
2024年1月1日、「令和6年能登半島地震」、皆様のご無事をお祈り申し上げます。
2024年1月1日。
新年は明けましたが、全くおめでたくない雰囲気で新年がはじまりました。
皆様のご無事をお祈り申し上げます。
(あけましておめでとうございます、に代わるご挨拶が必要になっている)
散文でいろいろ元日に起きたこと、考えていたことなどを残しておきます。
時間を、元日の午前に巻き戻す。
私といえば昨年の振り返りと新年の所信表明的なブログを書こうと思っていたんだけど、それよりもまえに仕込んだり、挨拶をしたりせねばならないことを元日の午前中に済ませていたところです。
朝まで製作をしていたのもあって、12月31日が続いていた午前が終わり、幸いにして挨拶は無事に終わり、そのまま遊びに行こうか、それともお酒でも呑んで、正月らしく過ごそうか、というところで、緊急地震速報が。

2024年1月1日 16時10分 石川県能登地方 マグニチュード7.6(速報値)、震度7。気象庁は 「令和6年能登半島地震」と命名。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240101/k10014305521000.html
思い起こせば2011年3月11日14時46分に発生した「東北地方太平洋沖地震」は、「東日本大震災」と呼ばれている。この地震はマグニチュード9.0だった。その頃は、大学の先生になって1年目で、最初の卒業生が卒業するところ。当時の前職である日本科学未来館で被災するという気まずさ。しかも担当していた学生たちは就職活動も終わらずに、なんとか卒論を書き上げて、学位だけでももぎ取って、アパートを引き払って実家に帰るところです、というタイミングだった。大学の所属学科の卒業制作発表会がその翌々日に予定されていて、その「実施をどうするか」で大揉めに揉めている中で、命からがら逃げ出した頃を思い出していた。
(ショッキングな映像などが脳裏をよぎったが、再掲するのはやめておく)
2024年の生成AIはどんな年になるかを考えていた
深津貴之さんいわく
AIの未来で、分岐して読めないことが一つあって……
— 深津 貴之 / THE GUILD / note (@fladdict) December 31, 2023
AIの未来で、分岐して読めないことが一つあって… 日本では、解雇規制が改革されるまえにAI到来が起きた。この場合、日本では「新規採用せずにAI導入」「リストラせずにリスキリング」という動きが欧米より強くでる。ここで、AIの欧米式と日本式運用に大きな違いがでて、単純に欧米のベストプラクティスが輸入できなくなる可能性がそこそこ高くある。
逆に欧米は、「とりあえずリストラ」を前提として流動性がさらに高速化するので、労働者は「業界を選ばずに転職しても転用できるAIナレッジ」の普遍化スキル方向に進化する…のではないかと思われる。
想定されるリスクは、欧米のAIナレッジは「場所を選ばない標準化」に強く引っ張られる。日本のAIナレッジは「弊社の特殊オペレーションを前提としてリユース不可なサイロ」になる…場合で、AI導入マニュアルとかはもっとここを警告すべきではないかと思う。
日米でAICUという生成AIのスタートアップ企業を興した私としても、深津貴之さんのお話はそのとおりで、米国型の生成AIは知識層のカサ増しが、LLMのようなアシスト技術により「誰でも全知全能の神と対話できるタケウマ」に乗った状態を作ることができるといえる。しかも自由に歩ける。日本での「八百万の神々」、山や森、すべてのものに内在する精霊との対話とは全く違う世界観だ。
同じような欧米型のDXと日本型、とくにJTCにおけるDXの違いについては、ちょうど1週間前にAEONの山﨑賢さん(@yamaken_66)が整理してくれていた。
イオン Adevent Calendar 2023最終日
— 𝕂𝕖𝕟 𝕐𝔸𝕄𝔸ℤ𝔸𝕂𝕀 @イオンCTO (@yamaken_66) December 24, 2023
「巨大企業でDX革新を起こすということ」
