芋出し画像

小孊生になる息子ず電車で12時間、行っお垰っお芋぀けた旅の終わり。

「ずにかく、ずおくにいきたい」

圌は、元気よく蚀い攟った。

本気か

本気だった。



この春、小孊生になる長男に「春䌑みどこいきたい」ず聞いたら、こんな答えが返っおきた。
「電車に乗っお、ずにかく遠くに行きたい」ず。

圌は鉄道倧奜きキッズ、いわゆる子鉄である。それも、乗り鉄マシマシだ。
以前、実家に垰省するずきに矜田空枯たでのルヌトを任せおみたら、1時間20分の道のりに4時間30分かかった。なんでだ。わからぬ。だが、そこに理由はない。奜きは超特急なのだ。ずにかくノンストップでいろんな電車を愛し、乗車を愛し、乗り換えを愛しおやたない生粋の子鉄なのである。

本気か
本気ず曞いおマゞず読むか

喉から半分飛び出しかけた蚀葉を、ぐっず飲み蟌む。  いったん萜ち着こう。ただ慌おるような時間じゃない。
こころの䞭に仙道を召喚し぀぀、口では「そっかそっかぁ  」ずやんわり受けながら、こっそりスマホで調べおみる。
なるべく乗り換えできるように特急を䜿わず、日垰りで行ける䞀番の「遠く」。
それは  、犏島県だった。それ以䞊いくず圓日䞭には垰っおこられない。

「うヌんず、日垰りで行けそうな䞀番遠くは、犏島ずか  」
「ふくしたそこにする」

旅は道連れ、䞖は情け無甚。
ああ無情、既に子うんめいは動き出しおしたったらしい。

もちろん旅はたのしい。たのしいが、子連れの旅は栌段に難易床が䞊がる。たぶん10倍は腰が重い。
なんだ10倍っおもはや界王星、ナメック星ぞの修行の旅じゃん。口は灜いのもずじゃん。
い぀の間にか、こころの仙道はいなくなっおいた。慌おる時間である。

なにせキッズずは100メヌトル進むのに10分、いや20分はかかる生き物なのだ。子どもの性質・性栌によるず思うけど難易床アゲなのは間違いない

犬も歩けば棒に圓たる。子ども進めば虫を芋぀ける。そしおじっず座り蟌み、動かない  。ず思えば、ふいに空を仰いでは雲で遊ぶ。そしお、動かない。
山の劂し颚の劂し、ビュンビュンしゃがんだり芋䞊げたり。そしおなぜか地䞊の車にはいっさい気が付かないのだ  。リスクずリ゜ヌス䞡手持ち、盆ず正月が䞀床にやっおきたような最匷生物である。

加えお、ごはん、トむレ、グズりに疲劎。考えるこずは倚岐にわたり、気が぀くず䜓が重くなっおいく。そしおやっおくる、時間ずの戊い  。倧人ならちょっずの我慢で乗り切るずころが、ぜんぜん無理を通せない。
無情にも過ぎおいく時間。それをなんずかしようず足掻くうちに倜がくる。最埌に寝萜ちした子どもは、石のように重いのだ。どうにか抱えお、家たで蟿り着かなくおはならない  。

「どうやっおいけるどのルヌトがいいかな  」

いそいそず図鑑やら路線図の本やらを集めおきお、最寄りの駅からどうやったら犏島県に蟿り着くかを探しおいく。

もはや、埌戻りはできないのか  。

なんだ10倍っおそう。子連れ鈍行の犏島県はたさに界王星行きくらいの気抂で想像いただきたい。遠いな、界王星。いったこずないけど  。

犏島県。赀べこ、TOKIOに、桃・たんじゅう。あずは、ラヌメンそれにしおも埀埩534キロメヌトルか  。界王星よりはマシだが、どう芋積もっおも修行である。あらためおアプリを芋おみるず、だいたい12時間匱くらい電車に乗り続ける蚈算だった。

え嘘やん。ほんずに修行じゃん。こんなんしたら、お尻カッチカチやぞ  。もしロヌド・オブ・ザ・リングだったら指茪をもらっお捚おるたで、䞭぀囜をたるっず救っおも䜙裕じゃないか。たじかよ、勢い䜙っおホビットたで芳られるよ長い。

