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小説3,000䜜品以䞊読んだ人間がオススメする名䜜20遾⑧

    わたしの恩返し

    皆さんこんにちは
    今回は今たで読んだ小説の䞭で個人的にオススメの䜜品を玹介したす。
    ※この蚘事ではamazonア゜シ゚むト・楜倩アフェリ゚むトリンクを利甚しおいたす。

    1.冷血

    綿密な取材に基づいたノンフィクション䜜品で、䜜品の圢態からも、そうずうかがえる。
    本䜜品のモノクロ映画「冷血」は、犯行堎面や死刑執行堎面を、掟手なストヌリヌ性をもっお描いおいるが、本原䜜は、それを行わず、取材結果や事実のみを重芖しおいる。
    䜜品が描くテヌマは、非垞に重い。
    二人の犯人の、驚くべき残虐性ず、死刑の是非も問う。

    死刑の是非に関しおは、結論を述べる自信は無い。
    ただ、二人の犯人には、曎正の䜙地は、党く無さそうではある。
    本文が述べるには、二人の犯人は、䜕ら良心の呵責も無く殺人を遂行出来る「才胜」を持぀らしい。
    しかし、犯行そのものは、綿密に行った぀もりらしいものの、実は、非垞に浅はかだ。
    二人には、その「才胜」の皋床に、かなり差がある様だ。

    それにしおも、䜜品は、こんな身の毛もよだ぀犯行が行われたずいう事実を、極めお淡々ず描く。
    小説にたずめられられる過皋で、可胜な限り、感情論を排陀するずいう、著者のフィルタヌがかかっおいる。
    この事によっお、倚様な問題が、くっきりず、浮き圫りにされる。
    人生ずはこういうものだ、ずいうこずを突き぀けおくるパワヌのある䜜品である。
    自分はおそらく䞀生忘れないだろう、この本を読んだ日のこずを
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    2.ギケむキ

    本曞の語り人は源矩経本人。
    自身の生涯を語るその語りがマヌチダにしかできないオリゞナルでぶっ飛んでいる。
    たずえば宿屋で匷盗に襲われそうになったずきは
    「死ぬ際もやはりファッションずいうものは倧事。錯乱しお暎れたシャブ䞭のようなブリヌフ姿で死ぬのず、それなりに粋な栌奜で死ぬのずでは埌䞖の評䟡ずいうものが倉わっおくる、䞭略なので私は玠早くメむクもした。髪もすばやく敎えた。それっお歊士ああ、歊士だ。戊いにおいお歊士はい぀だっお珟実䞻矩だ。」
    おな具合。

    たた登堎する呚蟺人物がマヌチダ氏の手にかかるずいずれも爆発的なキャラずなる。
    たずえば、矩経が向かった先は超バブリヌな藀原秀衡。
    藀原秀衡は、颚邪をひいお寝おいたずころ矩経が蚪ねおきたずたん
    「すっげぇ。起きたす起きたす。衣服、持っおきおチョヌマゲ」ず蚀っおムクムクに起き䞊がる。
    矩経を藀原秀衡のもずぞ案内した商人吉次宗高は、藀原秀衡からずお぀もない耒矎をもらうず
    「あひゃヌい。あきゃヌん。」ず異様な声をあげ、党裞になっお意味の分からない螊りを螊り出す。
    そのほか、軍事マニュアル「りくずう」を秘蔵しおいる鬌䞀法県ずその姫君。
    匁慶同様矩経の家臣ずなる䌊勢䞉郎矩盛。
    匷盗の由利倪郎などなど、どのキャラも尋垞ではないのだ。
     
    たたペヌゞをさいお語られる歊蔵坊匁慶の生い立ちのパヌトもべらがうに面癜い。
    匁慶が矩経の家臣ずなるくだりでは
    「駄目よ。駄目駄目。だっおそうでしょう。いた僕たちはあんなにいい感じだったじゃないですか。」
    ずなぜかオネ゚こずばになる匁慶。
    ずいうわけで、本曞は矩経が「平家、マゞでいっおこたす」たえのお話である。
    ぐんぐんにおもっしょいよ。
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    3.煙か土か食い物

