
#1「ブルーアイド・ピーチファズ」
あらすじ
高校2年生の6人は、生徒から嫌われている古典の教師をどうやったら完全犯罪で殺せるのか?という話で放課後に盛り上がった。そうして別れた次の日、その考えた方法で古典の教師が死んでいることがわかり、6人のうち誰が犯人なのか、それぞれ疑いあうことに…。
第一話
それは、だれかが唐突に言い出した。
『どうやったら大倉先生をバレずに殺せるかな』
「え、何それ」
「確かにあいつ死んだ方がいいけどさ~」
「完全犯罪ってやつ?」
「いいねー、面白い」
「それ考えようぜ」
6人が放課後にグループワークで残っていた。
最低で最悪の話題は、課題に飽き始めた彼らにはちょうど良かった。
「でもどうやんの?」
「…一番自然なのは、事故に見せる感じだよな」
「事故ね…」
「首を絞めて、そのあと自殺みたいに見せるみたいな?」
「それだと首絞めないといけないし、あと首を絞めた向きとか調べられるらしいよ」
「そうなんだ」
「屋上から事故に見せかけて落とす?」
「どう屋上に連れ出すんだよ」
「今の時期なら雪で助かるんじゃない?」
「…案外難しいね」
「…一酸化炭素中毒とかは?」
「一酸化炭素中毒って?」
「火が不完全に燃えると出るガスだよ。練炭自殺とかさ、密閉空間で燃やし続けると人が死んじゃうんだ」
「って言っても練炭燃やした部屋に閉じ込めるの難易度高くね?」
「まぁな…」
「燃やすってなんでもいいの?」
「うん、そのはず」
「じゃあストーブとかでもいいわけ?」
「あー、石油ストーブとかも密閉空間で使うなって言われてるよね」
「石油ストーブある密室に閉じ込める?」
「石油ストーブある密室ってどっかあるかな」
「…あ、あるぞ」
「え、どこ?」
「体育備品倉庫」
「あんなボロいとこにあんの?」
「うん、確か小さいストーブがあったはず」
「でもどう密室にすんの? ていうか閉じ込めないといけないじゃん」
「入った瞬間、雪で埋める?」
「屋根から雪落ちてきてドア開けれずに閉じ込められる的なのはあるかもな」
「さすがに事故に見せかけるのむずすぎない?」
「うーん、ボロいし、ドアノブが取れた感じにするとかは?」
「案外いいかもな、事前にドアノブのネジゆるめておけばいけそう」
「閉じ込められたら、ストーブはつけるよね」
「この気温だぞ、つけないわけない」
「あとはストーブが不完全燃焼して一酸化炭素が出てくれるのを待つだけか」
「体育備品倉庫に行く瞬間ってあるかな」
「確かに」
「そもそもの話か」
「あ、先生が帰るときに、一通り学校内の施設を見回ってるはず。一応生徒が残ってないか見回るためにも」
「それで倉庫にもいくのか」
「じゃあそこで倉庫に入ったときに、ドアノブが壊れるってシナリオ?」
「…ありだな」
「決まったじゃん」
「完全犯罪だな」
「これまとめて提出する?」
「自分が殺されるシナリオを?」
「いいじゃん」
「いい加減にそろそろ再開する?」
「めんどくせー」
「まぁやろうよ」
そうしてグループワークを再開し、6人は別れた。
そして次の日、体育備品倉庫で古典教師の大倉が一酸化炭素中毒で亡くなっているのが発見されたのである。