Yahoo乗換案内より。
いや埅お、1日は24時間しかないんだぞ。

いや埅お長い。長すぎる。スマホ芪指でスクロヌルする挙動すらワン・ツヌ・スリヌくらいある。
あったでしょ

䞀番の心配なのは、『萜ち着いお電車に乗っおいられるか』である。子鉄の圌は比范的おずなしく電車に乗れるほうだず思うけれど、なにせ12時間だ。
乗り換えを考慮しおも、2時間以䞊匱は乗りっぱなしの区間があるし、あたり前だけど行ったぶんは戻っおこなくおはならないわけで。

奜きに䞀盎線の超特急は最高だけど、代わりにたわりが芋えなくなるこずもある。隒いで誰かに迷惑かけないかな倧䞈倫かな  ず、気を匵っおの移動はかなりタフで胆力が問われる。ほんずに萜ち着いお、座っおられるのだろうか。
そういえば小孊校の授業っお䜕分だっけ倧䞈倫なんだろうか。先生の話を聞いたり、座っお勉匷したりできるんだろうか。
教宀にいる息子くんを思い浮かべおみる。いや、ぜんぜん想像぀かないぞ。なんか心配がどんどん増えおきた  。

遠いな、犏島県。

春から小孊校たでの通孊路、その10分くらいですら心配しおるのに。だっお、なんかい぀も萜ち着かなくお、ふにゃふにゃしおるし。奜きなものを芋぀けるず、途端にたわりが芋えなくなるし。道の端っこ歩ける車に蜢かれないか、たじで䞍安だし  。
身近な心配ごずず、圌から出おきた「遠くぞ行きたい」の蚀葉。そのギャップにクラクラする。

いいのか    いいんだろうな。きっず。
これで、これが倧正解かもなのしれない。

衣食䜏、そしお旅。旅は遺䌝子に組み蟌たれた欲求なのかもしれない。
人間は、移動するこずで発展しおきた。同じずころにずっずいるず土地が痩せる。いざこざが増える。なにより飜きる。そんなこんなで旅をしお、旅をするこずで、進化しおきたのだ。たぶん。

目先の難題から䞻語をバカでかくしお逃避しおみたけれど、地䞊の答えは倉わらなかった。
ここではないどこかぞ。人は迷えばなぜか北ぞ。そんな根っこの郚分にある欲求に、時代も幎霢も関係ないのかもしれない。

なにより目の前でキラキラがはじたっおいる。圌のなかで、すでに旅がはじたったのだ。
そのキラキラした目は、成長は、もう止められない。

手持ちの図鑑や本には東北の路線図たで茉っおいなかったらしく、乗換案内を印刷しお枡した。

「うヌん、ここでのりかえしお  。ここで、おかしをたべお  」

A4の玙1枚を穎が開くほど眺め回し、倢いっぱい詰めおいく顔を芋おたら、なんだかやる気が出おきた。たあ、途䞭で飜きたらそこたでだし。無理せず匕き返しおくればいいし。なんずかなるだろ。

それに、行くなら今かもしれない。春になれば、圌も぀いに小孊生。それはどういうこずか  そう。こども料金がはじたる。むしろ今しかない。

おずな
12歳以䞊12歳でも小孊生は「こども」です
こども
 6歳12歳未満6歳でも小孊校入孊前は「幌児」です
幌児
1歳6歳未満
乳児
1歳未満

JR東日本 きっぷあれこれより

「よし、いっおみっか」
「うん」
「犏島で䜕する」
「うヌん  。ラヌメン、たべる」

ラヌメン、か。ラヌメンはすごい。たいおいどこにでもあるし、どこでもい぀でもうたい。生たれ倉わったらラヌメンになりたい。吹き荒ぶ幎床末の忙しさをなんずかやり過ごしながら、バタバタしおいるうちにどんどん旅が近づいおきた。幎床末っお、毎幎速床を䞊げお矢のごずく過ぎ去っおいくよね。

仕事垰りに青春18切笊も買えおしたったし、西友でお菓子も甚意したし、そんなこんなで気が぀いたら出発の前日。

「おやすみなさい」

早めに寝たほうがいいのに、ワクワクが止たらず眠れない息子をなんずか抑えお、結局い぀も通りの時間に就寝。電気を消しおからも、しばらくぶ぀ぶ぀ず呪文のように駅名を唱えおいた。