硬いタイトルですが、内容は柔らかめに。イオンのような巨大企業の立ち位置と、そこで働く意義について想いを込めました#zenn #AdventCalendar https://t.co/xZvDal9kvi
そのイオンは今年からパート時給7%上げを宣言したばかり。
40万人対象。これは勝負に出たね。
色々意見はありますが、、40万人賃上げはすごいと思う
— 𝕂𝕖𝕟 𝕐𝔸𝕄𝔸ℤ𝔸𝕂𝕀 @イオンCTO (@yamaken_66) December 31, 2023
イオン、パート時給7%上げへ 40万人対象、24年春闘(時事通信)#Yahooニュース https://t.co/I1SKWlZ70F
イオンの前身「岡田屋」には、「上げに儲けるな、下げに儲けよ」という家訓がある。
「下がるときにお客様の役に立つのが本当の商人だ」という岡田屋の考え方は、生成AIの時代のDXにおいても意味を持つものと思う。エンジニアリング文化における言語化はなかなか難しいが、リテールにおけるテクノロジーは安定して動くソロバンであるべきで、従業員にとってもお客にとっても、汎ゆる意味で「洗練されている」必要がある。少なくとも複雑怪奇で新規性を求めるものではないのだろう。
仔細な例で述べるなら、レジの決済端末はロゴやブランドよりも、1台で4種のICカード決済をユーザ側で処理できるような端末が求められるし、映画館サービスであれば、新規で複雑な仕組みよりも、非常にしっかりとした作りのポイントシステムが重要になる。逆に些末で良くない例としては、新しい機能やサービスが、ユーザの決済体験を非常に悪くする。具体的には映画の予約→決済→チケット受け取り…という流れになる。そこに後から追加した「dポイント決済」が入り込むだけで、余計なタイムアウトや決済の失敗、ログインの失敗などを生む。これはシステム側の問題ではない。むしろユーザーには選択的にdポイントの恩恵が受けられるはずの機能追加であるが、ユーザ側は「今いきなりdポイントにログインしろって言われても」という状態になってしまう。何も悪くないのだけど、それでも急いでいるユーザーにとっては「これのおかげで家族一緒に映画を観る体験が観れず、最悪の体験になった」という感想が残る。つまり「うまくいっても誰にも褒められないが、失敗すれば怒鳴られる」というようなタイプの仕事だ。
非常に共感できる話をPFNで金融・機械学習の研究開発を行っていた伊藤克哉さん(@k1ito)が年末にまとめていた。
https://note.com/k1ito/n/n58ab7554ff51
①作るな、売れ。
②顧客?どこの何部の誰さんでいくら予算をもっている?
③お金の出し手「金ない」「人いない」「なぜお前」
④お前の市場規模、小さすぎ。
⑤お前は天才じゃない。
⑥どの山に登る?どこから登る?なぜ登れる?
⑦リスクをとるな。
⑧技術≠プロダクト。
⑨技術はときに自分の首を絞める。
各号のあとに続く「ともすれば、」の部分が大変沁みるので、経営に興味がある人は原作を読んでほしい。
私は技術屋でもある。正月に親戚で集まってみて振り返ると、うちの一族は完全に技術屋であることがわかる。息子たち世代はほぼ工学部だし、曾祖父さんの時代においても工兵であることがわかっている。しかしこれはリスクでもある。
k1itoの格言を逆からたどれば、「技術は時に自分の首を絞め、プロダクトではなく、リスクはとってはならず、どこから登る、なぜ登れるのか、どの山に登るかをしっかり考えなければならない、ただの凡人」なのである。
これはAIをビジネスにしようと考えるすべての人が心に置くべき課題。
照らし合わせれば、2023年の我々技術屋は「生成AIによってハルシネーションをしている存在」に過ぎない。ダニングクルーガー効果の「馬鹿の山」とガートナーの「Hypecycle」における「過剰期待の頂」にいた。誰か他人が作った技術や市場に下駄を履かせていただいて、「見える、つくれる」と思いこんでいるだけの「ちょっと技術に詳しい存在」に過ぎない。本当に技術に詳しいのであれば、GANの頃から作っていた。ChatGPTなどが登場する前に作れているし、ChatGPTが出てきたことでつくれるようになったのであれば、他の似たような誰かだってつくれるようになっている。今だってTransformerがあればつくれるものは作れているはず。事業として何かを進めるのであれば、ソレがプロダクトになるのかどうかを真剣に考える必要があるし、製品として売るのであれば、ソレの原材料は(他のプロダクトと同様に)混じり物が全くない、もしくは自分が食べ物として口に入れて飲み込んでも問題がない原材料で作る必要がある。そういうリスクをきちんと読みこめているか。
