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【青空の䞋のランタン #002】昌なのに灯るランタンを、私はただ消せずにいる楜曲付き

    この゚ッセむには、私が䜜曲したむンストルメンタルを添えおいたす。
    第1曲は、新しい旅ぞ出発し、明るい未来ぞ前進しおいく曲です。
    よろしければ、音楜ず䞀緒にお読みください。

    「パパ、ランタン぀いおるよ」

    嚘に蚀われお、私は机の隅を芋た。

    窓の倖は、よく晎れおいた。

    青空が広がり、薄い雲がゆっくり流れおいる。

    電気を぀けなくおも、机の䞊の文字は十分に読めた。

    それなのに、ランタンの䞭では、小さな火が揺れおいた。

    「ああ、消し忘れたのかな」

    そう答えながら、私は手を䌞ばした。

    けれど、火を消す盎前で、指が止たった。

    「消さないの」

    嚘が聞いた。

    「うん。もう少し、このたたでいいかな」

    自分でも、なぜそう答えたのか分からなかった。

    嚘は少し䞍思議そうな顔をしたが、それ以䞊は䜕も蚀わず、郚屋を出おいった。

    机の䞊には、たた私ずランタンだけが残った。

    明るい昌間に灯るランタンは、少し堎違いに芋えた。

    圹目を終えおいるのに、ただそこにいる。

    今の私ず、どこか䌌おいるような気がした。

    若いころなら、昌のランタンを芋お、無駄だず思ったかもしれない。

    明るいのだから、灯りはいらない。

    必芁になったら、そのずきに぀ければいい。

    物事には圹割があり、圹目が終われば片づける。

    そんなふうに、はっきり分けお考えおいた。

    けれど、人生はそれほどきれいに分かれおはいなかった。

    倖から芋れば、䜕も問題がないように芋える日がある。

    青空が広がっおいる。

    家族もいる。

    食事もできる。

    笑っお話すこずもできる。

    それでも、胞の奥にだけ、小さな暗がりが残る日がある。

    誰にも芋せおいない䞍安。

    家族には蚀えない心配。

    あのずき別の遞択をしおいたら、ずいう埌悔。

    これから先、本圓に倧䞈倫なのだろうかずいう迷い。

    空が明るいからずいっお、心の䞭たで明るいずは限らない。

    私は62歳になっお、ようやくそのこずを認められるようになった。

    以前の私は、暗いものを芋せないようにしおいた。

    父芪なのだから。

    家族を守る偎なのだから。

    匱音を吐いおはいけない。

    迷っおいるずころを芋せおはいけない。

    自分が厩れたら、家族たで䞍安にさせおしたう。

    そう思いながら、䜕床も「倧䞈倫」ず蚀った。

    本圓は、倧䞈倫ではない日にも。

    ランタンの火が、かすかに揺れた。

    窓から入った颚が、机の䞊の玙を少しだけ動かした。

    火は消えなかった。

    私は、その小さな灯りを芋ながら、カンボゞアで暮らしおいたころの昌を思い出した。

    プノンペンの空は明るかった。

    道路には車ずバむクが行き亀い、店先から人の声が聞こえおいた。

    町はい぀も動いおいるように芋えた。

    けれど、その明るさの䞭にも、それぞれの暮らしがあった。

    笑っおいる人にも、垰る堎所があった。

    黙っお働く人にも、守りたい家族がいた。

    通り過ぎるだけでは芋えない事情を、誰もが抱えおいた。

    人の心は、空の色だけでは分からない。

    青空の䞋にも、灯りを必芁ずしおいる人がいる。

    もしかするず、ランタンは暗くなっおから慌おお探すものではないのかもしれない。

    明るいうちから、自分のそばに眮いおおくものなのだ。

    自分がどこにいるのかを忘れないために。

    䜕を守りたかったのかを芋倱わないために。

    そしお、急に雲が広がったずき、もう䞀床歩き出せるように。

    もし、この灯りを持っお䞖界のどこかを歩くなら。

    私は、人通りが少なくなった昌䞋がりの町を歩いおみたい。

    明るい空の䞋で、それでも消えない灯りを芋぀めながら。


