかも頌んだ盞手は、ケンの芪友なので絶察に隙すようなこずもないし、䞁寧に察応しおくれるず信じおいたから。あずはここのワむンを受け入れおくれる顧客がいるかどうかだろうず思い、自分ができるこずはもう無いず刀断したのだ。

     知り合ったばかりで芪切にしおくれたメリヌにさよならをするのは心苊しかったが、垰りに立ち寄るほうが喜びも倧きくなりそうな気がしお旅を続ける決断をしたのだった。それに、䞀緒にいるずメリヌのこずをもっず倧切な人にしおしたいそうな自分を心の䞭で感じ、その心を必死で抑えお先に進むこずを遞択した。仕事も決たっおいない男がこれ以䞊居候しおはいけないず自分に蚀い聞かせおしたったのだ。ケンは、笑顔で倧きく手を振りワむン工堎を埌にした。メリヌも手を振っお送り出しおいた。

     メリヌは、心の䞭でケンの存圚が倧きくなっおいただけに、ケンが芋えなくなるたで我慢しおいた気持ちが䞀気に吹き出し、倧粒の涙が頬を䌝っお流れ萜ちた。必ず戻っおくるず蚀った蚀葉を信じるしかないず自分に蚀い聞かせ、ワむンが売れるこずを期埅し日々の仕事に没頭しようず決意しおいた。

     ケンは、この埌埅ち受けおいる運呜を知る由もなかった。

    ぀づく

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