さらにそのまま前半まで遡ると「その凡人」が、小さすぎる市場規模、お金の出してがカネがない、人居ない、そしてなぜお前に、をきっちりと考えて、どこの何部がもっている予算の中で「作っていく、のではなく、売っていく」という必要がある。物売りの天才が爽やかにソレをお金に変えていく姿は、そこでやっと必要になる。というか技術屋からみればソレは「俺たちの丹精込めて作った技術をなんという売り方しているんだ」というそういう姿になるのかもしれない。植木等のサラリーマン娯楽映画の脇役みたいな技術者を演じるのがいちばん幸せなのかもしれない。
2024年の元旦は「まさに日本」という出来事で始まっている
大震災があるとフランスで暮らしていた時やフランスからの留学生と活動していて感じたことを思い出す。大震災や火山、台風のような自然災害など一生のうちに何度も経験しない地域で生まれ育った人々やその産業、例えば建築や交通、商業などは、そういう前提で成長する。フランスのような大陸の平地に対して日本という市場環境はあまりにも自然災害が多すぎる。我々日本人の遺伝子というよりは、その生活環境が非常に刹那的であり、自然災害の外乱機会が多い。また逆に大陸からみれば、物事の考え方が「有事のために備える」とかいったリスク、もう少し情緒的な言葉を選ぶと「心配事が多い」のだと思う。フランス人が「なんでそんなことを心配しているの」という要素が、日本人にとっては当たり前の「起きるべくして起きる事故」なのかもしれない。一方で日本人から見たフランス社会だって、どうしてそんなふうに自由に対してそこまで意地を張る必要があるのか、とか、政治や世論について公の場で語る必要があるのか、とか様々に異なる市場環境がある。
生成AIで世界との境界にいると、そういうパラドックスを「知ってはいるけれど、飲み込んで、仕事をする」という習慣が構築されていく。対米でも同じくで、非常に合理的で資本主義経済にある感覚、だけではなく、そうではない格差社会の裏側からみた世界もみて、お客様を探していかねばならない。かといって反社会的勢力をお客様にするわけにもいかない。我々が見ている「真偽の世界の裏の対偶」ぐらいを見通していかねばならない。
立ち戻って深津さんの視点
おそらく2024年に起きている「AIの未来の分岐」は、こういった地理学とか地政学的リスクが日本にはあるっていう認識だ。文化的なリスクは著作権法とは異なる二次創作の考え方や、その創作者である八百万の神々に対するリスペクトの高さだろう。大陸の労働者は「業界を選ばずに転職しても転用できるAIナレッジの普遍化スキル」に進化する。その場所を選ばない標準化の一方で、日本のAIナレッジは「特殊オペレーション」を前提としてリユース不可なサイロになっていく可能性がある。
「三豊市ごみ出し案内ボット事件」が典型ではないだろうか。
実際にチャットボットを作ってみてわかったが、これは業務の要件定義がよろしくないし、現状のごみ捨て案内における情報やポスターが全く整理されていない。AIが解決する前に「人間でも答えがよくわからない、人間が解決するのが最も安価なソリューション」であることも多くある。
で、お前はどうするの。
まず、私自身は「生成AIがあたりまえになるまでの啓蒙の坂道(The Slope of Enlightenment)」を丁寧に登る覚悟がある。だからこそ毎日ブログを書いているし、今でも書いている。これが当たり前になっていく世の中できちんと小さなことを積み上げていくことに価値がある。
具体的には今回の震災が起きてから数時間で、フェイクニュースの拡散を歯止める活動を実験してみた。
日本、もう一つの軸が自然災害だ。
— Dr.(Shirai)Hakase しらいはかせ (@o_ob) January 1, 2024