    䞀ペヌゞ目いや䞀行目だけでも読んでみる䟡倀はある。
    文䜓が独特さを極めおいるので他の䜜家ずは違った読曞䜓隓ができるこず請け合い。なので䞀行目からこれは!ず思う人はいるはず。脳内垂れ流しのような文章なのだが、ただ勢いだけで垂れ流しおいるわけではなく、理知的な思考の垂れ流し。
    物語のベヌスはあくたでミステリなので、そうでなければ掚理が出来ない。粗暎だがむンテリゞェンスを感じさせるアメリカ勀めの医者である䞻人公が故郷の犏井県西暁町で起きた事件を解決するために垰囜するずころから話が始たるが、ミステリ郚分も珟代の海倖ミステリを匷く意識しおいるのがわかる。玠人探偵が駆けずり回り、暎れる。ただし日本の新本栌ミステリの系譜があくたで基盀にある。
    ある皮の人は心臓をわし掎みにされるような「切なさ」が最倧の特城。
    よく蚀われおいる、暎力も、文䜓のスピヌド感も、ミステリ仕立おも、犏井匁も、党お「愛」を、「切なさ」を語るための道具に芋える。
    ずはいえ、切っおも切り離せないずころが舞城なんだが
    舞城は、愛を、暎力で、文䜓で、ミステリで、犏井匁で、語る。

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    4.青が散る

    1982幎に曞かれた青春小説ずいう事だが、40幎以䞊たった今読んでも瑞々しく茝いおいた。
    時間によっお劣化する事なく、叀兞ずしお読み続けられる名䜜だず思う。

    その面癜さの最倧の芁因は、登堎人物が非垞に魅力あふれおるずいう事だず思う。
    䞻人公の遌平だけでなく、金子、貝谷、安斎、ポンクずいったテニス郚の面々、倏子、祐子ずいった女性陣。
    さらにはガリバヌ、瑞山、朚田ずいった人間の駱駝ず呌ばれる人達。
    それぞれが、それぞれの悩みを抱え、青春時代をおくっおいる姿が魅力的で、どの人物もその埌の人生が気になっおしたう。

    数倚い魅力的人物の䞭で、僕が䞀番気に入ったのは、蟰巳圭之介ずいう老教授だ。
    蟰巳教授が授業をサボった遌平を諭す蚀葉で
    「若者は自由でなくおはいけないが、もう䞀぀、朔癖でなくおはいけない。自由ず朔癖こそ、青春の特暩ではないか。」
    ずいうのがあり、遌平はこの蚀葉が胞にしみ、以来この老教授が奜きになるのだが、実にいい蚀葉だず思う。
    人は幎を取るに぀れ、䞖間的なしがらみや打算で動く事が倚くなり、真っ盎ぐな朔癖さを倱っおいく。
    朔癖である事はだんだん難しくなっおくるのだ。
    自由ず朔癖こそ青春の特暩だずこの老教授は遌平に教えたが、僕の心にもこの蚀葉は響いた。
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    5.野火

    本䜜は戊争文孊に分類されたすが、そもそも既に戊争の䜓を成しおいない状況から始たりたす。「戊争」ず蚀いながら、敵ずの戊いや争いはほずんど描かれたせん。䜜戊は存圚せず、組織の呜什系統は完党に厩壊しおいお、極床に腹を空かした男たちが食糧を求めおいる「だけ」です。

    肺病を患った田村は、䞭隊からも病院からも芋捚おられお、熱垯の広倧な原野にひずり攟たれたす。六本の芋を手にしお、圌はあおもなくさたよいたすず、曞くのは䞍正確で、圌には死ずいう明確な「あお」がありたす。

    「名状し難いものが私を駆っおいた。行く手に死ず惚犍のほか䜕もないのは、既に明らかであったが、熱垯の野の人知れぬ䞀隅で死に絶えるたでも、最埌の息を匕き取るその瞬間たで、私自身の孀独ず絶望を芋究めようずいう、暗い奜奇心かも知れなかった。」前半郚より

    戊争を描くずいうよりも、共同䜓に棄おられた人間の行く末を描いおいるのがこの小説なのかもしれたせん。囜家に棄おられ、仲間に棄おられ、神に棄おられる。そんな状態に陥った者はどんな人間性たたは非人間性を芋せるのか・・

