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お米ちゃん — RICE FIELDS NEVER DIE 第二十話 夏の花火


    第二十話 夏の花火

    待ちに待った夏祭りの日。

    子供食堂の庭には色とりどりの提灯が並び、夕暮れとともに優しい灯りがともり始める。

    屋台からは焼きそばや焼きとうもろこしの香ばしい香り。

    子供たちは目を輝かせながら走り回り、大人たちはそんな姿を笑顔で見守っていた。


    ももかは、今日も子供たちの輪の真ん中。

    「輪投げ対決じゃー!」

    「負けた人はもう一回!」

    子供たちは大笑いしながら挑戦する。

    ももかも本気。

    勝っても負けても大笑い。

    その姿に、大人たちまで笑顔になる。


    源ちゃんは焼きそば屋台で大忙し。

    「熱いから気を付けろよ!」

    子供たちに焼き方を教えながら、大きな鉄板の前で楽しそうに腕を振るう。

    つむぎは少し離れた場所から、その姿を見つめて微笑んだ。

    「父さん、本当に楽しそう。」

    源ちゃんは照れくさそうに笑う。

    「祭りはな。」

    「みんなが笑ってる顔を見るのが一番なんだ。」

    その言葉に、つむぎも優しく笑った。


    やがて、会場の灯りが少し落とされる。

    「始まるよ!」

    誰かの声で、みんなが夜空を見上げた。

    ヒューーー……

    ドーン!!

    大きな花火が夜空いっぱいに咲き誇る。

    「おおーー!!」

    歓声が会場中に響く。

    赤、青、黄色。

    次々と打ち上がる花火に、子供たちは目を輝かせていた。

    奈津子と勇も、肩を並べて夜空を見上げる。

    大きな花火が上がるたびに、

    「すごい!」

    「きれい!」

    と笑顔になる。

    その瞬間。

    大玉花火が夜空いっぱいに咲く。

    「おおーー!!」

    歓声の中、奈津子は思わず勇の袖をつかむ。

    勇も自然にその手を握り返す。

    二人はそのまま夜空を見上げていた。

    花火が終わるまで、その手が離れることはなかった。

    二人の距離は、ほんの少しだけ近くなっていた。

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    少し離れた場所。

    つむぎ、ももか、アユム、アスカ、源ちゃんは、その光景を静かに見守っていた。

    誰も何も言わない。

    ただ、優しく微笑む。

    夜空には、この日最後の大玉花火が打ち上がる。

    ドーーーーン!!

    夜空いっぱいに咲く大輪の花。

    子供たちの歓声。

    大人たちの笑顔。

    その景色は、きっと誰かの心に残り続ける。

    未来は、特別な誰かがつくるものではない。

    今日、一緒に笑った時間。

    一緒に遊んだ時間。

    一緒にご飯を食べた時間。

    そんな何気ない毎日の積み重ねが、未来をつくっていく。

    夏の夜空に咲いた花火は、子供たちの笑顔とともに、静かに未来へつながっていた。

    第一章 完

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    🌾 あとがき

    第一章を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

    この物語で描きたかったのは、特別な奇跡ではありません。

    誰かと笑い合うこと。

    一緒にご飯を食べること。

    遊ぶこと。

    季節を感じること。

    そんな何気ない毎日の中にこそ、人を支え、未来へつながる力があるのではないか。

    そんな思いを込めて、この第一章を書きました。

    奈津子や勇、ももか、つむぎ、アユム、アスカ、源ちゃん。

    それぞれが少しずつ成長し、笑顔を増やしていく姿が、読んでくださった皆さんの心にも届いていたら嬉しいです。

    そして物語は、ここで終わりではありません。

    新しい季節とともに、子供たちはまた一歩ずつ成長していきます。

    第二章へ、つづく。 🌾🎆✨


     
     
    日本の食文化と心をテーマにした物語『お米ちゃん』を執筆中。 子供たちの未来が笑顔で満ちる世界を願って活動しています。 ✨ 公式X → @Okome_Tsumugi

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