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新社会人を見て私が願うこと

新年度がやってきた。
学生の頃は入学や進級にクラス替えと、何かと新年度を感じる場面ばかりだったが、社会人となった今では皆無である。1月から2月になるのと同じように、3月から4月へと移り変っていく。
ただ1つ、新年度を感じるタイミングといえば、新しいスーツを身に纏った若者らを目にした時だろうか。新品のスーツが放つキラキラとした印象だけでなく、彼らから放たれている[期待や希望に満ちた鮮やかなオーラ]を目にすると、4月がやって来たのだと感じる。あくまで個人的な感覚として。

かく言う私も、新品のスーツに袖を通して新たな門出を迎えた当時、不安と同時に、新天地への期待や希望を感じていた。その頃の私はきっと現在の暗いオーラとは全く異なった、彼らと同じように鮮やかなオーラを放っていたに違いない。

社会に出ると、見たくない現実と向き合わなければならない場面が増える。理不尽なことを言ってくる人と関わる機会はあるし、自分の能力不足を突きつけられて気が滅入る日だってある。全く挙げたらキリが無いのだ。それに加え、働いて眠るだけで1日が終わっていくことへの絶望感まで抱えながら、ただ粛々と毎日をこなしていくしかない。

そんな日々を過ごしていると、かつて抱いていた期待や希望などすっかり忘れて、いつの間にか顔色は曇り、息を切らしている。その上、SNSをひとたび開けば、やれ[社会人は○○をすると良い]だの、[○○する社会人は上司に嫌われる]だのとありとあらゆる情報がひしめき合っていて息切れどころか、溺れて息が詰まりそうにさえなる。

新社会人となったみんなへ伝えられることがあるとすれば、とにかく、無理をしないで欲しい。
無理をしてでも頑張らなければならない場面はあるし、頑張れなかった人に向けられる世間からの視線は相変わらず痛い。それでもどうか、溺れて息が詰まってしまう前に息継ぎをすることを忘れないで欲しい。

[逃げてもいい、立ち止まってもいい、引き返してもいい]なんて在り来りな耳障りの良い綺麗事ばかりを無責任に並べてくる大人たちが、当時の私は嫌いだった。
それでも、期待や希望を心の奥底に仕舞い込んで、馬車馬のように働き、段々と暗いオーラに変わっていく新社会人を見ていると、この言葉を投げ掛けずにはいられない。社会を知って、希望の形が変わることはあっても、無くなってしまうことがないように、一緒に息継ぎをしながら泳いでいけたらと思う。

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