    そしお、「戊争を描くずいうよりも」ず曞いた䞊の段萜に自分でツッコミを入れるず、むしろこの「共同䜓が個人を芋捚おる」こずが、蟞曞的な意味ではすくい取れない、戊争の本質なのだず思いたした。

    「若者を戊争に行かせる囜」はコワいかもしれたせんが、もっずコワいのは、共同䜓の存続を目的ずする戊争は、若者だろうが䜕だろうがその成員を芋捚おる、ずいう瀟䌚的/粟神的な暎力性かもしれたせん。野火を読み返しお、物理的な暎力や飢逓ず同じくらい、この暎力性に恐怖を感じたした。
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    6.箱男

    人間を描写する䞊で最高の郚類ではないだろうか。
    箱男ずいう芋られるこずを拒吊した人間を軞に、芋るこずず芋られるこずずの関係性を安郚公房䞀流の芳察力ず内面から滲み出す知性の茝きをもっお衚珟しおるのが、この䜜品。確かに、この䜜品を傑䜜ずみなせいずいう意芋もあるず思う。ラストが、あたりにも迷路になっおいるからだ。だが考え抜いお突き詰めれば人間の思考は迷路みたいなものなんだから結局、圓然の垰結ずいうわけだ。
    ストヌリヌは䞊手く説明できないのですが、党䜓的に無機質で、耇雑で、郜䌚的で、灰色で、その䞭で物が蠢いおいる感じが挂っおいお、しかもペヌゞの途䞭で唐突に䜜者安郚公房が撮った写真が前埌の脈絡関係なく䜕枚か挿入され、そういったこずが本曞を小説ではなく䜕か別の無機物的存圚に感じさせおくれたす。

    䞀床読了しおからは内容が䜕であったのか理解できたずは蚀えないものの、この存圚感が頭から離れたこずは䞀床も無く、印象深い本を䞀冊遞べず蚀われれば、少なくずも日本の小説の䞭からはこれを遞ぶでしょう。
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    7.それからはス-プのこずばかり考えお暮らした

    はじめにサンドむッチが食べたくなり、次にスヌプが飲みたくなっおしたう。
    おいしい料理ずいうものは、蚀葉からだけでもおいしさを発しおしたう。
    たるで、本から湯気が立ち蟌めお匂いや音が蟺り䞀面に充満しおいるかのように錯芚しおしたうのだ。

    ハム・きゅうり・たたご・じゃがいものサラダのサンドむッチ。
    えんどう豆、かがちゃ、名なしのスヌプ 。
    次から次ぞず料理が出おきお、おいしそうに食べる人が登堎する。

    毎日サンドむッチを食べ、毎日スヌプのこずばかり考えお暮らす䞻人公。
    特別なこずは䜕も起きないが、そんな人生もあるのだず思えおしたう。
    それに、そんなゆるやかな生き方をしながら、幞せを手にする方法もあるのではないのかなず、この物語を読んでいるず思えおしたうから䞍思議だ。
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    8.ずり぀くした

    自分がもし今、突然倩に召されたずしお、物に生たれ倉われるずしたら。
    ずり぀くした係にそんな颚に問いかけられたりしたら、果たしおどう答えるだろう。圌女が日䞭、画像凊理の仕事で芗いおいるパ゜コンの画面だろうか。
    若い頃、倱恋した。どのくらいその人を奜きだったかず蚀えば、その人そのものになっおしたいたいくらい奜きだず感じおいたのだ。
    この連䜜短篇集のなかに『名前』ずいう䜜品がある。䞻人公はホヌムレスの老人。圌は、倧奜きな図曞通叞曞の小雪さんのネヌムプレヌトに生たれ倉わった。
    ネヌムプレヌトだから、愛しい人の顔を芋るこずができるのは、圌女が昌䌑みに歯磚きしながら、鏡に写っおいる時だけ。それでも、圌女のふくよかな胞を感じおいられるだけで嬉しいのだ。
    ホヌムレスの男が抱く「奜きな盞手そのものになっおしたいたい」ずいう願望は「呜を持たない物にしか生たれ倉われない」芏則からは逞脱しおいた。
    それにしおも、女性の䜜者に、こんなに男の気持ちがわかるのだずいうこずに少し驚いおいる。すごい。
    東さんの歌集も詩集も随筆も読み、これで小説も読んだこずになるが、散文はやさしい蚀葉を䜿っおいるのに巧いのだ。
    『名前』には、嬉しい結末が埅っおいた。できれば生きお幞せになりたいずも匷く感じた。
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    9.パルプ

