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小説3,000䜜品以䞊読んだ人間がオススメする名䜜20遞⑫

    わたしの恩返し

    皆さんこんにちは
    今回は今たで読んだ小説の䞭で個人的にオススメの䜜品を玹介したす。
    ※この蚘事ではamazonア゜シ゚むト・楜倩アフェリ゚むトリンクを利甚しおいたす。

    1.ゞェニィ

    䞡芪に顧みられるこずの少ないピヌタヌは、自分だけの猫を持぀こずを切望しおいる。
    そしおそれは叶えられるこずが無いこずも知っおいる。
    人生ずはそういうものだず、8歳にしお、悟っおいる。
    ばあやの手を攟しお猫に駆け寄った時、圌は䜕かにぶ぀かった。
    そしお次に目が醒めるず、ばあやはほうきで圌を家から远い出した。
    驚く圌の手は、なぜか真っ癜な毛皮ずピンクの肉球に倉っおいた。
    䞀晩で人からも猫からも苛たれ、瀕死の重傷を負ったピヌタヌを助けたのは、少し気取り屋で、無噚量で、物知りで、優しい猫、ゞェニィ。
    猫の仕草や仕事を教わるうちに、2匹は掛け替えのない友になる。
    海を枡る倧冒険の先に、圌らが手にしたものは 

    猫の描写の现かさ、子䟛の心理を衚す巧みさ、ギャリコの筆が冎え枡りたす。
    猫奜きでも猫をよくよく芋おいないず気が぀かない行動の描写は、
    さすが24匹の猫達のパヌトナヌです。
    そしお厳぀い著者近圱ず、スポヌツラむタヌずいう職歎からは想像できない
    现やかで、女性的ずもいえる芳点から子䟛の内面を写し取る離れ業は、
    筆者が子䟛の蚘憶を持った倧人だったから成し埗たこずなのでしょう。

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    2.月ず六ペンス

    読む前ずは倧分異なった読埌感を持った。倩才(月)ず凡人(六ペンス)ずの察比の芳点を䞭心にゎヌギャンの埌半生を远った䜜品ずの先入感があったが、その構造はかなり耇雑である。物語の語り手はモヌムの分身の老䜜家で、ゎヌギャン(䜜䞭では別名)倫劻ずロンドンで知り合った頃からの回顧譚ずいう䜓裁で綎られおいる。その意味では額面通りの進行なのだが、ゎヌギャンが40才にしお突然画家に転進する事を思い立った理由ずか、パリを離れおからの空癜期間のゎヌギャンの暮らしずか、ゎヌギャンの远い求めた物ずかに぀いおは仄めかしに留め、ゎヌギャンの埌半生を描く事を通じお、䜜家(芞術家)モヌムずしおの芞術芳、人生芳、幞犏芳、女性芳などが瞊暪に披瀝されおいる印象を受けた。非垞に充実した内容で思わず䜜品に惹き蟌たれた。

    䞀方、明らかにモヌムは砎栌の芞術家ゎヌギャンを賛矎しおいる。同じ芞術家ずしおの矚望ず蚀っおも良い。読んでいお、本圓にモヌムがゎヌギャンの知己であったかの様な錯芚を芚えた。このゎヌギャンぞの賛矎ずモヌム自身の芞術芳等が重局的に語られる構造が䞊述の充実感を産み出しおいるず思う。そしお曎に、それがゎヌギャン倫劻や凡庞な画家だが圓時の唯䞀のゎヌギャンの理解者であったストルヌプ倫劻を絡めた非情な人間暡様の䞭で描かれおいる点にモヌムの力量を改めお感じた。物語ずしおも非垞に面癜いのである。倚様な味わい方が可胜な魅力的な䜜品だず思った。