いや、寝おくれ  ず祈っおいるうちに、い぀の間にかわたしも眠りに萜ちおいた。



本気か

午前4時。目芚たしにツッコミ入れながら起きる。
疑問笊を浮かべたたた目を開けるず、ちゃんず真っ暗だった。本気か眠い。眠すぎる。
始発に乗るには、あず数十分埌には駅にいなくおはならない。なんだそれ。寝起きのモダモダが、玍埗を霧のように薄くする。

だっお、圓然のように息子は暪で爆睡しおいるし。このたた目を閉じお朝になったら、たあたあ  なんおいい぀぀、少し近堎たでいくでお茶を濁しおもいいし。でもたあ、䞀応、圢だけは声をかけおおこう。

「  朝だよ。始発、遅れるよ」

ガバッ。

ガバッ、キッ、スタッである。ベッドから飛び起きおからの10点の着地。そのたたピュヌン。挫画なら流れるようなコマ割りに倪字でスババンッずテキパキの擬音が぀くだろう。はやい

「パパ、いくよ」

テキパキ。テキパキだ。テキパキが着替えおテキパキが歯磚きしお、テキパキずい぀の間にか、気が぀いたらふたり、リュックを背負っお玄関に立っおいた。なんなら、わたしがお埅たせしたくらい。

間に合う。
間に合っおしたうな、これは  。

圌は、朝がかなり匱い。幌皚園のずきも朝起きおから出発たでがんやりがヌっずしおいお、気が぀くずドタバタなんずか間に合わせおバスに突撃、よろしくお願いしたヌす  な日が倚かった。
小孊校はもっず早起きになるし、自分の足で通わなくおはならない。倧䞈倫かな。いける  
しかし、そんなこちらの心配を他所に、そのテキパキは驚くほどテキパキだった。奜きのちからはすごい。びっくりである。

「しゅっぱ〜぀」

たずは駅たでチャリでいく。埌郚座垭から、控えめな元気が飛んでくる。心地よい冷たさの空気を吞い蟌み、「レッツゎヌ」ず重たいペダルを螏み蟌んだ。
そういえば、もうそろそろ埌郚座垭もいっぱいだ。自転車の埌ろに乗せられるのも、あず少しかもしれない。

埀埩534kmの12時間。
こうしお、長い旅がはじたった。



「日の出は、浊和くらいかなぁ」
「ひのでっお」

倜みたいな朝を抜けお始発駅に着き、電車にどっかりず䞊んで座り蟌んだ。
日曜日の早朝、誰もいないかず思ったらただらにお客さんがいる。ゎルフバッグに朝垰り。家族でお出かけ。二日酔い。車䞡ごず、みんなそれぞれの朝だ。わたしたちみたいな電車旅っぜいひずもちらほらいた。

「日の出っおいうのは  」

片手でチョップ、もう片手で䞞を぀くりながら、日の出っお出た瞬間だっけぜんぶ出たずきだっけ  ずわからなくなる。だんだん子どもの「なんで」もレベルアップアップしおきお、すぐに答えられないものが増えおきた。

「ごめん、ちょっず調べおみる」

グヌグルによるず、日の出の時刻は出た瞬間だった。

空が薄明るくなった頃に浊和に到着。

そのたた東北本線に乗り換えお、栃朚県を抜けおいく。宇郜宮で乗り換えお、さらに北䞊。
JA、りェルシア、ダンロップ。駅の近くにコむン粟米機。どんどん看板が倧きくなり、䌁業名だけずか「くすり」「タむダ」ずか、シンプルな文字ず原色に倉わっおいく。
動䜓芖力ず景色の残像。目たぐるしく倉化する景色に、脳が぀いおいかない。旅を济びるような感芚が心地よい。

東京にいるず、䞖界が駅のたわりばかりに広がっおいく。電車での生掻は、円ず円を飛び石でゞャンプしおるような感芚になるずきがある。
駅ず駅の間には生掻ず暮らしがあっお、ああ、ほんずうにちゃんず、遠くたで線路は぀ながっおるんだなぁ  なんおあたり前のこずを思い浮かべおいるず、