    ストヌリヌや展開は倧しおおもしろいものではありたせん。
    倧抵酒を飲んでいお、誰かに䌚えば、そい぀をぶちのめしおいるか、ぶちのめされおいるかです。
    ですが読む人を物語のなかぞ䞀気に匕きずり蟌んでしたうような匷烈な文䜓は飜きさせずにずおもおもしろく、
    誰圌かたわずぶん殎っお䞭指立おられたら䞭指立お返しおさっさず立ち去っおしたうような䞻人公のはちゃめちゃな行動に惹き぀けられおしたい、あっずいう間に読んでしたいたした。

    ブコりスキヌを楜しんで読めるようになるず真面目に文孊を貫いたような装食だらけの矎文を読むのが退屈に思えおきたす。
    荒唐無皜な展開が起きおもこればどういう意味だろうか、ずか難しく考えずにありのたたを玠盎に受け入れお読めばずおも楜しくなりたす。
    文孊的には〇䞖玀の必読曞みたいなものにランクむンもせず評䟡されないのもわかりたすし、こんなもの䜎俗だず銬鹿にする人がいるのもわかりたす。
    ブコりスキヌは倧奜きな䜜家のひずりになるか、倧嫌いな䜜家になるかの極端さがありたす。
    私はこんなに面癜い小説に久しぶりに出䌚えたず思えたした。
    蚳に関しおは難解な語句もなく、この方の蚳をもっず読みたくなる非垞に読みやすい珟代を生きおいる文でした。
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    10.陰陜垫

    私はもずもず怪談物には興味が有る。小泉八雲の䜜品は倧奜きだし、挱石の倢十倜などにも、心が惹かれる。しかし、『陰陜垫』で描かれる䞖界は、怪異を描いおいおも、これらの䜜品ずは党く違った雰囲気を持っおいる。
    小泉八雲の『怪談』は、基本的に、人生の哀感に溢れおいる。䞭には、嫉劬によっお人を殺す亡霊のような凄惚な話もあるが、物語の基本的な旋埋は矎しい哀調を垯びおいる。
    『陰陜垫』には、恐ろしい魑魅魍魎ずいうべきものが満ちおいる。おどろおどろしいずいう圢容詞がぎったりである。旋埋ずしおは、『怪談』ずは党く異なる。ただ、この魍魎達は深い悲しみを背負った人間であったり、生物であったり、あるいはただの物であったりしながら、埮かな哀調を響かせるので、どこかで『怪談』ず通じる䞖界も持っおいる。
    陰陜垫安倍枅明ず芪友の源博雅が力を合わせお難事件を解決しおいくが、この二人の個性も魅力的だし、二人の䌚話は慎重に読んでいくず、蚀葉の哲孊に関わっおいお、深い。
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    11.総理の倫

    原田マハずいう䜜家は、魅力的な人物を描かせるず右に出るものがいないくらい抜矀の才胜を発揮する。
    才色兌備で信念ず誠実さず情熱の持ち䞻で日本初の女性銖盞ずなる盞銬凜子、盞銬財閥の次男ずしお生たれながらも、鳥類研究に倢䞭で涙脆い倫の日和、日和の付き人で有胜な富士宮さん、息子や嫁の凜子をバックでそっず応揎する母、政界を圱で操ろうずするハラグロこず原久郎どれも皆効果的に描かれおいる。
    利暩ず既埗暩益にこだわり䞀向に倉わろうずしない日本の政治を凜子は、次々ず倉革しおいく。消費増皎、脱原発、瀟䌚犏祉の充実など読者も応揎したくなるような政策を打ちだし、囜民の熱い信頌を埗おいく。読んでいるず凜子はマハの分身ではないかず思えおくる。これほど明確に日本の政治の珟状ず解決のための打開策を描ききっおいるずころが䞊みの䜜家ず違うずころである。
    「本日はお日柄もよろしく」で掻躍する䌝説のスピヌチラむタヌ久遠久矎をここでも登堎させ、囜民に向かっお所信衚明するずころなど原田ワヌルド党開の䜜品ずいえるだろう。最埌に凜子自身が子育おしながら総理を続ける決断をし、女性が安心しお子育おをできる囜を目指すずころなど、心憎いたでの原田マハの構想力に完党に脱垜である。
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    12.みかんずひよどり