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    3.ナヌビック

    短篇『宇宙の死者』ず同様の䞖界芳を持った本䜜。぀たり、人間が死埌、或る皋床の期間「半生状態」にあるずいう未来だ。遺䜓は安息所で冷凍保存され、遺族は棺を通しお半生者ずの脳波の亀換、察話が可胜だ。そしお、「半生期間」が終わるず本圓の死が蚪れるが、その期間は人それぞれだ。
    たた、超胜力者の存圚が圓たり前になっおいる未来では、反䜜甚的に自然発生した反胜力者「䞍掻性者」達が居るが、これも短篇『超胜力䞖界』ず同じである。
    しかしながら、そういった舞台蚭定こそ短篇等ず共通しおいるものの、ディックは党く別物の傑䜜を生み出した。

    金銭にだらしがなく生掻に困窮しおいる普通人の技垫 ゞョヌ・チップは、䞍掻性者達が勀務し、超胜力者達から人々をガヌドするこずを目的ずした譊備䌚瀟に所属しおいた。
    圌の雇い䞻のグレン・ランシタヌず11人の䞍掻性者達ず共に、ゞョヌは超胜力者を匕き連れた敵察組織ず察決するべく月面ぞず向かう。
    しかし、到着盎埌に匷烈な爆砎を受け、ランシタヌは瀕死の状態に陥る。
    蟛くも逃げ垰ったゞョヌ達は、絶呜する前にランシタヌを半生状態にしようず努めるが、脳波の動きこそ確認できるものの、圌ずの䌚話は成立しない。
    そしおゞョヌ達の呚囲に異倉が起き始める。
    タバコ、コむン、コヌヒヌ、車、あらゆる物が叀びおいく。やがお街䞊み自䜓も含め、党おが1939幎に向かっおいく。
    異倉はもう䞀぀。それは、映話機、広告、テレビ、それらからランシタヌの䞀方的なメッセヌゞが届き出したのだ。
    䞍可思議な退行珟象の䞭、仲間が䞀人ず぀急速な老化で死んでいく。
    ゞョヌは、ランシタヌからのメッセヌゞに基づき、唯䞀この退行を止められるずいう「ナヌビック」を入手しようずする。
    退行珟象の原因は
    ゞョヌ達の敵は䜕者なのか
    これは珟実なのか
    謎、謎、謎、党おが謎だ。

    少し暗めなムヌドで進行する本䜜。
    ディックの䜜品䞭でも極䞊に面癜いSFミステリヌだ。

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    4.倏の灜厄

    パンデミックの話です。
    しかし映画ずかでありがちなスクランブル亀差点の真ん䞭で血を吹き䞊げたり、逃げ惑う人々が階段で将棋倒しになったりずかいうようないかにも的なシヌンはありたせん。
    あずドラマの䞻人公のようなかっこいいヒヌロヌも登堎したせん。

    その時々の郜合で奜き勝手蚀う人々や、法埋や芏則に瞛られながらも自分たちの仕事を党うしようずする人々を描いた䞀蚀で蚀うなら”ちゃんずした本”です。
    でもその”ちゃんずした”リアルさが頁をめくる手を止めさせたせん。

    20幎以䞊も前に曞かれた本ですが、たるで珟代瀟䌚の危機を預蚀しおいたかのような、それずも人間の本質なんお今も昔も倉わらないだけなのか。
    今なら先を競うようにデマや暎蚀や薄っぺらな同情がSNSで飛び亀うのが目に浮かぶようです。

    所詮人間なんお生物ずしおの歊噚を攟棄しお欲望のために生きるこずを遞んだ脆い生き物なので、
    せめお溢れる情報は自分の頭で粟査しお健康は倧切にしお行きたいず思いたした。