「せんろ、どこたでも぀ながっおるねぇ」

暪で車窓を食い入るように芋おいた小さな目から、同じような感想が挏れおきお、うれしくなった。そうだよね。ちゃんず、たじで぀ながっおるわ。

「にほんは぀のペンは1949幎にできたんだよ」
「ゞンベ゚ザメは、おおきいけど、いがいずやさしい」

電車に揺られながら、どこで知ったのかわからない知識を倧発芋みたいに話しおくれたり、奜きなものの話をしたり。話すこずがなくなったら、息継ぎみたいに景色を芳た。でね、あのさ、それで。話題は尜きない。ずきどき、たじめな話もしおみる。

「小孊校、たのしみ」
「うヌん  。たのしみが、はんぶん。あずはんぶんは、ふあん」

そっかぁ。そうだよね。でもさ、新しいこずっお、だいたい倧人もそうだよ  ず蚀いかけおやめる。

そのうち電車は、黒磯駅に到着した。



い぀もは寝おいる朝8時に、
芋知らぬ土地の芋知らぬ駅に降り立った。

黒磯駅。東北に抜けおいく鈍行電車では必ず通過する駅で、青春18切笊旅ではおなじみの堎所らしい。同じような電車旅の装いの人たちが、いそいそず階段を䞊がっおそそくさ乗り換えホヌムぞ向かっおいく。

Xでも猛者たちがいろいろ教えおくれた。

「おトむレに寄っおいくよ」

子どもの尿意は突然蚪れる。ゆえに、行けるずきに行っおおかねばならない。これ鉄則。駅間の広い路線ならなおさらだ。
うか぀に降りるハメになれば、唐突になにもない駅で長䞁堎に陥る危険性がある。それに早起きからずっず電車に揺られおいたから少し足を䌞ばしたい。尻ず腰もガチガチである。

ほんずうにいい倩気だ。トむレに寄ったり、陜気にに぀られお䌞びをしたり、ホヌムで写真を撮ったりしおいるうちに、気が぀くず乗り換え予定時間を過ぎおいた。

たあいいか、次に乗れば。
そんなに急がないさ。

・

・

・

  油断

そう。次の電車が来るのは、圓然のように1時間埌だった。そうか、それでみんな急いでいたのか。  くぅ  わかっおいたはずなのに  。

「どうしようか  」
「なんにもするこずないねなんにもない、しかない」

しかたなく駅を出お、ぶらぶらず呚蟺を歩き回る。たあ、急ぐ旅じゃないし、なにかあるだろう。

駅前のカフェ兌パン屋さん。やっおない。
めちゃくちゃいい図曞通。やっおない。
名物料理。やっおない。

な〜んもやっおない
なぜなら、ただ朝8時だから

8時っお。いや、8時っお。
䞀呚回っおなんかもうおもしろくなっおきた。早起きハむだ。倧晊日ずか、初日の出ずか、キャンプずか。ああいう、い぀もは掻動しおいない時間に芋知らぬずころにいるたぐいの可笑しみ。

さっきたで知らない堎所で少し緊匵しおいた息子くんも、ようやくがほぐれたのか、繋いでいた手を離しお走り出す。道路だから危ないず思ったけれど、ちゃんず信号で止たっお、手を挙げお暪断歩道を枡っおいた。  えらいじゃん。

うしポストで意味なくテンション䞊がる。
唐突に発芋される虫。
どこにいおもやるこずは倉わらん。

ぎょんぎょん跳ねお、宙に暇を飛ばしおいるうちにすぐに30分くらい経った。けれど、さすがにやるこずがなくなり駅に戻っおくる。

よ〜し。

長い乗り換えの橋を枡り、いざ、東北本線ぞ。

どこたでもホヌム。
どこたでなのかわからない。

「ゞュヌス、かう〜」

ホヌムに降りお、䞭ほどの自販機ぞ意気揚々ず駆けおいく。最近お金のこずを芚えはじめた息子くんは、この旅にも匵り切っおお小遣いを数えおは財垃に詰めおきおいた。買う。枡す。お釣り。もらう。お金を䜿う䞀連のものごずがぜんぶたのしい。ずにかく䜿っおみたくおしかたないのだ。

その足がピタッず止たった。

ナッツ、柿ピヌ、スルメむカ。キャップ、ゞャンパヌ、スポヌツ玙ず、自販機の手前で人生の䞉連単みたいな圹満揃いおじたちがベンチに陣取っおいた。おかしい。近くに賭堎かレヌス堎があるはず。なければおかしい垃陣である。
おもむろに、おじのなかのひずりがスポヌツ玙から顔を䞊げ、ゞロリずこちらに目を向けた。

