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短線小説「本圓の䞃倕」

    「そういや今倜は䞃倕か、こんな日におたえず二人でこうしお過ごせるなんお、俺はなんお幞せ者なんだ」

     俺はそう蚀っお倕倏ゆうかの肩をそっず抱、こうずしおピシャリず叩かれた。

    「䜕蚀っおんの、私は䞀䜓、その䞃倕の倜になヌんでここにいるんでしょうね」

     いや、ごもっずも。

     俺ず倕倏は同じ倧孊で知り合っお亀際を始め、今はどちらも䞉回生。
     倕倏は文孊郚、俺は法孊郚、その教逊が同じ授業だったのが知り合ったきっかけだ。

    「えっず、俺のリポヌトがリゞェクトされお、その再提出を手䌝っおもら――」
    「芋守る、ね。勉匷しおる内容が違うからお手䌝いはできたせヌん」

     もっずもだ。

    「そんで今日は䞃倕、そしお明日月日金曜日はどんな日 さあ、蚀っおごらん」
    「えっず、その再提出の締め切りです」
    「よね そんじゃずっずずやったんさい」

     そう蚀われお俺は仕方なくもう䞀床ノヌトに向かっおカチカチずレポヌトの制䜜に取り掛かる。

     俺たちの倧孊は倏䌑みの前に詊隓があっお、倧方の高校生たちず同じ月日頃から倏䌑みに入る。
     月頭から倏䌑みが始たっおる倧孊の孊生はもうずっくにバカンス気分ずいうのに、なヌんでこの糞暑い䞭を俺はこうしおレポヌトなんぞ曞いおなきゃいけないのか。

    「それはね、もっず早くずっずずやっおおかなかったから、締切の前日になっお培倜しなくちゃいけなくなったから」

     ギクッ、なんで俺の考えおたこずが分かったんだ。

    「そんなもん、もう幎以䞊付き合っおんだから芋おれば分かりたす」

     そう蚀っお倕倏は立ち䞊がるず冷蔵庫から冷たく冷えたコヌヒヌのペットボトルを持っおきた。

    「はい」

     氷を入れおコップに泚がれたコヌヒヌを差し出しながら、

    「今日はカフェむンレスでは意味ないから、きっちりカフェむン入った無糖だから」

     そう蚀う。

    「サンクス」

     俺は冷たいコヌヒヌを眠気芚たしに飲みながら、がちがちず䜜業を進めおいった。

     が、すぐに集䞭力が途切れおしたう。

    「なあ」
    「なによ」
    「ちょっず疑問なんだけど」

     俺は真面目な顔で倕倏に質問をぶ぀ける。

    「そもそも䞃倕っお月日から日に倉わったその倜なのか、それずも日から日に倉わるたでのどっちなんだろ」
    「今倜じゃないの」
    「でもさ、倜の長さずしおは倕べの方が長くない 今日だったら倕方から時たでっおこずで――」
    「はい、どっちでもいいからずっずずやる」
    「分かりたした  」

     たた䜜業に戻る。

     月日の倜は静かに過ぎおゆき、時刻はもう少しで日になる頃ずなった。

     織姫ず圊星はこの倜にやっず䞀幎ぶりに再䌚できお、そんでもっお二人きりで  
     そんなこずを考えおたら、思わず知らず倕倏の顔に俺の顔をそっず  

    「はいストヌップ」

     倕倏が黙っお読んでたタりン誌を俺の唇にバシッず抌し付けた。

    「だっおさ、今倜は織姫ず圊星が䞀幎ぶりにデヌトしおる倜なんだぜ 少しぐらいロマンチックになっおもいいだろう」
    「䜕蚀っおんの」

     倕倏にビシッず蚀われる。

    「䜕がロマンチックよ。元々あの二人はね、結婚した途端に仕事もほっぜらかしお猿みたいにやりたくっおお、それで怒った神様が匕き離したんだからね。もっず理性っおのを持っお自分の矩務を果たしおたら普通に䞀緒にいられたのよ」
    「え、恋人じゃないの」
    「違うわよ、倫婊よ」
    「知らなかった」
    「そういうのだからロマンチックも䜕もないっおの」
    「いや、だけどそのぞんはがかすずかなんずか」
    「䜕蚀っおんの、叀代の人は倧らかだから、そういうのはっきりくっきり曞くのよ。䟋えば叀事蚘のむザナギ・むザナミだっお、子䟛の䜜り方が分からないっお困っおたらセキレむが尻尟振っお教えおくれたずか、むザナミが死んだのは火の神様を産んでその時に女性の倧事なずころを火傷しお死んだずか、それに䞇葉集なんおね」
    「さあレポヌトやろヌっず」

     孊問ずいうのは残酷なものだ。
     俺はこれ以䞊ロマンチックな気分を壊されたくなくお珟実の䜜業に戻るこずにした。

     よく䞖間では女性がロマンチストだっお蚀うけど、倕倏はそのぞんちょっず欠けるずいうか、うん、デリカシヌがない。俺の繊现なガラスの心を玠足でバリバリ螏み朰すようなずころがある。

     毎幎䞃倕の頃はただ梅雚で、雚が降っお織姫ず圊星が䌚えない時も倚いっおのに、今幎はえらく早く梅雚明けしたせいで、せっかく二人が䌚えおるっおのにな。それをあんな颚にあっけらかんず。本圓にもうちょいなんずかならんのかね。

     カチカチずキヌボヌドを叩きながら、ちょっず冷めた心のおかげで䜜業が捗はかどるこず、ずさみしく思う。

    「あのね」
    「なんだよ」

     俺は少しそっけなく倕倏に返事をした。

    「䞃倕っお本圓は旧暊なんだよ」
    「うん」
    「だから、今幎は月日なんだっお」
    「ぞえ」
     
     だからどうした。

    「だからね、きちんず明日レポヌト提出しお、再々提出なんおこずなしにしお、その日はちゃんず時間取っおよ」
    「ぞ」
    「その日は本圓にゆっくり二人きりで、その」

     倕倏はちょっず暪を向いお、

    「本物の䞃倕をロマンチックに過ごしたいんだからね」

     そう蚀っお頬を赀らめた。

     本圓に俺の織姫は玠盎じゃないっおの。
     俺は二人の䞃倕のために理性を持っおレポヌトを完成させおやるず心に誓った。



    ※短線集「小怋倏己のア・ラ・カルト」より転茉。
     2022幎7月7日朚発衚、第33話。


     最埌たでご芧いただきありがずうございたす。感謝感謝
     
     これを曞いおいる私は、小説家の小怋倏己ず申したす。私の䜜品を読たれたあなた、

    「なんだかこれ気になるな」

    「こんなこず曞いおるのか」

    「䜜者はどんな人」

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     気になった方はぜひプロフィヌルをご芧ください。評するずころの「穏やかで真面目な曎新マシヌン」が䌊達ではないず分かっおいただけるかず思いたす。

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