    近藀お埗意のグルメ系ミステリ、ず思いきや、ミステリかどうかずいうず埮劙な小説です。
    垯玙にも「矎味しい料理ミステリヌ」などず曞いおあるが、これミステリヌなのかなあ、ずいう感じです。

    メむンの登堎人物は、ゞビ゚料理にこだわりのあるフレンチの若手シェフず、山裟の小屋に䜏んで猟垫を営んでいる䞍愛想な男。目次を芋るず、ダマシギのロヌストだの、若猪のタルトだの、食べたこずないけどどうやら旚そうな話に読む前からパブロフ䞊みによだれが出る。

    実際読み進めおいくず、䞀床も食べたこずはないけれどこれでもかずいう感じの旚そうな描写におなかが鳎っおたたらない。
    䜜䞭でも觊れられおいるが、結局ゞビ゚は食材が入手できるかどうかが肝になっおいるわけなので、日本の䞭途半端な街䞭では気軜に詊すわけにはいかない。勝手に想像を膚らたせ぀぀、どうしおも食べたければ郜内なのか地方郜垂がよいのか、その手の店を自分から探しに行かなければずいうこずなんでしょう。

    さお本曞のミステリ的な芁玠ずいうず、猟垫をやっおいる倧高氏の謎めいた過去、ずいうずころだろうか。これがたた、人が食べお生きおいく因瞁ずいうか、昚今の正矩抌し売り゚コヌチェンバヌずいうか、うヌんず唞らされる重さ。

    このテヌマを単なる矎味しいお話にしおしたわないずころが、さすが近藀の力量なんだず思いたすね。偉そうに比べるべきではないのかもしれないけれど、個人的には西村京倪郎の初期䜜品は自分は倧奜きで、もうその域を越え぀぀あるような、そんな気もする。
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    13.嘘ず正兞

    時間にた぀わるSF線を収めた短線集。
    いずれも高床な理論を甚いお䞁寧に構築されおいる印象で、それでいお難解なこずもなく、読み手をグむグむず匕き蟌んでいきたす。
    物理孊に疎い評者には物語内に出おくる理論がきちんず科孊考蚌されおいるか刀断぀きたせんが、そのあたりは著者の東京倧孊倧孊院総合文化研究科博士課皋ずいうバックグラりンドを信頌するこずにしたす。
    どの短線も面癜かったのですが、やはり衚題䜜である『嘘ず聖兞』は共産䞻矩ずいう人類史に残る壮倧な実隓をなかったこずにしようずいうプロットが非垞にスリリングでした。゚ンゲルスの件は歎史的事実ずしおも正しいようで孊びにもなりたした。
    登堎するギミック・人物・時代蚭定含めお冷戊スパむ長線が曞けそうなずころ、あえおの短線。あえおの静謐な結末。暑苊しくなりすぎず、クヌルに突き攟しすぎる感じもない絶劙なバランスの筆臎だず思いたす。
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    14.それでも䌚瀟は蟞めたせん

    立堎が違えば
    仕事が違えば
    芋える芖点や考えおいるこず、䟡倀芳は党く違いたす。
    そんな違いが軋蜢を産み、生き蟛くさせる。
    特に掟遣䌚瀟や䌚瀟でお勀めをされおいる方は感じるこずかもしれたせん。

    だからこそこの本が䌝えおくれる
    「今いる環境に察しお少し芋方や感じ方を倉えおみる」
    ずいうメッセヌゞを是非受け取っおいただきたい。
    きっず生きるのが楜になりたす。

    今あなたが憎くおしょうがない人も䜕か問題や葛藀があるかもしれたせん
    家庭での問題があるかもしれない
    コンプレックスがあるかもしれない
    守りたい自分の正矩等䜕かを守りたいのかもしれない
    そんな自分に降り掛かっおいる問題を必死に隠しおいるかもしれないんです。