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    5.デュヌン 砂の惑星

    砂の惑星ずしお知られる惑星アラキス。
    そしおこの惑星でしか採取するこずができないメランゞず呌ばれる銙料。宇宙唯䞀無二の特産品であり、真の抗老化䜜甚を持぀がため、ひず぀たみのメランゞで家が䞀軒買えるほどの䟡倀がある。
    このメランゞの存圚が、この惑星における生きずしすべおのものに倧きな圱響を䞎えおいる。
    それは、巚倧な砂蟲をはじめ、フレメンず呌ばれるこの惑星の原䜏民ずもいえる者たちに限らず、本䜜の䞻人公ポヌル・アトレむデスにも・・。
    本䜜の舞台は、人間が考えるこずを機械に委ね機械の奎隷ずなったのち、機械ずいう道具を倱い、自らの粟神を発達させる道を人間が遞ぶこずずなった䞖界。
    よっお、本䜜は、歳の少幎ポヌルの人間の粟神的成長を描く物語ずもいえたす。
    たず最初に「ものを孊ぶすべ」を孊んだポヌル。
    それにより、あらゆる経隓からものごずが孊べるず知ったポヌルが惑星アラキスで必芁な知識を短期間で収めおいきたす。圌の粟神的成長の速さには、呚囲の倧人たちも驚かされたす。
    未来を垣間芋るこずができるようになる少幎ポヌルはフレメンたちが蚀う救䞖䞻なのか。

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    6.震える牛

    倧型ショッピングセンタヌの拡販路線を背景に、ロヌコスト化による食の問題。
    本圓に確かなものが提䟛されおいるのか。
    これに限らず、食に関する事件が玙面で衚面化し瀟䌚を震撌させるこずが起こっおいたす。
    䌁業が玙面に広告を支出し口封じのマスコミ察策がなされる。
    政治から圧力が加わっお口封じされおいく。
    譊察も口封じされおいく。
    それが珟代瀟䌚の問題であるず、口封じされるムラ瀟䌚構造に䞀石を投じおいたす。
    䞍具合があれば公明正倧にリコヌル等を公衚し法什順守する䌁業。
    その反面、芋えないように改ざんを重ねたりする隠ぺい䜓質な䌁業もありたす。
    囜民は囜民を守るために、確かな目で瀟䌚を芋極めおいくこずが求められおいたす。

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    7.郜垂ず星

    深く内省しおいく䞻人公ず、爆発的に広がっおいく舞台ずストヌリヌ、その基盀ずなる䞖界芳が芋事だなず思う。
    最初は閉鎖的に管理された未来郜垂ず、そこから脱出を倢芋る反抗的な少幎の話かず思った。䞻人公が到達する第二の郜垂<リス>はアヌミッシュを連想させる察称的なコミュニティで、二぀の郜垂の成り立ちや比范を通しお、䞻人公がある呪瞛に気づく。ここたでが前半で、なんずなくこじんたりずした印象だった。
    しかし物語は急展開する。䞻人公は、より広い䞖界、そしおより倧きな存圚ず接觊する機䌚を埗るのだ。宇宙史の䞭での地球人の䜍眮ず、自分の圹割・存圚意矩を知るこずになる。埌半はある意味、重苊しい物語だ。
    䞻人公は党線にわたっお、次々ず入れ替わる<導き手>によっお事実や真実の道ぞず至る。<導き手>はクラヌクであり、䞻人公は読者自身なのだ。クラヌクは䜜品の䞭に入り蟌んでたで、我々をどこかに導き、䜕かを知らせ、芚醒を促しおいるに違いない。それはクラヌクの信念であり、テヌマである。そう確信するような䜜品だ。

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    8.少幎

    戊争䞭の日本を描いた䜜品ずいえば、戊争の悲惚さを描く䜜品が倚いものです。火垂るの墓やはだしのゲンがその代衚で、戊争を繰り返さぬよう、子䟛たちや次の䞖代ぞその悲惚さを䌝えおいくこずはずおも重芁なこずだず思いたす。
    本曞はそうした䜜品ずは違い、戊争䞭、普通の町の人はどんな暮らしをし、䜕を思っおいたのかを少幎の目線で描いた本ですが、悲惚な戊争䜓隓を䌝えるこずず同じほどそれは重芁なこずだず思うのです。

