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穴の中の君に贈る

    #毎週ショートショートnote

    参加をお願いいたします。

    穴の中の君に贈る

    君が好きな人の元へ行ったということ。その後行方知れずになったということ。私はてっきり、ハッピーに暮らしているとばかり思っていた。

    けど、違ったらしい。悪魔と契約した君は、好きな人を振り向かせる代わりに、願いが叶えば悪魔に魂を渡すということだったのだ。

    君は青ざめた顔で、
    「かくまってくれ」
    と私にすがりついてきた。私はあわてて君を穴の中にかくまった。そして、思いつく限りの対策をした。呪文を唱えて、結界をはり、見つからないようにさり気なさを装った。


    ある日、一人の老人が訪ねてきた。老人は言った。

    「穴の中の君に贈る」

    私がハッとして穴の中を見ると。もう君は居なかった。老人の姿ももうなかった。

    その代わり、私は気がついてしまった。私が穴の中に閉じ込められたということを。
    「どういうことだ?」
    私が騒ぐと、小さな穴から光がさしこんだ。
    「うわあ!」
    その光に照らされて、私はみるみると小さくなり、小さな穴になった。

    こうして悪魔が一つ消えた。

    (410文字)


    どうもありがとうございました。


    『本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です』

    2023年2月22日、追記

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