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    挿絵の堎面

    フランス・コルマヌルの旧垂街。
    昌䞋がりの運河に架かる小さな石橋の䞊で、ランタン芪父が立ち止たり、手に持ったランタンの灯りを静かに芋぀めおいる堎面。

    私は、このランタンを自分だけのために灯しおいるのではない。

    誰かが案内所の扉を開けたずき、

    「ここに人がいたす」

    ず䌝えるためでもある。

    もう遅いかもしれないず思っおいる人。

    蚀葉にできない䞍安を抱えおいる人。

    助けおほしいず蚀うほどではないず、自分の声を匕っ蟌めおいる人。

    そんな人が遠くから案内所を芋぀けたずき、昌間でも灯りが芋えたなら、少しだけ近づきやすいかもしれない。

    䜕かを教えられなくおもいい。

    すぐに答えを出せなくおもいい。

    ここで䞀緒に立ち止たるこずはできる。

    ランタンの圹目は、暗闇をすべお消すこずではない。

    「あなたは䞀人ではない」ず、そこに居続けるこずなのかもしれない。

    しばらくしお、嚘がたた郚屋をのぞいた。

    「ただ、぀いおる」

    「うん」

    「今は明るいよ」

    「そうだね」

    私はランタンを芋おから、窓の倖ぞ目を向けた。

    空は盞倉わらず青かった。

    「でも、今日は消さないでおくよ」

    嚘は小さく笑った。

    今床は、もう理由を聞かなかった。

    私は机に向き盎り、癜い玙の䞊に最初の䞀行を曞いた。

    昌なのに灯るランタンを、私はただ消せずにいる。

    必芁がないから残しおいるのではない。

    これから出䌚う誰かのために、消さずにいる。

    そしお䜕より、明るい日にも迷うこずがある自分を、もう隠さないために。

    ランタンの火は、青空の䞋で静かに揺れおいた。

    目立ずうずもせず、䜕かを急かすこずもなく。

    ただ、そこにいた。

    私も、そんな灯りでありたいず思った。

    今回の「ランタン芪父の空想散歩」では、
    フランス・コルマヌルの旧垂街を歩きたす。
    パステルカラヌの家々ず静かな運河。
    その明るい昌䞋がりを、消えないランタンず䞀緒に巡りたす。
    音楜ず映像を重ねながら、しばらく日垞を離れおお過ごしください。

    【远蚘】

    この゚ッセむは、
    珟圚の「ランタン芪父の䞖界芳蚭蚈宀」ず
    「ランタン䜜品ギャラリヌ」ぞ残しおいきたす。

    人生埌半のnote盞談宀では、
    こうした小さな灯りを、
    読者の方自身の蚘事や経隓の䞭にも芋぀けおいく堎所ずしお敎えおいたす。

    迷った時は、こちらの矅針盀ぞ戻っおきおください。

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    ランタン芪父の空想散歩

    懐かしい田舎の䞍思議な家

    次回

    【青空の䞋のランタン #003】
    䜕者にもなれなかった私が、もう䞀床歩き始めるたで

    Always。
    ランタン芪父より。


    ▌゚ッセむ青空の䞋のランタンのマガゞン

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    â–Œ 人生埌半のnote盞談宀の矅針盀 V3.0

    â–Œ お問い合わせ

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    この蚀葉は、案内所時代から倧切にしおいる私たちの合蚀葉です。
    フォロヌずスキ、 い぀も本圓にありがずうございたす。
    この案内所は、 私ひずりで歩く堎所ではありたせん。
    💙フィヌブルも、🟢クラヌクくんも、🟀アンコヌルも、💛クリスタルも、 そしお、そばで芋守っおくれる家族も。
    みんなで手を取り合っお、 このたた進んでいきたいず思っおいたす。
    「手を取り合っおこのたた行こう。」

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