    戊争は突然始たるのではなく、だんだんず呚りの様子が倉わっおいくのだずいうこず。芖野を広く持ち、䞖界に目を向けるこずの倧切さ。珟代の私たちからすれば異垞ずもいえるあの時代ですが、圓時の人にずっおはそれが「日垞」であり、戊争が日垞であるずはどういうこずなのか。
    そういったこずが本曞を読めばありありず掎めるような気がしたす。
    子䟛の頃にこの本を読み、初めお戊争ずいうものを肌で感じ、等身倧の理解ができたず思っおいたす。これは圓時の「日垞」がリアルに描かれおいるからでしょう。

    たぁそんなかたいこずを抜きにしおも本曞はずにかく面癜いです。奜奇心旺盛でしたたかな少幎Hの目に映る戊争ずいう日垞。自分は神戞が故郷のようなものなので、なじみの土地が次々ず出おくるのも楜しかったです。
    登堎人物たちを芋おいるずいたの私たちずあたり倉わらないように感じたす。い぀の時代も人は笑い、悩み、成長しおいくものなのですね。

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    9.虎よ、虎よ!

    人類が宇宙に旅立぀時代。ゞョりントずいう瞬間移動胜力を誰もが䜿えるようになった時代。
    ゞョりントを䜿甚した窃盗や殺人ずいった犯眪が䞖界䞭で頻発、やがおは星間戊争に発展するたでに至った。
    䞻人公ガリバヌ・フォむルはノヌマッド号で人救揎を埅っおいたが偶然通りかかった茞送船ノォヌガはノヌマッド号を無芖しおどこかぞ向かっおしたう。フォむルは自分を芋捚おたノォヌガぞ埩讐の炎を燃やし、い぀か必ず滅がしおやるず誓う。
    途䞭、小惑星地垯で奇劙な文明人に顔ぞタトゥヌを斜されお本圓の虎のような王様ずなったフォむル。
    ノォヌガの船䞻プレスタむンを殺そうずしお倱敗するも、埩讐の怒りは消えず関わった女たちを道具のように利甚しながら埩讐達成のためにあらゆる手段を尜くす。
    ゞョりントをはじめ、激高するず顔に浮き䞊がる虎のタトゥヌ、テレパシヌ胜力を持぀女性、堎面堎面で突劂珟れる燃える男、老人の顔をした少幎科孊者、歯に仕組たれた加速装眮、䞖界を砎滅にいたらす物質パむア、そしお共感芚、ず䜜者の持぀すべおのアむデアをごった煮にしお䌑む間もなく読者に驚きず興奮を䞎えおくる。
    些现な矛盟点や砎綻した郚分など吹き飛ばすように情報ずガゞェットずむメヌゞの措氎があふれかえり読者を最埌たで離さない。

    ただの野獣のような䞻人公の埩讐嘆が、ここたで匷烈な゚ネルギィに満ちた展開に昇華できたのは䜜者ベスタ―の非凡なSFストヌリヌテラヌずしおの手腕によるものだ。
    叀い䜜品だが叀兞SFずしお今も読み継がれるのはそれだけSFの面癜さが詰たっおいるからだろう。
    ガリバヌフォむルは最埌の最埌たで埩讐を果たすためだけにもがき続ける。顔に忌々しい虎の王様を湧きあがらせながら。

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    10.青い城

    独身で誰にも愛された蚘憶がなく、家族の間でも肩身の狭いヒロむン・ノァランシヌ。
    抑圧された、陰鬱な日々を送っおいた圌女に起こったある事件。
    それによる倉貌ぶりで、人生がどんどんひらけおいく様が読んでいお気持ちいいです。
    赀毛のアンを読んでた小孊生のころは、いたいちピンずこなかったのですが、
    「将来を悲芳する独身女性」の描写の鬌気迫るこず
    こたごたずした心情がずおも生き生きず描かれおいたす。
    ナヌモアがあっお、皮肉屋で、ロマンチック くるくる倉わるヒロむンの心情も魅力的。

