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三笠書房の編集部も驚いた、4回書き直しの舞台裏。16万部のヒットを運んだのは『成り行き』でした。

    先日公開した「はじめに」の全文公開に、三笠書房さんの公式noteが反応してくださいました。

    担当のOさんにOKをもらった原稿を、僕が勝手に(笑)ひっくり返した裏側を、こんなに熱く紹介していただきました。
    公式の皆さんがこうして「著者の足掻き」を面白がって応援してくれること、本当に心強く感じています。

    さて、今日からいよいよ「厳選10項目」の先行公開をスタートします。
    トップバッターは、僕が25年の編集人生で辿り着いた、「成功の本質」について。
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    「計画」よりも「成り行き」に委ねてみる

             人は理屈ではなく、 感情で動く
                ― デール・カーネギー(作家・自己啓発研究家)
    30代、40代の頃の私は、手帳は「空いているスペースがあれば埋めるもの」と思っていました。
    編集長として、自分の担当本だけでなく、メンバーの進行管理も担う立場。
    「計画通りに発刊できない=編集長としての評価が落ちる」という強迫観念に似た思いがあり、数ヶ月先までのスケジュールを逆算しては、予定通りに仕事が進んでいると安堵する。そんな日々でした。
    しかし、そんな段取りは、あまりにあっけなく崩れます。
    ある本を作っていたときのこと。
    順調に進んでいたはずの進行が、依頼していたイラストレーターの「音信不通」によって完全に止まってしまいました。
    腕は一流。でも、納期が守れない。連絡が途絶えたと悟った瞬間、「どうリカバリーしようか」と考えるあまり、胃のあたりがズシンと重くなったのを覚えています。
    結局、その本の発売は大幅に後ろ倒しになりました。空いた穴を部下に埋めてもらうべく頭を下げてお願いし、社内調整に奔走しながら、自分のダメさ加減を思い知らされた気分でした。
    ところが、です。予定より遅れて世に出たその本は、結果として10万部を超えるヒットとなりました。後ろ倒しになったことによって、原稿をブラッシュアップするゆとりが生まれたからです。
    もし計画通りに発売されていたら、10万部という数字は出なかったかもしれません。
    「最悪だ」と思っていた成り行きが、実は最高の結果への伏線となったのです。

    「目標設定型」に疲れたら


    作家の永松茂久さんは、著書『人生に迷う君に送る24の手紙』の中で、成功には二つの型があると言っています。
    ひとつは、ゴールと期限を決めて突き進む「目標設定型成功法」。
    もうひとつは、目の前のことに誠実に向き合っていたら、予想もしない道が開けていく「展開型成功法」。
    50代になると、多くの人が「目標設定型」に少しずつ疲れを感じ始めます。仕事、家族、自分自身の健康。あらゆることが「段取り」通りにいかなくなるからです。
    でも、安心してください。人生の「思わぬご褒美」が待っているのは、実は後者の「展開型」のルートの方なのです。

    寄り道と雑談から生まれたヒット作


    私が手掛けた『永遠のガンダム語録』という16万部のヒット作も、始まりは「成り行き」でした。
    残業中、少し疲れて自販機へ飲み物を買いに行った帰り道。
    ふと、他部署のデスクの横を通りかかると、コンビニ担当の編集者と営業担当が「ガンダムの語録、ほしいよね」と雑談しているのが耳に入りました。
    普通なら「他部署の話だし自分には関係ないよな」と聞き流すところですが、その時、私の脳裏にある一冊の本が浮かびました。
    「それなら他社から単行本が出ているよ。うちで文庫化を提案してみたら」
    その場で交わした何気ない一言が、あれよあれよという間に形となり、結果として16万部という数字を叩き出したのです。
    もし、あの時の私がスケジュールに追われ、一秒でも早くデスクに戻ることしか考えていなかったら。
    自販機へ行く余裕すらないほど、目の前の仕事に集中していたら。
    16万部のヒットは、この世に存在していませんでした。
    長い間、私は成功するには、目標に向かって歯を食いしばって頑張らなくてはと思い込んでいました。
    今では成功の本質とは、目標に向かって歯を食いしばることではなく、ふとした拍子に舞い込んできた「面白そうな成り行き」に、ひょいと乗っかってみること。そう確信しています。

    横浜から京都への転居も成り行きで


    私の京都移住も、まさに「成り行き」の極みです。
    30年以上前、新入社員として本社のある京都に住んでいた頃、50歳を過ぎて再びこの街で暮らすなんて、1ミリも想像していませんでした。
    1997年に東京へ転勤となり、2002年には横浜に家も買いました。「もう一生、この場所で生きていくんだろうな」と疑いもしなかった。
    しかし2年前、妻と「京都、いいよね」と話し、たまたま良い物件が見つかったから決めた。ただ、それだけのこと。
    しかし、成り行きに身を任せた結果、今の私は東京で「仕事」に追われていた頃には想像もできなかった、静かで「いい気分」な毎日を過ごしています。
    計画通りの人生より、「今日をいい気分で終えられる成り行き」を尊重する。
    それが、50代からの人生を、予想もしなかった風通しのいい場所へと連れて行ってくれるはずです。

    ひと言アドバイス
    目標を追いかけるのをやめて、目の前の「いい予感」に身を委ねよう。

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    今日の「16万部のヒットは、計画を捨てた成り行きから生まれた」
    というお話、いかがでしたでしょうか。
    「頑張らなくていいと言われて救われた」といった声をたくさんいただき、僕も勇気をもらっています。
    次回4月17日は「なぜ、『上機嫌な人』に運と人とお金が流れてくるのか」についてお話しします。

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    作家・編集者。1970年生まれ。PHP研究所を経て47歳で独立。編集した本は『人は話し方が9割』など600冊超、累計1200万部。2000人超の一流著者の観察から「人生は能力より気分の高度で決まる」という本質にたどり着く。50代から人生の操縦席を取り戻す考え方を発信中。

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