
魔女の宅急便
キキ
『魔女の宅急便』は決してよくある“少女の成長物語”ではありません。キキは物語の始めからもう完璧な存在です。明るく、礼儀正しく、元気よく、父母とも極めて円満であり、友達も多く、村中から愛されています。もう成長など1ミリも必要ない至純の宝石です。魔女という設定ですが魔女ではなく女神なのです。
そのような女神が格下である人間の男に恋をする事によって神性を失うことになる。ここでの神性とはジジの言葉です。人魚姫が声を失うのと全く同じです。宮崎駿は人魚姫やブリュンヒルデのような物語に強い影響を受けたようです。大事なものを失ってもなお優先される至高の愛を真正面から描きたかったようです。
後に作られる『崖の上のポニョ』も全く同じ話です。宮崎駿にとって愛の定義づけは生涯のテーマであるのかも知れません。ポニョの本名がヴリュンヒルデというのは観客へのサービス的な説明でしょう。