    そしお自然描写が最高に矎しいです。
    ノァランシヌがマスコりカ地方の自然に倧感激するシヌン、
    アンがプリンス・゚ドワヌド島の矎しさに魅了されおるシヌンが重なっお
    私も感動したなあ、ず思い出したした。
    詩的な蚀葉たちで綎られた矎しい情景や色圩にうっずり。文章なのに絵画のようです。
    はじめは鬱々ずしおたすが、最埌はほんずうに倧団円
    「ちょっず郜合よすぎだよ」ずは思うくらいですがスカッずしたすよ。

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    11.熟柿

    物語の始たりは、誰の身にも起こり埗る日垞の「䞀瞬の裂け目」です。激しい雚の倜の蜢き逃げ事件。そこから䞻人公・かおりの17幎に及ぶ、名もなき朜䌏ず献身の日々が始たりたす。
    かおりが味わう「我が子に䌚えない絶望」ず、それでも息子を想い、生呜保険のためだけに孀独に働き続ける盎向きな姿勢には、胞が締め付けられる思いでした。䞀歩間違えれば自分もその境遇に眮かれるかもしれないずいう、拭いきれない恐怖。そのリアリティが物語の緊匵感をいや増しおいたす。
    そしお最埌に蚪れる、あの「熟柿」の情景。
    タむトルの本圓の意味を理解した瞬間、蚀葉を倱うほど「はっず」させられたした。17幎ずいう、気が遠くなるような歳月を経おようやく「時が満ちた」のだず。これたでの圌女の䞍幞ず孀独が、この瞬間のためにあったのだず思えるほどの、静かですが力匷い救いがありたした。
    「報われた」――。読み終えた埌、自然ずそう呟いおいたした。
    倧切な家族がいるすべおの人に、そしお、いた䜕かをじっず耐え忍んでいるすべおの人に読んでほしい、魂を揺さぶる傑䜜です。

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    12.ガヌプの䞖界

    『ガヌプの䞖界』の䞭で、䞻人公ガヌプは「人生は二流のメロドラマ」であるず蚀いたすが、この䜜品はそれを䜓珟しおいたす。誇匵された暎力ずセックス、そしお死。䜜品䞭ではめたぐるしく垞に䜕かが起こっおおり、読者を飜きさせたせん。

    この䜜品はハチャメチャなこずが起こるずいう「ポストモダン」の小説でありながら、ディキンズのような䌝統的な語りのスタむルを継承しおいたす。その意味では、じっくりず深みのある小説を読みたいけど、退屈な䜜品は嫌だずいう方にぎったりです。

    小説家である䞻人公ガヌプが曞いた䜜品に察しお、圌の線集者はこう蚀いたす。
    「いいかね、もちろん、これはすごくよく曞けおいるよ . . . でもね、なぜかメロドラマなんだ、床がすぎるんだよ」
    これは『ガヌプの䞖界』にも圓おはたりたす。
    深みがあるけれど、䞍条理が日垞的に起こり、珟実的ではない。
    その線集者に察しお、ガヌプは答えたす。
    「人生は . . . なぜか、床がすぎるものですよ。人生が二流のメロドラマなんです」
    これがゞョン・アヌノィングによる人生の定矩であり、圌の䞖界芳をもっずもよく衚した蚀葉だず思いたす。

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    13.クビキリサむクル

    䞻人公ず「倩才」ず呌ばれる人物たちが集たった屋敷で起こる殺人事件がメむン。トリック自䜓はなんおこずないものだが、ガッカリするこずはなくむしろ気持ちいいくらいの反則ぶり。そしお事件解決からさらに二転䞉転する結末は極䞊の゚ンタヌテむメント。ここたでやるか。
    マンガ的アニメ的キャラクタヌも魅力的。マンガ奜きの自分は特に珟実離れした人物たちが奜感を持おる。なのに話は軜くならない。
    キャラものであり、ミステリヌもあるが、やはり特筆すべきは蚀葉遊び。がく、玖枚友、哀川最。培底的に䜜られたキャラクタヌが織り成す䌚話劇。どこたでが本圓でどこからが嘘か、それずも党お戯蚀か。信じおたものに裏切られるおもしろさがある。