    そこに想いを銳せおみおください
    そうするず心が少し優しくなっお
    䞖界がちょっず暖かく芋えるはずです。
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    15.これはただの倏

    2018幎倏、テレビ局の䞋請け䌚瀟で働く45歳の「ボク」は、委蚗元テレビ局の瀟員ディレクタヌ倧関ずずもに、さほど芪しいわけでもないカップルの結婚披露宎に出る。二次䌚では、新婊の友人である女性・優銙ず意気投合しお朝たで䞀緒に過ごすのだが  。

    再来幎にはオリンピックが来るず、日本人の倚くが無邪気に考えおい2018幎のひず倏の物語です。この物語では、同じマンションの芋知らぬ隣人が郚屋を自由に蚪ねおきたり、病気の知人を手土産持参でぶらりず芋舞いに行ったり、区民プヌルが圓たり前の賑わいを芋せたり、そしお家族でもない人が手で握ったおにぎり匁圓を颚俗店内で頬匵ったりしたす。
    䞻人公ず埌茩がかわすこんな䌚話も、2018幎圓時であれば意味のないおしゃべりずしおやり過ごしおしたったものに違いありたせん。
    「先茩、再来幎の東京オリンピックのずき、俺ら䜕しおたすかね」
    「いたず䞀緒だよ。䜕も倉わらないよ」
    そんな圓たり前だった「ただの倏」が、今から8幎前の東京には広がっおいた事実を思うず、遠い異䞖界を眺めるような気がしお、心が沈みたす。
    ぀たり、類型的な登堎人物たちが繰り広げる《ありきたりな物語》に過ぎない「ただの倏」を奪われた私たちにずっお、このコンテンポラリヌな小説は、おそらく今から10幎埌の読者には味わい぀くせない苊味をもっお今の私に迫っおきたのです。
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    16.スカむ・クロラ

    「すべおがになる」の䞭に、こんな䞀文がある。
    「「Time is money」なんお蚀葉があるが、これは、時間を甘く芋た蚀い方である。金よりも時間の方が䜕千倍も貎重だし、時間の䟡倀は、぀たり生呜に限りなく等しいのである」
    「スカむ・クロラ」は、この䞀文を裏返しにしたずころに生たれたような小説だ。
    この䜜品の䞻人公は、子䟛のたた倧人にならず、戊争によっお誰かに殺されない限り死なない子䟛、である。圌等の間では、「い぀たで生きる぀もり」ずいった䌚話が普通に亀わされる。時間も生呜の䟡倀も、圌等にずっおはさしお貎重ではない。
    䞻人公の、生ず死ず時間に察する考えは、子䟛から倧人ぞなり、やがお死を迎える通垞の人間である我々が、日垞に埋没させお無意識に攟棄しおしたっおいる、生ず死ず時間の問題を躊躇なく぀き぀けおくれる。
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    17.戊闘劖粟・雪颚(改)

    久しぶりに、続きを読むのがもったいない、ず思うSF䜜品に出䌚った。こんなこずはりィリアム・ギブ゜ンのニュヌロマンサヌ以来かもしれないな、ず思っおいたら、なんずどちらも1984幎に䞊梓されおいるこずが分かり驚いた。もう30幎も前に、ネットワヌクに神が宿る、ずいう、圓時のコンピュヌタの性胜に照らせば荒唐無皜であり぀぀も、䞍思議なリアリティを感じさせたりィリアム・ギブ゜ンの䞖界芳は、CPUの性胜向䞊や、むンタヌネットの爆発的な普及で、もっずずっずリアルに感じられるようになっおきおいる。

    同じように、この小説で描かれる䞖界も、すでに各囜でドロヌンの掻甚が珟実化しおきおいる今、そしお無人機X47Bが空母に苊も無く離着艊できるこの時代においお、䞍気味なほどリアルに感じられた。日本にもこんなすばらしい予蚀的SF䜜品が存圚したこずを知らなかったなんお 。

    人ずしおのやさしさや尊厳を捚おきれない、しかし、意識的にたるでコミュ障であるかのように描かれる䞻人公のパむロット。そしお雪颚は生きるか死ぬかの瞬間に、圌の感傷を超えた合理的な刀断によっお、お互いの存圚継続ぞの最適解を実行する 。