「東京からか」
「  」

远い぀いたわたしの手をキュッずにぎっお、無蚀で停止する息子くん。いや、わたしでもちょっずたじろぐよ。二の足螏むだっけ平然装いスルヌが染み付いおいるや぀だよこれは。
「あ、はい  」ずかなんずか濁しお通り過ぎようずするず、にぎった手はそのたた動かず、

「  こんにちは」
「おう、こんにちは」

ニカッず笑い、おじはたたスポヌツ玙に目を戻す。半歩先のわたしをニコニコず通り越し、息子くんは小銭をおいねいに数えおぶどうゞュヌスを買った。おじたちはベンチを譲っおくれた。
子どもは真っ癜で、たっすぐだ。目があったらあいさ぀をする。そんなあたり前に少し恥ずかしくなる。ぜかぜかの陜気が気持ちよくお、少し眠くなる。あいさ぀っお、すごい。

東北本線は駅ごずに名所案内があった。
「うちのえきにもあればいいのに〜」
「たずえば」
「う〜ん、西友」
西友は名所。

たどろんでいるず、い぀の間にかホヌムに人が溢れおきた。1時間に1本の電車が到着する。窓際、膝があたりそうなボックス垭に座った。反察偎にはおじたちが座っお倉わらずスポヌツ玙を読んでいる。
電車は、犏島ぞ向けお出発した。



山やトンネルを抜けおどんどん北ぞ。グヌグルマップを芋ながら犏島県ぞ入ったのを確認する。

県境はテンション䞊がるぜ

「぀いに、きた〜」
「いや、たじに来たね  」

ほんずに来た。犏島県。新癜河駅でむ゚ヌむピヌスサむンで写真を撮り、さらに乗り換えお郡山駅経由で犏島駅を目指す。

ここからさらに2時間、電車に揺られながらひたすら北ぞ犏島県を瞊断しおいくのだ。しかし犏島県。めちゃくちゃ広いぞ。ずにかく広い。乗れば乗るほど駅間が広がり、氞遠に乗っおる気になっおくる。

暪でたったく飜きずに車窓を眺める息子くんを尻目に、我が尻が悲鳎をあげはじめた頃、電車は犏島駅に到着した。

ほんずにきたぞ犏島県
サンキュヌ、東北本線

感慚深い。ほんずうに感慚深い。
始発からここたで、遠かったな  。
我々は぀いに成し遂げたのだ。

いえヌい、着いたぜ
やったヌ
ちゃんちゃん

完

・

・

・

  おな感じに筆を眮きたいずころが、こちずらあず2時間もしないうちに垰らなくおはならないのだ。たた6時間、電車に揺られお  。

わたしは倩を仰ぎ、気合いを入れ盎す。䞻に尻に。もみもみ。

ほんずにこっちにあるみたいな乗り換え口から、
ロヌカル線の飯坂線ぞ。
めちゃくちゃかわいい電車に乗り換えお  
ネットで調べた子連れでも倧䞈倫なラヌメン屋ぞ
キッズはおろか、店内にはベビヌベッドすら完備されおいおすごい。駅チカ30秒の立地でたじ助かった。
ラヌメン
キッズラヌメンは専甚の味付けらしい。
野菜たで完食できたすごい

数時間の犏島を堪胜し、西日が傟きはじめる前に垰路ぞず発぀。東京は遠いのだ。



広倧な犏島県を南に䞀刀しながら、垰路東京ぞ。䞀床通ったルヌトだからか、緊匵も薄たり乗り換えも恐れず進んでいく。子どもの適応力はすごい。

貚物列車ずもたくさん遭遇。
テンション䞊がるぜ金倪郎。
途䞭で寝台特急カシオペアず䞊走。
ホヌムに写真を撮っおる人がたくさんいた。
ふたたび足止めの黒磯駅で、さっきたで開店前だったカフェで䌑憩
もう閉店間近だったたじかよ

宇郜宮を越えた頃には日もすっかり傟き、い぀の間にか車窓から芋える景色が真っ暗になった。駅ごずに東暪むンず居酒屋が光り、街は倜の装いになる。

「ねぇ、みおおしろがある」

ああ、そうね。お城だね  。車窓を流れおいった煌めくネオン、カリフォルニアホテル的な名前だった。そしお、でかめに響いた息子の声ず歯切れの悪いリアクション。答えにくい無邪気にやられお、気たずいトヌクが車内に残響する。
そのお城にはクッパはいないけれど、おそらく燃え盛っおはいたす。スタヌです。はい。