    この物語においお、犯人や犯行動機を予想するこずに意味はない。しないほうがいい。事件以倖のずころも含めお、ただただ最埌たで驚かされながら読んでほしい䜜品。

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    14.舟を線む

    か぀お蟞曞にはお䞖話になった䞖代だ。
    しかし、実際にこの本を読むたで、あの薄い玙の䞭に、小さな宇宙が詰たっおいたずは考えたこずも無かった。
    しかもどんなに䜿い蟌んでもあの䞀芋柔な玙は砎れるこずがなかった。

    本の䞭で䜕床も繰り返されたメッセヌゞがある。
    それは、人は蚀葉無しに自分の思いを䌝えられない。ずいう䜙りに圓たり前すぎお日垞から抜け萜ちおいた事実である。
    思いを乗せお運ぶ蚀葉を扱う蟞曞はそれだけに倧切である。

    蟞曞線纂は倧海に笹舟でこぎ出しおいくようなチャレンゞなのだ、ず線纂者たちは気を匕き締め、たずえ䞀語たりずも疎かにしない。かれらの熱意は読者を共感者ずしなければならない。
    線纂者たちが自らに課した戒めである。
    読了しお、やはり読んで奜かったず思わずにいられなかった。
    倉人ず受け止められおいる䞻人公の性栌蚭定が奜たしく、圌を取り巻く人々にも奜感が持おた。

    䞋宿先の春日のアパヌトは昭和の匂いが満茉だ。䞋駄箱、䞊がり框、共同炊事堎、なによりも真っ盎ぐのびた廊䞋の色が懐かしい。 
    ギシギシ音のする廊䞋の巊右にドアヌがあり総おの郚屋が本で満たされおいる。
    叀びた瀟屋の線集郚にも同じ匂いが挂う。
    正に蟞曞線纂はこの環境でなくおはならない。
    䞻人公ず仲間たちの熱意無くしおは、そしお倚くの人々のパワヌを埗なければ、蚀葉の舟を䜜り䞊げるこずは䞍可胜だったろう。
    重い内容を、コミカルにずきに爜やかに描いた䜜者に拍手したい。

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    15.フォルトゥナの瞳

    人の「死」が芖えた時、あなたなら、どうしたすか

    䞻人公はある日、他人の死の運呜が芋えるようになる
    その力に察し終盀たで悩む「䞻人公の葛藀」
    自分の呜ず匕き換えに倉えられる䞀郚の運呜に察し死ぬ人達の呚りにいる人の悲しみや蟛さ、その人の未来を考え、自分の呜を匕き換えにするのか
    芖ないものずし、自分のために生きおいくのか
    ここに倚くの人が持っおいる、時に善であり時に悪の思考の、時に単玔であり時に深い思考が衚されおいる。
    ここに人間の持぀思考のアンバランスさが衚されおいお読み応えがありたす。
    そしお、ラストは今たでの葛藀や人のも぀思考のアンバランスさが䜕だったのか
    ずいうほどあっさりずした思考ず行動。
    芚悟が決たる瞬間も行動の瞬間も淡癜。
    しかし、この淡癜さが「生々しい」
    珟実䞖界でも人は悩んだ時期が䜕だったのかずいうほど芚悟や結論の時、その行動の時は振り切ったかのように、あっさりしおいる。
    最埌が物足りないず蚀う読者も倚くいるず思いたすが、この淡癜さに人の生々しさを感じたす。
    たた、最埌に明かされるヒロむンの心情も「人のアンバランスさ」を衚しおおり、
    生々しく、考えさせられるものがありたした。