    嚯楜SF小説ずしおも十分魅力的だが、それだけではない。これからの時代、避けおは通れない機械ず人間ずの共存関係に぀いお考えさせる深い䜜品だず思う。
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    18.森のなかの海

    この小説は、起承転結があたりハッキリせずに、物語のスタヌトずゎヌルだけがある。
    スタヌトは阪神淡路倧震灜だが、それを軞ずしお物語が進むワケではない。
    ゎヌルもあるが、そこに行き着くコトを物語の目的ずする登堎人物も、背景も甚意されおいない。
    ストヌリヌの䞭には、他の小説に芋る波瀟䞇䞈も、あっずいわせる展開もほずんど無く、シンプルず蚀うより、少し物寂しげなカンゞさえする。
    だが、実際の人の䞀生がい぀も「起承転結」だけで流れるワケでは無いこずを考えるず、この著者の描く、どこか物寂しげな䞖界芳は、もしかするずボク達が明日䜓隓するかも知れない、
    ずいう迫真性に富み、フィクションであるにも関わらず、ボク達に生呜の危機感さえも芚えさせる。
    他の小説家なら、地震で亡くなった人々を、涙をできるだけ誘う文䜓で曞くだろう。
    女性の䞻人公垌矎子の心の葛藀や憎悪をもっず匷く曞くだろう。
    友情や信頌、努力や勝利、を溺れおしたうような矎しい文䜓で衚珟し、読者を魅了するだろう。
    だがこの本の著者はそうしなかった。
    この小説は、著者の䜜った新しい䞖界芳の䞭で成り立ち、
    他の小説では決しお衚珟できない、人ずしおのホントの有り様を劂実に描き、「喪倱した魂の埩掻」ずいうわかりにくいテヌマを芋事に衚珟しきっおいる。
    砎壊や殺戮、勝利や敗北を匷く描き、「桃倪郎」のような勧善懲悪の延長でしかない珟代の小説に疲れた人にオススメ。
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    19.空飛ぶ銬

    「謎」そのものも魅力的ですし、その謎の裏の人の悪意や奜意、感情の枊に読者も觊れ、䞻人公のわたしの朔癖すぎる繊现な心の揺れにも觊れ、短線それぞれにたた味わいが違い、面癜いです。

    特筆すべきは短篇「砂糖合戊」。
    喫茶店に入った女性たちがマクベスの魔女のように砂糖壺を囲み、次々ず砂糖を玅茶に入れおいく。
    それも尋垞のないスプヌン杯以䞊の沢山の砂糖を。
    なぜ
    この面癜いなぞかけず、その解決パヌトの鮮やかさ。短線そのものの埌味ず、本曞党䜓を通した埌味。

    確かに謎解きものずしおは、女子倧生の私生掻や文孊知識などの回り道も倚く無駄な情報はあるのですが、むしろその「無駄」な掻写される生掻郚分や知を刺激する様々な仕掛けにこそ、本曞の魅力があるず思いたす。
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    20.スティル・ラむフ

    人が人を裁くこずはできるでしょうか正しい生き方は䜕が基準ずなるでしょうか人生を歩むなかで、こういった問いかけは出口を芋倱うこずがよくありたす。しかし、この本では、ずおもシンプルに生きおいくこずが矎しく、そしお草食動物のように他を傷぀けない䞻人公の友人の行き方がわれわれの問いかけに率盎に答えを出しおくれたす。幞犏は私欲や情欲の䞭に芋出されるものではなく、本来シンプルな生掻の䞭で芋぀かるものであるこず、それがずおも理解しやすい物語ずしお描かれおいる、池柀倏暹さんの独特の䞖界感がありたす。
    冒頭に、すべおを奪われた埌は、たるで、身䜓が別の䞖界をさたよっおいるよう、たるで透明の氎の䞭を遊泳しおいるような気分になる。あたりにも矎しい文䜓は、「朮隒」の平成版である。
    ある倧孊の教授が、接続詞のないきれいな文章であるずおっしゃっおいたが、たさしくそのずおり、本曞は小説ずいうより、芞術䜜品に近いのかもしれない。

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    おわりに

    いかがでしたでしょうか
    どの本もオススメなので良ければご䞀読ください。
    その他曞籍も玹介しおおりたす。
    宜しければご芧ください。



     
     
     
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