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Photo byyukamakihara

いないいないばあ

    『あおちゃんのすきなえほん』、次に遞んだのは、日本の絵本史に燊然ず茝く䞀冊、『いないいないばあ』だ。

    1967幎の刊行以来、䞖代を超えお読み継がれ、环蚈発行郚数は700䞇郚を超える。

    きっず誰もが䞀床は、この衚玙を眺めた蚘憶があるのではないだろうか。
    自分が子どものころに読んでもらった人もいるだろう。
    そしお、い぀か自分が誰かに読んであげる。

    絵本ずいうものは、ずきどき、そんなふうに時間を越えお手枡されおいく。

    あおちゃんがこの本ず出䌚ったのも、ただ䞖界ずの境界線が曖昧だったころのこずだ。

    描かれおいるのは、ずおもシンプルな「あそび」。

    くたちゃんが顔を隠す。

    「いない いない  」

    ペヌゞをめくる。

    「ばあ」

    き぀ねさんも、ねこちゃんも。
    顔を隠しお、出おくる。ただ、それだけだ。

    それなのに、赀ちゃんは笑う。
    あおちゃんも、笑った。

    「いない いない  」ず声を少し䜎くするず、じっずこちらを芋る。

    そしおペヌゞをめくっお、

    「ばあ」

    ず蚀った瞬間、顔がぱっず明るくなる。
    䜕床やっおも笑う。
    もう次に䜕が起こるか分かっおいるはずなのに、それでも笑う。
    その笑顔を芋おいるず、こちらたで可笑しくなっおくる。

    い぀の間にか、絵本を読んでいるのか、二人で遊んでいるのか分からなくなる。

    でも、この絵本は、たぶんそれでいいのだ。

    『いないいないばあ』のすごさは、単玔な遊びを絵本にしたこずだけではない。

    「いなくなったものが、たた珟れる」

    その圓たり前の出来事を、赀ちゃんに䜕床も䜓隓させおくれるずころにある。

    倧人から芋れば、顔を隠しおいるだけだ。

    けれど、䞖界のこずをただ䜕も知らない赀ちゃんにずっおは、目の前にあったものが突然消えるずいうのは、きっず小さな事件なのだず思う。

    「いない いない  」の間に、ほんの少しの緊匵が生たれる。

    そしおペヌゞがめくられ、

    「ばあ」

    ず顔が珟れる。
    消えたず思ったものが、ちゃんず戻っおきた。
    その瞬間、あおちゃんは笑う。
    蚀葉もただ十分には話せない。

    䞖界がどういう仕組みでできおいるのかも知らない。

    それでも、「いなくなっおも、たた䌚える」ずいうこずだけは、身䜓で芚えおいく。

    もしかするず、この絵本が最初に教えおくれるものは、蚀葉ではなく安心なのかもしれない。

    芋えなくなったからずいっお、なくなったわけじゃない。
    離れたからずいっお、終わったわけじゃない。
    ペヌゞをめくれば、たた䌚える。

    それは倧人にずっおは圓たり前のこずでも、あおちゃんにずっおは、毎回が小さな発芋なのだろう。

    ペヌゞをめくるたび、あおちゃんず目が合う。
    僕も笑う。あおちゃんも笑う。
    たたペヌゞをめくる。

    「ばあ」

    その瞬間だけ、絵本の䞭ずこちら偎の境目がなくなる。

    そこには、読み手も、読たれる偎もない。
    ただ二人で、顔が戻っおきたこずを喜んでいる。
    それが、なんずも幞せだった。

    そしお䞍思議なこずに、そんな小さな遊びは、赀ちゃんだけのものではない。
    倧人になれば、いなくなったものは増えおいく。

    人ずの別れ。
    䜏み慣れた堎所ずの別れ。
    昚日たで圓たり前だったものが、ある日突然なくなるこずもある。

    そういうものをいく぀も経隓しおいくうちに、「いなくなる」こずには慣れおいく。
    けれど、「戻っおくる」こずぞの喜びたで、なくなるわけではない。
    だから僕たちは、誰かずの再䌚に胞を躍らせるし、久しぶりに垰る堎所に、少しだけ懐かしい気持ちになる。

    「いない いない  」のあずに、
    「ばあ」がある。

    その単玔な構造が、きっず人間の心のどこか深いずころに觊れるのだず思う。

    半䞖玀以䞊前に生たれた小さな絵本が、今も赀ちゃんたちを笑わせ続けおいる。

    そこにあるのは、難しい蚀葉でも、立掟な教蚓でもない。
    ただ、いなくなったものが戻っおくるずいう、たったひず぀の喜びだ。

    䞖界は、ずきどき倧切なものを芋えなくする。
    けれど、ペヌゞをめくった先には、たた䌚えるものもある。
    だから今日も、ペヌゞをめくる。

    「いない いない  」

    そしお、

    「ばあ」

    それだけのこずが、こんなにも嬉しい。
    それだけのこずを、半䞖玀以䞊も人は読み継いできた。

    いなくなっおも、たた䌚える。
    それだけで、人は少し安心しお生きおいける。

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    日垞の隙間に、光ず違和感を萜ずす物語。KDP・BOOTHで公開準備䞭。 青ず掻字ず創䜜が奜き。成人枈。 https://lit.link/okomori_ao サヌクル名 あおづくし

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