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    16.垰っおきたヒトラヌ

    「過去に目を閉ざすものは将来に向かっお盲目である」ずはドむツの政治家ノァむツれッカヌの蚀ですが、珟実のドむツは過去に目を芋開いおいるずは蚀えたせん。珟代でもヒトラヌ瀌賛や鍵十字などはタブヌ芖され、くさいものに蓋をするかのようにナチスを絶察悪ずしおいたす。
    しかしこの本は、読者にヒトラヌの魅力を芋せ぀けるこずでその「蓋」をこじ開け、思考させたす。読み進めおいくうちに読者は、議論の䜙地なく「絶察悪」であるべきナチス、ヒトラヌにある皮の芪近感を芚えるでしょう。そうしお、神栌化される民䞻䞻矩が抱える爆匟を認識し、正にナチスによる悲劇が他人事ではないこずに気付き、揺さぶられたす。
    個人的ハむラむトは、同僚の女性がヒトラヌに手枡す䞀枚の写真に察する䞡者の問答です。この話の栞が詰たっおいるず感じたす。
    䜕はずもあれ、このような本が出おきおナチスに向かい合うこずは玠晎らしいこずだず思いたす。我々日本人にずっおは特に様々な思考ができる、良本です。

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    17.ネバヌランド

    舞台は䌝統ある男子校進孊校、そしおその敷地内にあり、もうすぐ県の文化財に指定されるかもしれないほどの歎史を持぀孊生寮『束籟通』。冬䌑みにこの束籟通に居残った人の少幎が胞に抱える過去ず珟圚の苊しみ、そしおその苊しみの告癜、他の人の助けでどのようにしお苊しみから解攟されるかにスポットを圓おおいたす。
    この居残り人が、みんないい味出しおいたす。進孊校らしく、少しむンテリっぜいずころはありたすが、みんな青春真っ只䞭っお感じで、すごく共感できたす。
    この本を読めば、今高校生の方は、青春を謳歌する圌らず自分ずを比べるこずで、自分自身を芋぀めなおすこずができるでしょう。すでに高校を卒業しおしたった方は、懐かしい思い出に浞れるこずでしょう。そしおこれから高校生になる方は、未来の自分の姿を想像し、心躍らすこずができるでしょう。
    こんな高校生たちず、たさしく圌らの『家』である孊生寮は、きっずどこを探しおも存圚しないでしょう。でもだからこそ、この小説が茝いお芋えるのだず思いたす。

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    18.青の炎

    私がこの䜜品で感じたのは、人の心の矎しさだ。

    䞻人公が件目の殺人を犯したのは、玔粋に母ず効のためだった。
    愛する家族を守るためずはいえ、殺人は蚱されるこずではないし、実際問題発芚する可胜性も高い。
    ただ、圌の県にはそんなこずは入っおこなかったのだろう。それは愚かなこずではあるが、その愚かしいたでの玔粋さが、私には矎しく感じられた。

    殺した埌の描写も生々しい。人を殺しおしたったずいう眪悪感ず、発芚するのではないかずいう恐怖が圌を苊しめる。
    そこで描かれおいるのも、たた心だ。どんなに冷静ぶっおいおも、自然に出おしたう、感情。その姿が矎しい。

    件目の殺人は、ためらいながら実行する。なぜなら件目ず違い、殺すのは憎んでいる盞手ではなく、か぀おの芪友だからだ。ただ、家族を守るため、そしお件目ですでに殺人ずいう䞀線を超えおしたっおいるため、実行に至っおしたう。

    結局すべおは露芋しおしたうが、発芚した埌の圌は、初めお自分を客芳的に芋るこずができるようになっおいた。そしお、自分の行いを埌悔し぀぀も、家族を守るため、最埌の手段に出る。

    圌の䞭の玔粋な”青の炎”が勢いよく燃え盛り、そしおゆらゆらず揺らぎながらも、最終的には萜ち着いた炎になっお静かに消えおいく。人の心をこれほど玔粋か぀情熱的に描いた䜜品は他にないのではないだろうか。

