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葉っぱ

何度も手を引いては、しゃがむ娘。
春の草花を覗き込みながら歩く帰り道。
でも、今日は何か違う。

指で触ったり、匂いを嗅いだり。
一体何を探しているんだろう。

お花や葉っぱは摘まないようにしようね、と普段から言い聞かせている。

摘みそうになったら止めに入ろう、と思いながら結局そのまま見ていた。

家の向かいの道まで帰ってきた時、ひとつの雑草の前でついに娘が口を開いた。
それはとても小さくて消え入るような声だった。

「これ、持って帰りたい…」

いつもは絶対にそんなこと言わない娘が、遠慮がちに勇気を出して言った一言に、「特別だよ、今日だけね」と公道の雑草の茎を1本持って帰ることを許した。

嬉しそうに持ち帰った娘は、花瓶を出してきて、これにお水を入れて欲しい。葉っぱを挿したいの、と言って自分の学習机に飾り、満足気に眺めていた。

その翌日、幼稚園バスに乗る前にまたツツジの茂みの中に顔を埋めて何かを選んでいるようだった。

昨日摘んだからまた葉っぱをちぎったりしたらどう言おうか…と少し心配したけれど、娘は落ちている葉っぱの中からまだ青々としたキレイな1枚を拾い上げ、「これ、今日幼稚園に持っていく!」と大切そうに小さな左手に乗せ、まるで宝物を持っているかのようにそっと手を握りしめ、嬉しそうに幼稚園バスに乗っていった。

午後、園にお迎えに行くと彼女の机には水分が抜けて丸く縮まった葉っぱがひとつ置かれていた。