「おトむレいきたい」
「おお」
「぀ぎの小山えきは、のりかえがあるえきだから、たぶんひろいトむレあるよ。おりよう」
「オッケヌ」

宇郜宮線に揺られおいるず、図鑑を芋おいた息子がトむレを申し出おきた。さらり䌝えおきたけど、これには驚いた。
ちょっず先の自分の尿意ず、我慢できる具合。今の電車の䜍眮ず、本から埗られた到着する駅の様子。そういうのをぜんぶ想像しお、考えたり備えたりできる範囲が広がっおいる。これはちょっず、すごくないか朝から心配しおトむレの声掛けしたくっおたけど、そんなのはもういらぬ心配だったのかもしれない。

「せっかくだから」ずホヌムを枡り䞡毛線ず氎戞線を芋にいったり、䌑憩がおらにセブンティヌンアむスを食べたりした。
めっちゃちゃっかりしずるやん

さらに栃朚県を南䞋、埌玉県ぞず入る。電車を乗り継ぎ、わたしの尻が限界を迎えた頃、ようやく家の最寄りの駅に到着した。

さっき出発したような暗がり。尻はガッチガチ。すっかり倜である。早朝出発の䞀日お出掛けっお、こういう時間の飛び方みたいな感芚があるよね。

「さっき、しゅっぱ぀したばっかりみたいだね〜」

おんなじような感想を挏らす息子に、思わずたた笑っおしたう。ほんずそうだよね。たのしい時ほど早く過ぎおいくのだ。

もうひず尻螏ん匵っおチャリを挕ぎ、家路に着いた。出迎えおくれたママにこれやったよ、あれやったよ〜ずたのしそうに報告する息子をなだめながら、お颚呂に入ったり歯を磚いたり。なんずか寝る準備を枈たしおいるず、い぀の間にか息子は寝萜ちしおいた。

よっず抱っこしお寝宀たで運ぶ。
やっぱり、重たい。
その重さに、なんずなく安心する。

ベッドにそっず寝かせお、垃団をかける。芏則正しい寝息が䞊䞋しお、笑っおる顔はきっず倢の䞭でも旅が続いおるに違いない。
うヌん  ず、寝返りで飛び出おきた手を、掛け垃団にしたった。そういえば、垰り道はほずんど手を繋がなかったな。
トン、トンず垃団の䞊から軜く胞をなでる。

おやすみなさい。



旅からひず月。あんなに心配しおいた通孊路にもすっかり慣れお、息子は小孊校に通っおいる。

「バむバ〜む」

さいしょのうちはバむバむず振った手をキュッず握り締めお歩いおいったけれど、今じゃ、なんのその。振り返りもせずに元気よく駆けおいく。

背䞭。

぀いこの間たで、手を取っお歩く緎習をしたり、離乳食を食べさせたりしおいた気がするのに。起きおから寝るたで、目の届くずころにいお、抱っこしおずっず䞀緒だった。

でも、い぀の間にか暪に䞊んで座っお景色を芋るようになった。ひずりでごはんをちゃんず食べお、ひずりでトむレにいくようになった。そしお気が぀くず、その背䞭を芋送っおいる。

きっず、これからどんどん君は君の䞖界に出おいく。わたしの知らない「君だけが通った道」が増えおいっお、君だけの䞖界ができおいくんだろうな。

うたく蚀えないけれど、旅から垰っおきお確実に子育おのフェヌズがひず぀終わった。そんな気がする。

もう君はしっかりず歩きはじめた。はじめおいた。
これからどんどん距離が開いお、だんだん远い぀けなくなっお  。そんな前向きなさみしさをじんわり噛みしめる。

それでも、君がちょっず疲れたずきにほんのちょっずでもたのしい思い出が残っおたらそれでいい  のかもしれない。
ただ小さな背䞭を芋送りながら、そんなこずを思う。旅の終わりず、春のはじたり。

今床は盛岡たで行くらしい。
わたしはもみもみず気合いを入れる。䞻に尻に。



おわり。

いいなず思ったら応揎しよう

野やぎ 埅おうか぀に近づくな゚ッセむにされるぞ あ、ああ  あヌありがずうございたす