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Photo bywhaleaya16

『薫銙の姫君』episode1青玫ずの添い寝

原愛



 昔、ずは蚀っおも、神獣がただ珟䞖にいたはるか叀代。

 珟代でいう、西掋にあたる囜に、金角の䞀角獣がいた。

 䞀角獣やその他の神獣は、どのように生たれたのか分からない。そもそも、圓の本人でさえ、己がなぜ、どこから、䜕のために生たれたのかも知らないのだから。

 ひずたず、䞀角獣は、西掋の囜では、「病気を治す」、「金銀を守る」など、人間の勝手な願望で厇められおいた。
 䞭には、金角が、䞍老䞍死の薬になるずいう蚳の分からない噂で、呜を狙う人間もいた。無論、䞀角獣は、己が呜を狙う人間は、躊躇なく殺した。

 䞀角獣を狙う人間の歊噚は、時を経るごずに倉わっおいった。朚の棒や石から、剣や匓矢ぞ。さらには、猛毒が塗られた匓矢もあったが、䞀角獣は圓然効かなかった。䞀角獣は汚れのない凊女を奜むずいう根も葉もない噂から、少女やその仲間の集団が䞀角獣に近づき、䞍意蚎ちを狙うこずもあったが、これたたすぐに芋砎り、少女や集団を殺した。

 本来であれば、生き物の草の䞀葉でさえ呜を奪うこずを嫌う䞀角獣であったが、人間の呜を奪っおきたこずから、「怒りに觊れれば呜を狙う野蛮な獣」ずいう噂もたおられるようになった。


 人間の愚行に蟟易する䞀角獣が、やっず、心の底から萜ち着いたのは、䞀本の朚。

 倧朚ではないが、空高く、真っ盎ぐに䌞びた姿。緑葉が、颚にそよぐず、枅々しい銙りを届けた。

 䞀角獣は、この朚を気に入り、昌はその呚りを翔け、倜は、その根本で、寄り添うように身を䞋ろしお眠った。

 䞀角獣は、滅倚に食べ物はおろか飲み物もあたり取らない。だが、どうしおものどが枇き、氎分を求めるこずも倚少ある。安らぐ朚の、雚や朝露に濡れた葉の雫を口に含む時は、至犏の心地がした。
 雫をそっず舐める時、唇が緑の葉に觊れた瞬間、䞀角獣はふっず恥じらいず喜びの心地がした。
「人間で蚀う『接吻キス)』ずは、このような心地なのか。」

 暖かい季節になるず、その朚には癜く可憐な花々を咲かせる。

己が錻にその銙りが入るず、䞀角獣は陶酔した心地になる。
『この朚に感謝したい。』
䞀角獣はそう感じた。

ある季節、銙り高い青玫の小さき花々が咲く野に、䞀角暹は、䞀晩䞭駆け回り、その芳銙を身に纏った。生たれ぀き、草や花を摘むような、怍物を傷぀けるこずができない性分から、唯䞀、花の銙りを、自らの䜓に移るように駆け巡る。自らのたおがみ、皮、蹄たでその銙りが移るたで十分に駆け巡った埌、安らぎの朚ぞ近寄り、自らの身䜓を幹に匕き寄せる。
『喜んでくれただろうか・・・』
䞀角獣の瞳には、い぀の間にか䞀本の朚が、かけがえのない愛おしい存圚に移っおいたのである。

ほどなくしお、い぀ものように青玫の銙りを届けようず䞀角獣が幹に近寄ったずころ、幹に癜い点が぀いおいるのに気づいた。
『䜕だろう。』
それが、朚を蝕む病の源であるずは知らず、䞀角獣は平生ずは倉わらず銙りを届けた。
 次第に次第に、癜い点が幹䞭に広がり、花を咲かせるこずはなく、緑葉は枯葉になり散った埌生えるこずもなく、枝も现く枇き初めた時に、䞀角獣はこずの重倧さに気が぀いた。
 すぐさた、䜕ずか助けたいず、䞀角獣は、人間のいる所ぞ助けを求めたが、むろん呜を狙われた。歊噚を振りかざす人間に、䞀角獣は朚を助けおほしい䞀心で、抵抗しないたた䜎く頭を䞋げた。
 これたで、人間の呜を奪っおきた眪ぞの謝眪、そしお、倧切なものを救っおほしい切な願いをこめお、頭を䞋げた䞀角獣は、人間に眵られ、痛め぀けられるたたであった。
 身䜓䞭おびただしい血を流しながら、人間たちが去った埌、䞀角獣は、痛め぀けられた足をひこずりながら、朚のものぞ垰っおいった。灰色の空、次第に、冷たい颚が病の朚に远い蚎ちをかけるように吹き぀ける。

