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この映画に「美しさ」は求めてはいけない。『我々は宇宙人』を観て思い出した。そうだった、地球は感情を味わう星だった。

映画『我々は宇宙人』を観た。
最初に言っておく。

この映画に、美しさを求めてはいけない。

少なくとも私はそう感じた。

きれいに整えられた感情とか、

気持ちよく回収される物語とか、

「いい映画だったね」と笑顔で劇場を出られる安心感。そういうものとは、ちょっと違う場所にある映画だった。

でも私は、この映画を観終わって、

「すごい映画を観た」

と思った。

なぜなら、私にとっての「すごい映画」は、
「面白かった!」
「素晴らしかった!」
だけで終わる映画ではないからだ。

笑ったり。
嫌だったり。
怖かったり。
腹が立ったり。
昔のことを思い出したり。

「私は好きだった」
「いや、私は苦手だった」
と、観た人同士で意見が割れて、
それでも、誰かに話したくなってしまう。

そんな映画を、私は「すごい映画」だと思っている。

『我々は宇宙人』は、まさにそれだった。

ひとつだけ、伝えておきたいこと
映画の内容について細かく書く前に、ひとつだけ。
学生時代や幼少期などに、つらい経験をしたことがある方。

人の強い感情がぶつかる場面が苦手な方。

大きな音や激しい描写が苦手な方。

人によっては、鑑賞中につらく感じる場面があるかもしれない。

もちろん感じ方は人それぞれだけれど、
「ちょっと今日は心が弱っているな」
という日は、無理をしなくてもいい映画だと思う。

もし観るなら、私は映画館の出口に近い席を選ぶのもひとつだと思っている。
つらくなったら、一度外へ出る。

映画は最後まで座って観なければいけないものではない。

これは映画館の現場で長く働いた私からの、小さなアドバイスです。

音がない。余白がある。それが、不気味で怖い。
この映画で、私が強烈に覚えているのが、

余白。
と、
音楽がない場面の描写

音楽が感情を説明してくれない。
「ここは悲しいですよ」
「ここは感動するところですよ」
と、BGMが手を引いてくれない。

だから画面の中にある沈黙が、そのままこちらへやってくる。

これが、私はものすごく不気味だった。

アングルも絶妙に不思議だ。
近い。
近い。
近い。
と思ったら、
遠い。

その距離感が何度も変わる。
人間同士もそうなのかもしれない。
隣にいるのに、ものすごく遠い。
遠くにいるようなのに、急に心の奥まで入ってくる。
近いのか。
遠いのか。
わからない。
そんな距離感の中で、私の脳みそが勝手にいろんな記憶を引っ張り出してくる。

あ、そうか。小学生だった。
映画を観ながら、
「ああ、そうだった」
と思った。

小学生って、こうだった。
子どもの世界って、決して「かわいい」だけじゃない。
残酷だったりする。
理由もなく誰かを好きになったり、
理由もなく誰かを嫌ったり、
昨日まで一緒にいたのに、今日は仲間じゃなかったり。

大人になった今なら、
「そんなことしちゃいけません」
と説明できることも、子どもの世界では、説明される前に起きてしまう。

この映画の描写がとてもリアルなので、
私の記憶は自分の学校時代に見てきたシーンを引っ張り出してきた。

おそらく観る人によって、
全然違う記憶が出てくる映画だと思う。

だから、人によって評価が大きく変わるんじゃないだろうか。

表情から逃げられない
とにかく表情だ。

この映画の人間たちは、
感情を隠してくれない。

怒る。
戸惑う。
怯える。
笑う。
傷つく。

子どもの顔って、ときどきものすごく残酷なくらい正直だ。

だから観ているこちらも、
少し自分をプロテクトしながら観なければならないような感覚があった。

映画を「眺める」というより、
感情の中に放り込まれる。
そんな感覚に近かった。

宇宙人肯定派の私は、ちょっとドキッとする
ちなみに私は、
かなりの宇宙人肯定派である。

宇宙人という言葉を聞くと、
どちらかというと、
「こんにちは〜!宇宙人さん」
くらいの気持ちでいる。

私の脳内の宇宙人は、わりとかわいいビジュアルをしているため場合によっては一緒にお茶もできる。

そんな宇宙人肯定派の私なので、
『我々は宇宙人』
というタイトルには当然反応する。

ただ、この映画の中にある「宇宙人」という言葉や存在感は、
私の想像している、
ふんわり、かわいい、
「地球って面白いね!」
みたいな宇宙人とはちょっと違った。

だからこそ、
この世界にはドキッとした。

同じ「宇宙人」という言葉なのに、
こんなにも意味が変わる。

あれを思い出した。
映画館を出たあと、
妙な感覚が残った。
楽しい。
だけではない。
悲しい。
だけでもない。
怖い。
だけでもない。

言葉にできない感情が、
何個も同時に体の中に残っている。

そこで、ふと気づいた。

ああ、そうだった。
地球って、感情を味わう星だった。

嬉しいだけじゃない。
悲しいだけじゃない。
嫉妬もある。
怒りもある。
孤独もある。
好きもある。
嫌いもある。
理解できない人もいる。
それでも誰かと一緒に生きている。

もし本当に宇宙人が地球へやってきたら、
地球人を見て、

「なぜそんなに感情が忙しいの」
と思うのかもしれない。

でも、
もしかすると、
その感情こそが我々宇宙人が地球に来ている理由なのかもしれない。

私たちは、大人になるにつれて、
感情を上手に整理する方法を覚えていく。

だからこそ、
『我々は宇宙人』に、
私は美しさを求めてはいけないと思った。
だって地球はきれいな感情だけを味わう場所じゃないのかもしれないから。

自分の感情が追いつかないうちにラストエンドを迎えるそのシーンで感情がしっかりと洗われていく。

監督、製作陣の皆さん、この作品を生み出して下さりありがとうございました。最後まで記事をご覧いただいた皆さんありがとうございました。

最後に言いたい。

タイトルアップ、神すぎて!!!!!!

#我々は宇宙人 #映画感想 #映画レビュー #映画から考える #感情を味わう #宇宙人  


【お写真コーナー】

わーいと思っていた入る前
まっすぐに撮ろうと頑張っていた頃
わざと斜めに撮ってみたり
引きで撮った方がきれいなことに気づく

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