
Qu'ils mangent de la brioche(お菓子を食べればいいじゃない)
先日、無性にトップスのチョコレートケーキが食べたくなった。子供の頃、お土産で頂くことが時々あったのだが、中に散りばめられているレーズンとクルミがちょっと苦手で、これさえ入ってなければいいのになぁと思っていた。トップスのケーキはアメリカンスタイルと謳われているが、実際アメリカで食べたホームメイド風ケーキはマズくて食えたもんじゃなかったので僕の口には合わなかったので、かなり日本人向けにカスタマイズされているのだろう。今にして思えば、あのレーズンやクルミがなかったら、随分とぼんやりした味になっているはずだ。
トップスがアメリカ菓子であるのと同様に、プリンで有名なモロゾフはロシア菓子、バームクーヘンの老舗ユーハイムはドイツ菓子であることをそれぞれ看板として掲げてはいるが、これらが「◯◯風の菓子」であることを意識して買っている人はむしろ少数派だろう。
その最たるものが不二家とコージーコーナーのお菓子ではないだろうか。「洋菓子」ではあるが、フランス風でもドイツ風でもロシア風でもない。ティラミスもあれば、抹茶のケーキもある。コージーコーナーのボテッとしたあのジャンボシュークリームにいたっては、洋菓子であるのかどうかさえ不明だ。
これをさらに突き詰めると、風月堂のゴーフルという謎の食べ物に辿り着く。
アレは一体なんなんだ(笑)。
外国人や洋菓子専門の人からしたら、日本の洋菓子店なんて節操がないと言われてしまうのかも知れないが、なんていうか、なんともホッとする味である。日本における「洋菓子」は、もはやオムライスやハヤシライス、コロッケのような、いわゆる「洋食」と同じレベルに到達したといって過言ではない。
ゴディバやピエール・エルメをはじめとする海外の名だたるショコラティエやパティセリー、コンフェクショナリーが日本にもたくさん出店して、本場の味が気軽に楽しめるようになったが、今でも不二家やコージーコーナーが潰れずに頑張れているということは、あの洗練されてるんだか野暮ったいんだかよく解らない日本人好みの洋菓子にまだまだ需要があるということなのだろう。無論、僕も大好きだ。