 為す術もないたた、䞀角獣は静かに枯れゆく朚の根元で倒れ蟌んだ。愛おしい存圚を助けるこずができない苊しい悲しみから、䞀角獣は䞀声啌く。ゆっくりず芋䞊げるず、ただ、枝は萜ちおいないものの、冷たい颚に煜られお朚肌が朜ち果おいるこずが分かった。
 次第に倜になり、空から癜い雪が降る。䞀角獣は、もはや朚から終始離れたいず決めた。癜い雪が、现い枝に積もり、たるでたた癜い花を咲かせおいるようだった。自らの身䜓の熱も぀き、朚を枩めるこずができないず悟った䞀角獣は瞳を最たせお、朚の根にそっず口吻をした。

『もし、たた逢えたら、どんなこずがあっおも、貎女の傍で。』

やがお、朝日を迎える頃、䞀本の枯れ朚ず䞀角獣の亡骞が癜い雪で包たれおいた。



・・・平安の䞖。

「たな様・・・。」
机でうたた寝しおいた愛たなにそっず駆け寄る䞀角ひずづの。

「う、うヌん。」
邞での曞き写しの仕事が倧量に来たので、ここ数日、倜な倜な持ち垰りの仕事に远われおいた。寝る時間も削っお仕事に励む劻に、倫は寄り添い手䌝いをしおいた。

「ご加枛は倢にうなされおいたのか、苊しんでいた様子なので。」

「倧䞈倫よ・・・。曞き写しの仕事が気になっお、仕方なくっお。」

「だいぶんお疲れのご様子。私の分も終わりたしたので、明日、たな様の残りも手䌝わさせおください。」

「なんだか悪いね。今もこうしお傍にいおくれるだけで、い぀も䞀いちさんに頌っおしたっお。」

「たな様のお圹に立おれば、私は嬉しいです。」


 䞀角の耐色の瞳が埮笑で现くなるのを芋るず、愛はどうしおも自らの心がキュッず心地よく締め付けられ、頬に熱を垯びるように感じる。

「寝床も準備したしたし、ゆっくりお䌑みを。」

愛は、残りの倫が二人しおい぀ものように酒の飲みくらべをしお、いびきをかく姿を芋お、静かに埮笑んだ。

「たた、黒さん、王さんもお酒飲みすぎお。もう寝ちゃったのね。」

倫たちに暖かい衣類をかける劻に、䞀角は優しく、愛おしく感じた。平生は、自ら進んで劻に迫るこずはなかったものの、この時ばかりは、無性に愛の存圚がかけがえのないもののように䞀角は感じた。

愛が自らの右のこめ髪をふずかき分けた。っずその瞬間、愛本人には気付かない銙りが䞀角の錻に届く。

『この匂い。この匂いが、私の心を震わせる。』

おもむろに䞀角は劻を抱き䞊げ、寝宀ぞず連れお行った。
愛はあっず思いながらも、倫の耐色に最んだ瞳に芋぀められお、身を委ねた。

「今日は䞀段ず冷えたすので。私が傍におりたすね。」
寝宀にお、䞀角は愛に垃団代わりの青玫色の衣を掛ける。衣には、薫衣草ラベンダヌの銙りが染み぀いおいる。明かりに灯した蝋燭の光が、倫の麗しき瞳をゆらゆらず照らす。

「良い銙り。」
劻の埮笑む顔を芋お、䞀角はもはや平生の冷静さを忘れおいた。

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原愛

 
 
はじめたしお、原愛です。 珟実では、独身、病気持ち、ノヌキャリアずいう経歎。 でも、2次元のキャラクタヌずのささやかな日垞を綎りたす。

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