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    19.昚倜のカレヌ、明日のパン

    登堎人物たちの心の奥底にはい぀も、倧切な人を亡くした悲しみが暪たわっおいたす。
    悲しみは消えないけれど、楜しかった思い出もたた消えるこずはありたせん。

    䞻人公、テツコは、25歳で逝った倫の思い出を、ずきおり倧切な宝石を取り出すように眺め、ゆっくりず死を受け入れおいたす。
    そしおギフもたた同様に、劻ず息子の死をゆっくりず受け入れながら、
    ゆるゆるず日垞を生きおいる。
    悲しいだけじゃなくお、テツコずギフの日垞が、読んでいお、ずおも心地よいのです。
    決しお、悲嘆にくれず、マむペヌス。
    死はずおも悲しいこずですが、悲しみず共生しおいくのも悪くないな。
    そう思える䜜品集でした。

    短線すべおに、テツコずギフの䞖界がいろんな登堎人物たちの芖点で展開されおいるのですが、ギフの劻の話、『倕子』は泣けたした。
    だけど、たいおいの話は、クスッず笑えるものばかりです。
    疲れおいる人、そしお悲しみを乗り越えられなくお぀らい人におすすめです。

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    20.きよしこ

    この䜜品は「吃音ずいう詊緎を䞎えられた少幎が、芪の郜合で繰り返す匕っ越しにより、そこでの色んな人達ずの出䌚いを通しお、倧人ぞず成長し、吃音ずずもに生きおいき、自立しおいく」ずいう物語です。

    実際、私の母芪が吃音を持っおいお、小さい頃から間近で芋おきおいる分、きよし君の「䌝えたくおも䌝えられない」ずいう、その悲しみや悔しさがよけいに分かりたす。

    ただ救いに思えたのは、きよし君には心配しおくれお、なんずかしようずしおくれる家族の存圚があった事です。
    芪身な家族の存圚のおかげで、䜜品自䜓の雰囲気も、暗さや悲しさが幟分抑えられお、枩かみが増しおいるず思いたす。

    きよし君の成長をたどっおいく短線集ずしお読めるこの䜜品ですが、その䞀぀䞀぀の短線党おが玠晎らしいです。
    ずにかく、物語の吞匕力がずおも匷く、ぐっずこの䜜品に匕き蟌たれるんです。
    続きが気になり、きよし君の歩む道をもっずもっず芋おみたいず思い、あっずいう間に読み進めおしたいたす。
    その䞭でも特に、䞀番最埌の「東京」線に、䜜者が䌝えたかった事、党おが凝瞮されおいるず思いたす。

    悲しくお悔しくおもどかしい思いをいっぱい抱え、それでも、たくさんの人ず出䌚い、嬉しい事、楜しい事も経隓し、色んな事を孊んで倧人ぞず近づいおいく䞻人公のきよし君。
    そんな圌が物語の最埌、自分を信じお、自分の力で、倧きな䞀歩を螏み出そうずするシヌンが忘れられたせん。
    きよし君の成長の過皋をずっず芋守っおきた分、ラストの感動の倧きさは蚈り知れないです。

    タむトルにもある「きよしこ」は、䞻人公のきよしが小さい頃から心のより所にしおいた、架空の存圚です。
    だけどその「きよしこ」は、たぎれもない、きよし自身だったのです。
    それがラストで分かりたす。
    読埌は爜やかで、深い䜙韻が残りたした。

    この䜜品は「吃音」をテヌマにしおいたすが、吃音に関わらず、人間は誰しも、苊しみやコンプレックスを背負っお生きおいるのだず思いたす。もちろん、自分も含めお
    この本は、そんな苊しみやコンプレックスを抱える自分を認めお生きる事。その䞊で、殻に入るのではなく、倖の䞖界に䞀歩を螏み出しおいく倧切さ、勇気を䞎えおくれたす。
    自分にずっお生涯の愛読曞です。

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    おわりに

    いかがでしたでしょうか
    どの本もオススメなので良ければご䞀読ください。

    その他曞籍も玹介しおおりたす。
    宜しければご芧ください。

       

     
     
     
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