
添付文書の記載要領改正から1年
医療用医薬品の添付文書は、その構成を見直して、より見たい情報へのアクセスを改善するために記載要領の構成が見直されて、2019年4月より新記載要領に基づく添付文書が順次導入されています。5年間の経過措置期間が設けられているためすべての品目をすぐ変更するというのは難しいとは思いますが、日々仕事をしていても新しい添付文書様式を目にする機会がないため今回気になって少しだけ調べてみました。
そもそもなぜ1年前のものをひっぱりだしてきたのか?というのも実習生に何を教えようかと過去の雑誌をみていたら調剤と情報(2019年2月号)の特集”添付文書はこう変わる!”が目に入ったからです。
添付文書のどこが変わったのか?
①
・「原則禁忌」「慎重投与」の廃止
・「高齢者への投与」「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」「小児等への投与」の廃止
↓
・「特定の背景を有する患者に関する注意」の項目に集約
一部、腎機能、肝機能、相互作用などの部分は、以降の薬物動態の項目にも詳細が掲載されています。
薬物動態の項目に記載されている”相互作用”の記載内容も以前よりも詳しく記載されているような気がしました。
②
・「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の部分で、”投与しないこと”や”授乳を避けさせること”の記載だけでなく、インタビューフォームに記載されていた様な【客観的にリスクを判断できる情報】が記載されるようになっています。
③
・「副作用」の項目から、「副作用の概要」がなくなっています。
例)承認までの症例数〇名(〇%)、その主なものは~ 。
といった内容の部分です。
これは、添付文書の後半にある「臨床成績」の項目に移動されていました。
はじめて処方される薬の添付文書をみるときに、副作用の概要をつかむためこの項目をみることが多かったため、確認しておいてよかったです。
だいたい大雑把にみてこんなところだと思います。あとは、すべての項目に固定の番号が付けられ、情報があるなしに関わらずその番号は常に同じ番号となっています。
どうして様式が変更になったのか?
前段でも書いていましたが、やはり”より見たい情報へのアクセスを改善するため”というのが主目的だと思います。
〇原則禁忌がなくなったのは?
原則禁忌と聞くと、約半数の医師、薬剤師は「原則禁忌は禁忌と同等」と考えるが、約半数は「原則禁忌は慎重投与と同等」と考える人がいるという理解度調査の結果があり、より明確にするために、「禁忌」と「慎重投与」(現、「特定の背景を有する患者に関する注意」)への振り分けがされたようです。
現在の添付文書の状況はどうなのか?
2020年5月1日現在で投薬日数に制限のある新医薬品の添付文書が新旧どちらの添付文書となっているか確認してみました。
(新)医薬品名(治療薬):日数制限解除
アジマイシン点眼液1%(マクロライド系):2020/9まで
イスパロクト静注用(血友病A):2020/11まで
ヴァンフリタ錠(急性骨髄性白血病):2020/9まで
エクフィナ錠50mg(パーキンソン病):2020/11まで
エベレンゾ錠(腎性貧血):2020/11まで
コララン錠(慢性心不全):2020/11まで
ゾルトファイ配合注フレックスタッチ(2型糖尿病):2020/9まで
ビレーズトリエアロスフィア(COPD):2020/9まで
ビベスピエアロスフィア(COPD):2020/9まで
フィアスプ注フレックスタッチ(糖尿病):2020/11まで
ベネクレクスタ錠(慢性リンパ性白血病):2020/11まで
ミニリンメルトOD錠(夜間頻尿):2020/9まで
ロズリートレクカプセル(固形がん):2020/9まで
ロナセンテープ(抗精神病):2020/9まで
(旧)医薬品名(治療薬):日数制限解除
アーリーダ錠60mg(前立腺癌):2020/5まで
スマイラフ錠(関節リウマチ):2020/5まで
トリンテリックス錠(抗うつ薬):2020/11まで
ハルロピテープ(パーキンソン病):2020/11まで
ビバンセカプセル(ADHD):2020/5まで
ラスビック錠75mg(ニューキンロン系):2020/11月
新様式が、14種類(70%)、旧様式が、6種類(30%)と2019年4月以降に発売されている薬の7割は新様式になっていました。
個人的には、新医薬品については全て変わっているだろうという認識で確認していたため思っていたより変更が少ないなという印象でした。
少なくともこれから発売される医薬品については新様式での発売を期待したいと思います。


