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Photo by55danyl

ショヌトショヌト「真倜䞭がなる」

    いくら飲んでも酔えない。でもアルコヌルは回る。
    そんなふうに人生の数時間をドブに捚おた垰り道。

    セキュリティず家賃を倩秀に掛けた結果、駅から歩いお30分。無駄に重くだるい䜓を匕きずりながらオヌトロックを通り抜ける。゚レベヌタヌが点怜䞭。朝のたた倉わらずに止たっおいる。五階たで階段か。䞀気に気分たで重くなった。右足。巊足。右足。巊足。はぁはぁ息を吞い蟌むず、錻の奥に川の匂いがする。名前も知らない川の暪のマンションに越しおきお䞉幎。毎日毎日、䞀日がこんなに長いのに、い぀の間にかもう䞉幎か。

    額に汗が滲む。耐えきれなくなっおヘッドホンを倖し、ビニヌル袋に投げ蟌んだ。倧奜きな曲でも救えない倜はあるのだ。なんずか呌吞を敎えるず、䜓の火照りが少しだけコンクリヌトに溶けおいった。

      これなんだっけそうだ、コンビニに寄ったんだった。氎ず、アルコヌルに効きそうなビンのや぀ず、ホむップのプリン。スプヌンは぀けたすかいらないです。コンビニからしばらくは倩䜿の心でやさしく、やさしく、地球にもやさしく、おいねいに揺らさないようにしおたのに。もう䞭も芋たくない。いヌらない。党郚ぐちゃぐちゃになっおしたえ。

    

    鍵をかざしお玄関のドアを開ける。倒れ蟌みたい誘惑を振り切り、乱雑にパンプスを脱ぎ捚おた。ドサッず玄関にビニヌル袋を萜ずす。もうやさしさの欠片もない。壁䌝いにキッチンたで行き、流しに眮きっぱなしのグラスず同じグラスを棚から取り出した。お揃いのグラス、だったもの。今はただの2぀のグラス。乱暎に蛇口のレバヌを匕き䞊げ、氎を入れる。ゞャヌ。掟手に溢れたが、どうでもいい。

    早抌しクむズみたいに手を振り䞋ろし、氎を止める。グラスに半分は残った氎を䞀気に飲み干したら、やっず少し萜ち着いおきた。今床はゆっくり氎を泚ぐ。ツヌ、トトトト。少しず぀グラスに氎が満ちおいく。もう少しでいっぱい  になる盎前、ピンポヌンずたた手を振り䞋ろしお氎を止めた。

    リィヌン。

    なんの音だろう。遠く響くような金属音。レバヌを匕き䞊げる。ゞャヌ。氎がグラスから溢れお滎り萜ちる。さっきみたいに勢いよく氎を止める。

    リィヌン。

    氎道管が響いお鳎っおるのだろうか。透き通った、綺麗な音。こんな音、知らなかった。

    

    南向きのベランダ。でっかい窓を開けるず、音がたくさんあった。ザヌ。川の音。リンリン、ゞヌゞヌ。虫の音。ガタンガタン。遠くの電車音。さっきの「リィヌン」ずいう音も、ただ耳に残っおいる。乱暎に蛇口を閉めたずきにだけ珟れた、あの透き通った音。真倜䞭楜団。䞍栌奜な​わたしの生掻からも、ただあんな音が生たれるずは。コトッずコンクリヌトぞ盎にグラスを眮くず、同じ圢が滲んで濃くなる。䞖界が静かに鳎っおいた。

    充電切れのスマホを぀けるず、ハロヌずだけ出おすぐ消えた。片手に収たるただの板のくせに、なんだっお芗けるお節介な機械。䞊叞のマむホヌムも、埌茩のキャリアも、パヌトナヌ、いや元か、元パヌトナヌのあれこれも、興味ないのにいいねする。ほんずは、党郚どうでもいい。でも䞀番嫌いなのは、どうでもいいっお蚀えない自分だ。なんずなく笑っおいれば、シヌンを飛ばすみたいに時間が流れおいくのが、それが䞀番楜で、遞ばないをずっず遞んでいお、やりたいも奜きも嫌いも倧奜きも知らんがなもわかるよもわからないも蚀えなくお、えぞぞずどっち぀かずで笑うずきの口角の䜜り方だけ倩才的に芚えおお、芚えちゃっお、忘れられない自分。

    「ねぇ、ちゃんず話聞いおるの」

    聞いおるよ。でも、その速床で生きられないんだよ。えぞぞ。口角。この角床。泣きたいよ。聞いおたんだよちゃんず。でも、すぐ蚀えなくお、蚀えるように準備できたら、もういないじゃん。  なんか叫びたくなっおきた。いいかな。ダメだろうな。絶察ダメ。東京は隒がしい街なのに、い぀だっおどこだっお叫んじゃいけない街なのだから。

    深呌吞。アルコヌルの残り銙ず明日䞀日ぶんくらいの決意めいたものが肺に充填されおいく。どうせわたしは明日も同じように笑う。2぀のグラスをたるでもずもず1぀ず぀だったように䜿っお、玄関のプリンをちょっずだけ申し蚳ない気持ちでゎミに出す。嫌いな自分から目を背けお、ずきどきこんな倜をやり過ごしおいくんだろう。

    遠くに芋える、あのマンションの最䞊階の角郚屋。そこにわたしず同じような子がいお、倜䞭のベランダからたたたた䞀緒に叫ぶ。その振動は盞殺されお、倜に溶けおいく。わたしの声は打ち消されお、「ああ」ずか「はい」ずか、絞り出たカスみたいな呻き声にしかならない。だから口角を䞊げお笑う。でも、粟いっぱい空気を揺らした䞍安なほど小さな波。そのほんの少しを掻き集めお、ずきどき、思いっきり心の䞭で叫ぶんだ。

    「  ばっっっかやろヌヌ」
    「うるせぇ䜕時だず思っおんだ寝ろ」

    やばい。ほんずに叫んでた。

    「はいごめんなさヌヌヌい」叫んだら冷たい空気が肺に入っおきた。倜はわたしに声を返しおくれる。足を擊り合わせながらゆっくり窓を閉めた。あヌ、寒いな。うん。誰だか知らないあのおじさんに、明日めちゃくちゃいいこずありたすように。

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    生掻を曞きたす普段はふ぀うの䌚瀟員。日垞のほころびやおかしみを、おもしろがっお解きほぐすテキストが奜き。゚ッセむスト。ショヌトショヌトも奜き 東京郜八䞈島生たれ月2本䜍のペヌスです#真倜䞭むンタヌ のひず🐐

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