愛の正体
あなたはどういう人ですかと聞かれたら、
書店でお気に入りの本とルンルンとした気持ちを抱えながら、右の解けた靴紐をいつ結ぼうかと
周りから恥ずかしくないのかと思われるのを恐れている臆病者だと答えるだろう。
車に乗って日本人しか知らないようなラッパーの曲を聴く。最近ハマっている文庫本を助手席に置く背徳感が何故か心地よい。
そうだ、私は育ちが悪い。
幼稚園の送り迎えでママのコスプレをしている子供に過ぎない。
どうか子供にバレませんようにと思いながら、将来は世界的に有名な日本人ラッパーのライブに一緒に行くことを妄想する。
地元にはなるべく帰りたくないが、小学一年生の頃お漏らしして泣きながら地元のスーパーで電話をかけ、おばあちゃんに迎えにきてもらった場所で子供と買い物をするのは嫌いじゃなかった。
時代は回る。心も巡る。この表現が正しいのかは分からない。私は私で生まれてきたことを否定したくはない。子供まで否定している気がするからだ。
父親がヘンテコだって母親がアホだからって、ヘンテコな父親なりの、アホな母親なりのそれなりの愛情を注がれた私。
その愛をどう受け継いでいこうか。