
殿下がおかしいので婚約破棄します
婚約発表を行う舞踏会が開催される日。わたしはいつものように目を覚ました。
わたしは公爵家令嬢のレティシア。若く美麗な王太子クオーレ殿下と婚約予定で、社交界で羨望の的である。
しかし、その朝はなにか違った。
わたしは父上に会いに行った。
「お父様」
「どうした、レティシア」
「婚約破棄をお願いします」
「は?」
「殿下がおかしいんです、よく考えたら」
「いや待て、おかしいとは?」
「昨日、花を送ってくださいました」
「ありがたいことではないか」
「今から思うとおかしいんです。なぜかニンニクの香りが」
「……ふむ?」
「他にもあります。殿下の部屋にお邪魔したら、なにかこう……ニンニクの匂いが」
「……ニンニクだと?」
「他にもあります」
「待て、わかった吟味しよう」
「ありがとうございます」
わたしは部屋に戻った。
間違いない、わたしが前世にいた時の旦那だ。今朝思い出した。
ニンニク大好きで餃子ばかり食べていた。こちらの世界でも作らせているのだろう。
旦那には悪いが、2度目はない。