#6 父が運転を止めません!
80代半ばの父。
高度成長期を駆け抜け、車がステータスだった時代の人です。
だから当然のように、車を手放しません。
80歳を過ぎた頃から
「そろそろ車を手放すことも考えたら?」
と、私たち兄弟や孫たちが何度も言ってきました。
でも父は、
「車が無いと買い物にも行けない」
と言って、全く聞く耳を持ちません。
実家から数百メートル先にスーパーマーケットができたので、
「散歩するのにちょうどいい距離やん。歩いて買い物に行ったら運動にもなるで」
と言ってみました。
すると、
「足が痛くって数百メートルも歩かれへん」
「年寄りが歩いたら30分もかかる」
とのこと。
いやいや。
そんなに足が痛いなら、そもそも運転したらあかんやん。
そう言うと、
「安全センサーが付いているから大丈夫や」
「〇〇のディーラーさんも、まだまだ若いですねって言ってたで」
と自信満々。
いや、それは車を売りたい営業トークやから。
事故を起こしてもディーラーは責任取ってくれへんで。
さらに、
「実家だと車が必要なら、便利な場所に引っ越すことも考えたら?」
と提案すると、
「元気に生活できるように、マッサージ機を買ってん」
と、なぜか健康器具の話に。
そして最後はいつも、
「元気やって言っているやろ!」
と怒り出す。
…うーん。
この頃から父は「老いていく自分」から目を背け、
「まだまだ元気な自分」を必死で守っていたのかもしれません。
そんな生活をしてきた中で、今回の入院です。
入院しても父は、
「車検やからディーラーに持って行ってくれ」
と言い、
退院したらまた運転する気満々でした。
医者から余命を告げられているのに、
心配するのは車なんだ。
昭和のおっちゃんの価値観はブレません。
そして入院から3か月ほど経った頃。
保険の更新時期がやってきました。
私は、
「ずっと置いておくのも車に良くないし」
「元気になって先生が運転しても良いって言ったらまた車を買ったらええやん」
と説得を続けました。
すると、ようやく。
本当にようやく。
車を売ることに同意してくれたのです。
気が変わったら大変と、
私は翌日すぐに実家へ向かい、父が懇意にしていたディーラーで売却手続きを済ませました。
あぁ、
これで一つ、父に関する問題が解決した。
そう思ったのです。
…ところが。
後日、保険の解約に行くと、
保険の等級が3つ下がっている。
えっ?
事故ってた?
聞いてないで?
いやもう。
お父さん、まだ何か隠してるん?
これまでの経緯はこちらにまとめています。