いまこそ、今できる何かを考えて動こう https://t.co/8jYjZbKaT5
20240101-石川大地震被災者情報集約
— Dr.(Shirai)Hakase しらいはかせ (@o_ob) January 1, 2024
スプレッドシート作りました
みなさん書き込みできるようにしましたhttps://t.co/IMBaJDqIzl
フェイク情報かどうかは後で検証します
フェイクニュースは本当に生まれている。
死への直面や、災害の被害者から発せられた言霊は簡単に共感される。募金活動などで普段は財布の紐が硬い方にも富の移動をさせるほどのバイアスがかかりやすい。そして普段はネットには出てきづらい住所や身辺情報が投げ売りされる。これは運が良ければTwitterが人命救急に役立つ可能性があるということだが、実際にこういう機会に調べてみると「幻想」だと思う。Twitter経由で瓦礫の下から生存者を救い出す可能性はほぼゼロであり、実際に瓦礫の下から生存者を救出する人にこの情報が届くか、読んだ人が瓦礫に向かわなければならない。一方で、この程度の情報をGoogleMapsで確認したり、再検索したり、フォームに貼り付けたりする程度のボランティアすらできる人はいない。一方でコピペして自分のアクセス数を稼ごうという魔族はいる。
あなたにもできる簡単なフェイクニュースの拡散防止
助けを求めているツイートの情報を収集してリストにしています。
これは東日本大震災のときに沿岸部で身動きが取れなくなったときの経験から行っています。無料のSpreadsheetを使って必要な情報を編集する形と、フォームを使って収集する方法を並列していますが、今だと生成AIの技術も役に立ちそうです。
Twitterでフォームやスプレッドシートの作成によりわかった「手口」。
① Twitter上で「助けて」を検索する
② 多くの人にRTされているバズツイートを探し出す
<ここから先が「デマ拡散」行為>
③バズっているツイートと全く同じ文面をコピーして投下
④元ツイートにぶらさげたり、拡散アカウントにRTしてもらう
<なぜそんなことをするのか>
アクセス数という毒リンゴに心を奪われているのではないでしょうか。また上記④の拡散アカウントが価値を持っていると思いこんでいるのではないでしょうか。
<どうやってデマを見破るのか>
②で見つけた後に「共感して拡散」するのではなく…以降の行動を変えましょう
③まずはその悲しいツイートの発信者のアカウントのプロフまで見に行きましょう。
④本当に被災地にいるのか、本人なのかを確認しましょう。
⑤プロフの「いいね」を見に行けばだいたいわかります。
https://twitter.com/(アカウント名)/likes
【デマを防ぐために】
・一次情報を確認しましょう
はせ浩(馳浩)石川県知事 https://twitter.com/hase3655
石川県避難施設一覧
石川県防災ポータル
・そのツイートは[拡散]を目的としていませんか?
反射的に拡散せず、その人のアカウントを今一度確認しましょう。デマの2次拡散は自分の責任です。
・災害現場では根も歯もない噂が飛び交います。ネットだけではありません。
「不安」な時こそ、正しい情報であるかどうかを確認しましょう。
今後、やっていきたいこと。
AICU社としてはブレずにやっていくことは変わりません。
つくる人をつくる。
でもAICUで生成AIの仕事をしながらも、クリエイティブやエンタメがこの日本で復活してくるにはとても長い過程が必要になる。市場のみんなの心が落ち着いていくことを待つことも大事だし、もちろん避難している真っ最中にだって、心を落ち着けるためのテクノロジーだってある。
また、石川や新潟など北陸になにかできることがあればどんどんやっていきたい。
例えば危機管理監室のサイトが息をしていない。
@Bousai_ishikawa
息はしているが、まるで他システムの情報をそのまま拡散している。
災害が想定を上回ってしまったのか
それともオンプレだったのか(セールスフォースと書いてある)
いろいろ手を動かしたいことはあるが「ボランティア活動でやれること」をベースに考えていく。
(続きます)