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なぜ、大三島だったのか ― この企画展が生まれるまで ―

    2026年8月、しまなみ海道沿いに位置する大三島美術館にて、ジュリアン・シニョレの彫刻を展示する企画展「ごえん」が開催されます。

    本企画展では、ジュリアンが2026年7月に大三島にて大島の石、大三島の木を用いて、彫刻を制作するところから始まります。もとい、その「ごえん」、そして作品創りはジュリアンが大三島を訪れた時から、あるいはそのもっとずっと前、「ごえん」という彫刻を彫り始めたその瞬間から始まっていたのかもしれません。

    「時間、空間、関係 ― そのすべてがごえんであり、作品である」
    これが、ジュリアンが大切にしている信念です。

    時間とは、作品が生まれるまでのすべてのプロセス。
    空間とは、フランス・パリ、日本・大三島、そして大三島美術館という場所。
    関係とはジュリアンと島の人々との出会いです。

    私たちは、生まれてから死ぬまで、「ごえん」を感じずに生きることはできるのでしょうか。人は誰しも「ごえん」に生かされ、導かれ、そこから悲しみも喜びも生まれる。

    たくさんの「ごえん」の中で、今このページにたどり着いたこと、そしてここまで読み進めていることも、ひとつの「ごえん」です。

    そして――
    あなた自身もまた、この企画展、そしてジュリアンの作品の一部なのです。

    フランス・パリを拠点に活動するジュリアンが、なぜ大三島で企画展を開催することになったのか。
    この企画展に至るまでの「ごえん」を、これから少しずつ、紐解いていきます。

    ↓ジュリアンのインタビュー記事はこちら

    ジュリアン・シニョレ (Julien Signolet)
    2007年よりパリ11区のアトリエを拠点に、木から石に至るさまざまな素材と対話を重ねながら、東西に通じる精神性をテーマに制作を行う。
    日動画廊パリにて定期的に展覧会を開催。
    近年は、展示空間全体を用いたインスタレーションへと表現を展開する。
    パリ・ニュイ・ブランシュ(パリ白夜祭)では、サン・セヴラン教会(Église Saint-Séverin, 2020年)、サン・ルー・サン・ジル教会(Saint-Leu-Saint-Gilles, 2021年)にて制作・展示。続くパリ、コレージュ・デ・ベルナルダン(Collège des Bernardins)での大規模インスタレーション(2023年)には、2か月で一万人が訪れた。

    日本での主な活動:
    ・アンスティチュ・フランセ関西(2013年)
    ・東京銀座 K’s Gallery(2020年)
    ・現代アートフェスティバル「Art Islands Tokyo」(2019・2020年)
    ・京都祇園 山添天香堂(2022年・2025年)
    ・BIWAKOビエンナーレ(滋賀県近江八幡市/2022年・2025年)

    2025年秋開催の国際現代アートフェスティバル BIWAKOビエンナーレでは、重要文化財「旧西川邸」にてインスタレーションを行う。

    大三島美術館
    大三島美術館は、「作家と共に歩み共に成長する美術館」であることを活動理念とし、収蔵展示をおこなっている。収蔵品は、中堅・人気日本画作家らの若き日の作品を中心に、今治市出身の智内兄助画伯の作品、さらに田渕俊夫氏の素描や下絵を含め、総数1,000点を超える。また、質の高い浮世絵作品も併せて収蔵しており、多彩な日本美術の魅力を感じられる。これらのコレクションを年数回の展示替えで紹介していくと同時に、作家との交流を活かした企画展も開催中。


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