リョウゴ・コメ説

主人と結婚が決まった頃の話。

すでに家族どうしも顔を合わせていた。

実家の姉との会話。

「どんな人なん?」

「んー。私は人生が紆余曲折すぎたけどさ。

何というか、彼の人生は、すごく良いこともなく、すごく悪いこともなかったような印象。

彼自身も、突き抜けて良い部分も悪い部分もないような。

穏やかな人だけどね。

一回、『話したいことがある』って言われて、彼なりの辛い話を聞いたんだけど、

私的には『え?そんなこと?』って思ったんよ」

姉は言った。

「なんかその印象、分かる。

リョウゴさんはな、コメなんよ。

おコメみたいな人だなーって。

やっていけばいいんよ」

その時は、あまりピンと来なかった。

それから十数年。

検証の結果、

リョウゴ・コメ説は、私の中で定説になった。

確かにコメ。

これという強い味の特徴はない。

でも、何のオカズにも合う。

毎日、当たり前のように炊いて食べる。

コメ。

私たち親子が、

こうも毎日大暴れできるのも、

コメのおかげかもしれない。

刺激物の飛び交う調理実験室。

自由すぎる味付け。

劇薬注意。

痺れ、めまい、大発生。

それでも、

コメがすべてを中和する。

強いエビデンス。

強い粘り。

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