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1歳児市場はなかなか読めない

    おじさんパパ

    我が家には、わりとおもちゃがある。

    気づくと増えている。

    特に妻が買っている。

    そして、支払いは全部私のところに来る。

    ある日リビングを見ると、見覚えのないおもちゃが増えている。

    「また増えてない?」

    と聞くと、妻は、

    「よさそうだったから」

    と言う。

    なるほど。

    よさそうだったなら、仕方ない。

    たぶん、その「よさそう」の中には色々入っている。

    音が鳴るか。

    指先を使うか。

    すぐ飽きないか。

    箱に「長く遊べる」と書いてあると、少し安心する。

    口コミも見る。

    星の数も見る。

    それなりに考えて買っているはずだ。

    ただ、1歳児市場はなかなか読めない。

    もちろん、買ったおもちゃで遊ぶこともある。

    ちゃんと遊ぶ。

    そこは救いだ。

    でも、それ以上に熱中しているものがある。

    ペットボトルのラベル。

    あれをビリビリはがす。

    かなり真剣にやる。

    はがし終えると、なぜかラベルの方を大事そうに持っている。

    ペットボトル本体も強い。

    床にドンドンする。

    音が鳴る。

    それだけで、しばらく持つ。

    もし赤ちゃんが口コミを書けるなら、

    「ラベルの剥がし心地がよいです。音も鳴ります」

    くらいは書きそうだ。

    さらに強いのが、ミルク缶だ。

    大きいミルク缶の中に、いろいろなものを入れる。

    積み木。

    スプーン。

    ガーゼ。

    さっきまで遊んでいた別のおもちゃ。

    入れて、のぞく。

    また入れる。

    缶を少し揺らす。

    中でカラカラ音がする。

    それを聞いて、少し満足そうな顔をする。

    なぜそれを入れるのかは分からない。

    でも本人の中では、たぶん何かの業務が進んでいる。

    親が選んだおもちゃより、生活の中に転がっていたものの方が、よほど面白そうに見える日がある。

    少し複雑だ。

    全部、私が払っているのに。

    でも、息子はそんな事情をまったく知らない。

    値段も、口コミも、知育かどうかも関係ない。

    目の前にあって、触ると音が鳴る。何かを入れられて、なぜか積める。

    息子は、それでしばらく遊んでいる。

    こちらの計算は、だいたい外れる。

    そして最近、もう一つ強いものが出てきた。

    レンズのない、壊れたメガネだ。

    つるの部分を開いたり閉じたりしている。

    ある日、それを私がかけてみた。

    すると、息子がニヤリとした。

    そして、すぐに手を伸ばしてくる。

    私の顔からメガネを取る。

    その瞬間、

    「ギャハハ」

    と笑う。

    かなり本気の笑いだ。

    ドリフのコントの後ろで流れる、あの笑い声の赤ちゃん版だった。

    もう一度かける。

    また取る。

    また笑う。

    何がそんなに面白いのかは分からない。

    メガネをかけた父親と、メガネを取られた父親。

    その差が、どうやら1歳児にはかなり刺さるらしい。

    少し高かったおもちゃの音は止まっている。

    リビングにはしばらく、息子の「ギャハハ」だけが響いていた。

     
     
     
    46歳で父になった。仕事も、育児も、老後も、全部同時にやってくる。その記録

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